フィニッシュが良くなれば上手くなる!その理由を人気コーチが解説
フィニッシュが上手く決まらないと頭を悩ませるゴルファーは多いのではないでしょうか。そこで今回は「フィニッシュ」に特化したレッスンをご紹介!
まずはフィニッシュの大切さを学んでいきましょう!
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フィニッシュに軌道やインパクトの良し悪しが出るのは本当!
みなさんもビギナーのころや調子が悪くなったときに「とにかくフィニッシュを決める」という上達法や修正法を教わったり、実行したことがあると思います。スイングの最後のポジションであるフィニッシュをきれいにカッコよくすることで、インパクトやダウンスイングの体の動きや軌道がよくなる。これは本当で、古くからいわれていることでも今なおその効果は高いと思います。
何が悪くてフィニッシュが崩れてしまうのか?それを自分で探し出すのは簡単ではありませんが、フィニッシュを決めることでスイング全体が自然によくなるのは、とても有効。今回のレッスンでは、フィニッシュが崩れてしまう原因やどんなフィニッシュが理想なのかまで詳しく説明しますので次の練習から早速「フィニッシュを決める」を実践してください。
フィニッシュは本来「加齢とともに美しくなっていく」ものでもある!
フィニッシュは加齢とともに崩れるものではなく磨かれていくものです!そのいい例が、上の写真のプロ通算165勝のレジェンドゴルファー、ゲーリー・プレーヤー。このとき、88歳ですが、とても美しいフィニッシュを決めています。
しかし、若いころは今と違い崩れたフィニッシュをとることが多かった。でも、当時はそれでOK。なぜならば、若いころはパワーや柔軟性が高かったので、強い力を出した反動や体への負担を減らすために崩れていたからです。
一方、今のフィニッシュは昔とは違い、スピードやパワーを生み出すのはフィジカルではなく「フィニッシュを決める」こと。加速力や効率よく力を伝えるスイングになる彼のような美しいフィニッシュをとることは、アマチュアのみなさんの上達に必ず直結します!
諸悪の根源は「振り遅れ」!
僕の経験からいうと「フィニッシュを決めて下さい」といって正しくできる人は練習場では5割くらい。これが狙ったエリアに打つことも必須となるコースでは2割を切るくらいになってしまいます。
このフィニッシュが崩れてしまう8割の大半は、スピンアウトと右足体重。この原因を突き詰めていくと、ダウンスイングでの振り遅れになります。
詳しく説明すると、振り遅れたままは右足体重のフィニッシュに直結する(パターン1)。振り遅れているのを嫌がり解消しようとすると、体とクラブが回りすぎるスピンアウトに(パターン2)。振り遅れ解消に体が目標方向に突っ込むのは一時的には左に体重が乗りますが、その反動で右足体重になる(パターン3)。
いずれも諸悪の根源は「振り遅れ」なので、ここを直すことが前提となります。
フィニッシュCheckはドライバーで!
あらためて自分がどんなフィニッシュをとっているかの確認はドライバーショットで行なおう。もっともスピードや遠心力が上がるクラブなので、振った結果がフィニッシュに表れやすい。
「実際にボールを打ったほうが自分のリアルな形が出ます。ティーアップして打つためミートしやすいから、インパクトの良し悪しに左右されにくいのもドライバーで確認する良さですね」(兼濱)
肝心なのは「切り返しから腕を振る」
腕を振れば「左足を踏み込める」
振り遅れを防ぎ、美しいフィニッシュをとるには「振り切る」、それには「しっかり回転する」と思われがちですが、じつは「回る」はどうでもいい。むしろ、きちんと回ろうとすることが振り遅れやスピンアウトにつながってしまうのです。
肝心なのは、切り返しから積極的に腕を振ることで、これは“手打ち”とはまったく別モノ。その腕の振りによって重心はターゲット方向に移り、左足を踏み込める。この左足の踏み込み、そして「左足1本で立った」フィニッシュをとることが理想形となるのですが、腕を振ると左足の踏み込みは連動するもの。「左に踏み込む」はレッスンでよくいわれますが、上手にできないのは腕の振りが足りないからといっても過言ではありません。
「腕を振って、左足を踏み込む」これこそが振り遅れ防止と目指すべきフィニッシュの形を作る2大ポイントになります。
「手打ち」と「同調」の認識の違いにも注意!
