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上田桃子がこれまでのゴルフ人生を振り返る!あの決断の本音とは?
百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。今月のゲストは、突然のツアー「一時撤退」表明が大きな話題となった上田桃子。
10年前から親交のある武井が、上田の本音を聞き出す!
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20代まではイケイケで生意気だったけど自分自身を疑ったことは1度もなかった
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武井 今月のゲストは時の人、上田桃子プロにお越しいただきました。引退、いや、ツアーからの一時撤退ですか。
上田 はい。プロ入りからちょうど20年が経ちましたが、感覚的には10年くらいの感じです。
武井 ひとまずお疲れ様でした!いろいろと聞きたいことがありますが、まずはこれまでのゴルフ人生を振り返るお話からお聞かせください。
上田 ゴルフをはじめたのは10歳からで、そのころからプロになることを意識していました。でも、まぁちゃらんぽらんでしたね(笑)。私はプロゴルファーのなかでは、学校生活をめちゃくちゃエンジョイした少数派だと思います。まったくエリート街道を歩んできませんでした。
武井 なのに、順調にプロへの階段を上がっていけた?
上田 自分のモットーというほどではないですが、その瞬間を楽しむことを大事にしていて、学生生活って学生でしかできないことじゃないですか。ふざけたり無茶したりするのも。だから、遊んでおきたかった。中学1年のときに全国大会に出場しましたが、そのときに宮里藍さんを見て、その前から知ってはいたんですが「すごい!こんな人いるんだ」と衝撃を受けました。
武井 そこで、藍ちゃんのようになりたいと思いましたか?
上田 いいえ(笑)。すごいけど私はあんなふうにはなれない。だから、今のうちに遊んでおこう。プロを目指すスイッチは、高校2年くらいに入れれば大丈夫かな、と。頭の片隅には高校2年くらいから本気でやらないと「藍さんの背中が見えなくなっちゃうぞ」というのもあって、高2からはめっちゃ練習しました。
武井 2年あればいけるって思ってたんですか?(笑)
上田 さすがに1年では、プロを目指す人たちに追いつけませんよね。それまでにも1日1000球打つときもありましたが、どうやってさぼるかを考えていたので、ゴルフと向き合うのとはほど遠い人間でした。
武井 かなりのスロースタートだったんですね。でも、プロテストは1発合格。自信はありましたか?
上田 ありました!
武井 テスト合格の勢いのまま新人戦で優勝。ツアーデビューからはどうでしたか?
上田 05年は2試合のみで、どちらも予選落ち。でも、予選落ちなのに「いけそう」と思いました。
武井 いけそうと思った要因は?
上田 プロになりたてで一気に大活躍とはいきませんよね。1年目は「こんな感じか」というのがわかればいいし、まだ自分の100%じゃないから100出せたらいけるな、と。
武井 で、実際にツアー本格参戦の翌年(06年)はいけた?
上田 何度も優勝争いができましたが未勝利のまま。でも、賞金ランキングは13位。そのときもポジティブ人間で「えっ、ひとつも勝てなくてこの順位……。じゃあもっとうまくなったら来年は最高じゃん!」と思って、次の年の4月に勝てました。
武井 ホントすごい(笑)。初優勝のときのことは覚えていますか?
上田 地元での開催だったので、応援がすごかったです。前年もその試合は初日トップで、そのときは福嶋晃子さんと熊本の大先輩の不動裕理さんと同組でした。
武井 当時、勝ちまくっていた2人ですね。
上田 その試合でも優勝する不動さんと、バコーン!とぶっ飛ばす福嶋さんのプレーを目の前で見て「これがプロか、プロってすごっ!」とはじめて感じました。オーラもピリッとしていて、私の緊張感はMAX。それでもその日はよかったんですが、2日目は82も打っちゃいました。その経験から初優勝のときは「昨年以上のことはない」と、とてもリラックスできました。
武井 本来はあまり、精神的な負荷を感じないタイプですよね?
上田 ベースはそうだと思います。自分の気持ちに対しても疑うことがないタイプ。
武井 で、その年の賞金女王をJLPGA最年少記録を更新して獲得しますが、前年の「こんな感じならこうなれる」と思ったことを実現したんですね。
上田 何をするにも自分を疑っていなくて、風邪をひいていても勝ったりしていたので、何をやってもうまくいくじゃんって(笑)
武井 07年は5勝もして「若いのにつえ~」と思いました。
上田 いやいや「生意気~」「なめてる~」みたいな感じでしたよ。
武井 「顔こえ~」みたいな(笑)
上田 ハハハハッ。間違いない!
