「戦いの舞台へ戻りたい」有村智恵が25年シーズンツアー復帰へ!
有村智恵プロの連載第十弾。24年シーズンはツアー生活を休み、4月に双子の男の子を出産、そして育児に専念しながらも、自身が発起人でもあるLADY GO CUP運営など精力的に活動を続けていた有村プロ。ツアー復活はあるのか?25年シーズンへの抱負を語っていただきました。
新しい”プロゴルファー有村智恵”をつくる
こんにちは、プロゴルファーの有村智恵です。
2024年は産休をとらせていただいたので、試合には出場していませんでしたが、YouTube配信へのコメントやイベントで、ファンの方々から変わらない応援をたくさんもらって本当に感謝しています。おかげさまで楽しく育児ライフを過ごさせてもらっていますが、やはりプレーで恩返ししたい気持ちが日に日に強くなってきています。出産直後は、しばらくゆっくりしていたのですが、今年はLADY GO CUPも4試合できましたし、ツアー転戦中にはできないお仕事を、たくさんこなせた1年になりました。
思えば、2~3年前にスポンサーさんとお会いしたとき、「これから先、結婚、出産、育児を経験することになったら、選手としてのレベルを維持できても、1年をとおして全国各地を移動しなければならないツアー転戦は難しいかもしれない」と心配を口にしたことがきっかけで動き出したプロジェクトが、”LADY GO CUP”でした。もちろん、結婚して出産して、家族や友人たち、何より子供と、楽しい時間をすごしていきたいと思っていますが、私たちツアープレーヤーは、子供のころからたくさんの時間を練習に費やして、やっとの思いで自分の夢を叶え、トーナメントの舞台に立っています。ですから、たとえ出場できる試合数が減ったとしても、ゴルフを通じて自分を表現できる場所がほしいですし、お世話になった人への恩返しは、やっぱりプレーでお返ししたいと思っています。そして今は、選手として頑張っている自分を子供に見てもらえるまで頑張りたいなとも思うようになりました。そんな選手たちの思いに応えるためにも、単発で出場できるLADY GO CUPのような試合が増えていくことは必要だと考えています。おかげさまで今年は4試合の開催ができました。来年以降も少しずつ増やしていき、最終的には年間10試合くらい開催できればと思っています。来年は、私も選手として出場しますよ!
でも、まだまだ産後のブランクは感じています。少しづつ球を打つ時間を増やしていますが、出産前に出来ていたことが本当にできなくなりました。体格はもともと小さいですが、体幹の強さには自信がありましたので、そこを生かしてフェードボールを中心にプレーを組み立てていました。でも、特にドライバーショットのような長いクラブを振るとき、前よりも意識的にヘッドを走らせないと振り遅れてしまうようになったので、クラブを短くして、リストを使ってドローボールを打つように調整しています。私の生命線ともいえるアイアンショットを軸にスイングやクラブのセットを決めていく点は変わっていませんが、前とくらべてヘッドが走りやすいセッティングへチェンジしました。春先には所属先の主催トーナメントがありますので、そこを目標に練習を積んでいます。正直、今は目標を言えるほどの自信がありません。まずは、4日間歩きながら戦える体に戻して、開幕前には自信をもって、目標を口にできる状態まで上げたいと思います!
いかがでしたか? 有望な若手プレーヤーが多い女子ツアーですが、有村智恵プロが復帰すれば、さらに盛り上がること間違いないですね!
有村智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。
構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=スターツ笠間ゴルフ倶楽部、エースゴルフ赤坂、LADY GO CUP