手だけで振ることを“手打ち”というが、本当に手や腕しか動かさないで振る人はいない。「振り遅れを解消しようとしてインパクト前から急激に手や腕を使うのが真のダメ手打ち。咄嗟に手を使うとフェースが開き、開いたままか、開いているのを嫌がって閉じるとミスショットが出ます」と兼濱。
また、手打ちにならないようにクラブと腕と体の動きをそろえる“同調”も、クラブは先端が1番重いので、切り返し以降はヘッドを先行させる意識がないと遅れてしまい同調しない。このふたつの認識をあらためよう。
「ヘッドを走らせ先行でさせる」で結果、同調する。(○)
ヘッドを先行させないとクラブが追いつきません!
ダウンスイングの加速時は「すべて一緒に動かす」ではヘッドが遅れてしまう。(×)
ココまでのおさらい
振り遅れを直す→腕を積極的に振る→左足を踏み込む→左足1本で立つ
腕を振るドリル
「足踏み連続素振り」でタイミングを
「逆さ片手素振り」で加速を体感
積極的に腕を振るのはタイミングが大事。「切り返しから」といわれてもそのタイミングがつかめない人が多いので、左右にステップ(足踏み)しながらの連続素振りで腕を振るタイミングのとり方を体感しましょう。踏み込みも同時に体感できるので、片足を浮かすくらいでOKです。
クラブのなかでもっとも軽く、速く振れるドライバーをさらに逆さに持って片手でスイング。ポイントは腕とクラブを速く振ることですが、体を回転させると腕の振りが強調されないので、クラブを持った側の肩を支点にして腕を速く振ってください。
タイミングの取り方と腕を速く振る感覚をつかんだら、クラブを両手で持って振る。実践に近づけるが、より加速感が味わえるクラブを逆さに持っての素振りがオススメです。
左足を踏み込むドリル
「階段上り」で“踏み込む・回る”が一石二鳥
腕を振ることで左足の踏み込みも容易になりますが、踏み込み自体を強化するドリルを紹介。階段を使って左足を上の段に置いて上がろうとすると、左足が踏み込まれ重心はそれに合わせて自然に左に移動する。左足1本で立った状態も作れます。
注意!
段差をまたぐスタンス幅は広すぎはNG。右足を蹴って上がろうとしてしまうが、右足の蹴りは回りすぎや体が左足より目標方向に突っ込んでしまう。本懐である「左足の踏み込み」を身につけるには“肩幅くらいまで”が適度になる
左ヒザと上体の角度をアドレスと同じにし、左足で踏み込んで上がる。すると、左ヒザが伸びるのに合わせて体が回転する。つまり、左に踏み込んで左足1本で立てば、体は自然と左へ回転するものだと理解できます。
階段上りに、腕を振る動きを加えてください。体を意図的に回そうとしなくても十分に大きく回転しますし、重心もしっかりと左側に乗ります。家の中でもできる簡単ドリルなので、繰り返し行ない、左への踏み込みをマスターしましょう。
いかがでしたか? このレッスンを参考に、綺麗なフィニッシュを目指しましょう!
レッスン=兼濱開人
●かねはま・かいと/1990年生まれ、沖縄県出身。学芸大ゴルフスタジオのヘッドコーチ。ドライバーからパターまで「クラブが主役」を合言葉に、シンプルなスイング作りからスコアアップさせる指導法が上級からビギナーにも人気。
写真=相田克己
協力=日神グループ平川CC
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