最後の最後まで「まだやれる、行ける」という気迫を感じていましたが……
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武井 その後も快進撃を続け、米女子ツアーにも参戦。国内外通算17勝もあげるわけですが。
上田 20年で17勝って、多いのか少ないのか……。
武井 多いでしょ!
上田 でも、1年に1勝のイメージだとすると「こんだけ?」と思いません?
武井 近年は、思うようなゴルフができない、優勝を積み重ねられない。ツアー一時撤退もそういう気持ちから?
上田 勝てないとは、今も思っていません。だけど、いちばん上には立てないですね。
武井 コーチの辻村(明志)さんが桃子プロの練習風景の動画をインスタグラムに上げてくれて、ひたすら求道者のように打ち続ける。いろんなドリルで練習しまくっている姿を見て、またトップを獲ってやろう、まだ行けるんだ、という気迫を感じていました。それは、ツアー撤退を知った今を思えばですが、24年でツアーから退くのを決めていて「やれること全部やろう」だったのではとも思いましたが、本当はどんな心境だったのですか?
上田 もう1度いちばん上になれる、自分自身に対する期待や可能性を、正直、疑ってはいなかったんですよ。結果「流れをうまく作れないな」という感じで全然ダメでしたけど。疑ってはいない気持ちのなかでも「もう1度トップを獲れない」と思ったらやめようという考えもありました。でも、練習中はまったく疑わずに、全部やり切ろう、としていたのが今から5年くらい前からですね。
充実感が得られるのは1勝ではなく年間とおしてトップに君臨すること
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武井 トップにはもう立てないと思った、きっかけや決定的なことはありましたか?
上田 心技体のバランスをよくする必要がありますが、私のここ何年かは「余裕がなくなっているな」と感じていて、練習の「量」でやってきたタイプだから、量だけは外せません。その量を維持するためには体を整えなくてはいけないのに、全体的に後手後手に回っていて、トレーニングなどやらなきゃいけないタスクがあるのに、それが全部できない。体を強くするのに時間を避けない、体がしっかりしていないとリカバリーのほうばかりに時間を割いてしまって、自分がやりたいことと全然マッチしていなかったんですよね。
武井 量を積んでもクォリティが低いとか、完全な自分で量をこなせないのが、ここ数年続いていた感じですか?
上田 はい。アドレスひとつにしても、頭で考えて構えないとそのアドレスが作れない。それは、自分のなかではすごく違っていたんですよ。体をしっかり整えて、無意識でもできる。頭と体がきちんとつながっているときはいいんですが、体は動いてはいるけど頭と体はつながってはいないという感覚がすごくあったんです。自分のやりたいこととできていることとのバランスがズレている。
武井 その、考えなくてもアドレスにスパッと入れるのと入れないのは、何がどう違うんですか?
上田 たぶんですけど、メンタル的なことからきていることもあって、私は目がすごくいいんですけど、自信がなくなってくるとボールを直視しすぎて体がボールに向かって丸まってしまう。パットもそうですが「入るな」と思ったときは視野が広くとれているのに、悪くなると狭くなって体が丸まってしまう。それを指摘されて意識すると、技術的なことが意識できない、バラバラになることが多くなってしまいました。
武井 それでもまだやれる、勝てるという声は多いですよね。
上田 ハマらないと勝てないと思いますし、1勝したけど、そのシーズンが充実していた、とはならない。年間とおして、いちばん上に君臨できてこそ「やれた!」と思える。そのためにはもっと割かなくてはいけないこと、ガマンしなくてはいけないことが多くなってきてしまった。もう38歳で結婚もしていますが、いろんなことをそぎ落として「ゴルフのために、これだけやっていればいいや」となるのもまた違うかなと思うようになりました。いちばん上に立つために必要なことと、今の自分の現状がわかっているので、足りないことが多いのもわかっています。
武井 納得のいくMAX100の状態や気持ちで、ゴルフに向かうことができないときがきた、ということだったんですね……。僕は、桃子プロはずーっとツアーに出続けると思っていました。しかし、これからの上田桃子も楽しみにしています。それで今後なんですが……(次回に続く)
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上田:う~ん……
いかがでしたか? これからの上田桃子プロに注目が集まります!
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武井 壮
●たけい・そう/スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。テレビ東京系列で「武井壮のゴルフバッグ担いでください」(日曜朝 9:30から)をオンエア中。YouTube にて「ネイティブキャンプ presents 武井壮の世界進出」を展開。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●X(旧Twitter)アカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei
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上田桃子
●うえだ・ももこ/1986年生まれ、熊本県出身。24年11月3日に今季かぎりでツアーからいったん退くことをインスタグラムで発表。多くの関係者に惜しまれながらの決断をした、ちょうど1カ月後に対談を行なった。ZOZO所属。
写真=竹田誉之
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