3パットは問題ない?断然ラクにスコアアップする考え方をプロが解説!

あのバーディパットが入っていれば優勝できた。

ツアーではそんなシーンがよく見られるので、結局パットがスコアの決め手にように感じるが、マスター今野は「それはツアープロレベルでの話。多くのアマチュアはショットのほうが断然大事です」という。その理由とは?

ショットとパットはどっちが大事?
スコア80切りまでプライオリティは断然ショット!

「パットさえ入れば」はトップ選手にかぎった話?

ユウ 今年のパリ五輪のゴルフ競技、先日のZOZOチャンピオンシップを観て思うことがあるんだけど。

今野(マスター) どちらの試合も今季のベストバウトに上がる名勝負でしたね。

ユウ やっぱり勝負を決めるのはパットだね、パットが入るか、入らないかで明暗が分かれる。これからはパターの練習に精を出すよ!

今野 う〜ん。たしかに試合だと「あのパットが入っていれば」というのが印象的に残りますけど……。

ユウ なんか合点がいかない感じだね。「パット・イズ・マネー」という言葉もあるし、試合中に優勝争いしているプロのインタビューでも「明日はパットが決まってくれたら」ってよくいうじゃない。

今野 たしかにパットも大事ですが、優勝争いをしているプロってグリーンに上がるまでのプロセスに順位が表れていると思います。

ユウ グリーンに上がるまでってことはショット?

今野 この話、アベレージゴルファーに置き換えてみましょう。まず、アマチュアは賞金がかかっていないから「パット・イズ・マネー」の「マネー」ではない。

ユウ そうだけど、「パット・イズ・スコア」なんじゃない?

今野 「スコア」でもないんですよ。仮にスコアを平均90としてショットとパットに分けてみましょう。1パットも3パットもあったとして、1ラウンドを平均2パットの36とするとショットは54打ですよね。スコア80にしても44打と36パット。

ユウ ショットの数のほうが多いね。

今野 この大きい数字のほう、ショットの数を減らすほうが断然ラクですよ。

ユウ 3パットをなくして、1パットを増やすよりも?

今野 平均90のゴルファーは、90よりもいいスコアが出たときのデータを見ると、だいたいはショット数が普段よりも減っているはずです。極端な話だと、トーナメントではOB打ったら優勝争いできません。

ユウ ツアープロだからOBを打つことはほぼないだろうけど、それでもショットが大事?

今野 グリーン上はどんな状況でも対処法がありますが、グリーンに乗るまでのトラブルやペナルティは対処しきれないことが多い。つまり、スコアメイクはグリーンに上がってからでは遅いんです。

ユウ この話の結論は、ショットの練習に重きを置けってことかな?

今野 パットはロースコアになるほど、その奥深さや重要性を感じますが、スコア80前後まででしたらプライオリティ(優先順位)はショットのレベルアップです。

ユウ そのショットのレベルアップが簡単じゃないのよ。

今野 ツアープロは良くも悪くも「パットが入らなきゃいけない状況」を作り出していて、それが目立つんですよね。

ユウ 入れないとスコアか伸ばせない、落としてしまうってことか。

今野 アマチュアもそうですが、そこまでのプロセスのほうがよほど大事ですし、じつはショットはパットほどの精度が必要ではない。グリーンの幅内に打てたらOKなんですから。

ユウ そのグリーンに乗る確率を上げるのも難しいんだよ。

今野 では、パーオン率を上げるお話を……

ユウ それはまた今度にしよう!次回にしたらとりあえず来月もマスターの仕事、なくならないでしょ。

今野 お気遣い、ありがとうございます(笑)

3パットは軽罪
未然に防ぐこともイージー

プレー中に起こるミスや罰の代表的なものは上記のとおり。「それぞれスコアへの影響度が異なりますが、ショット系のほうが重い罰を受けることが多い!3パットは罰がつくものではありませんし、未然に防ぎやすいミスでもあります。これを理解して、絶対避けたいミスを出さないプレーを心がけるとスコアアップできますよ」(今野)

いかがでしたか? スコアアップを目指すなら、まずはショットの精度向上に取り組みましょう。

マスター今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ・RainbowFM(88.5MHz)の「サタマ二♪」(第2土曜15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。

写真=鹿野貴司
イラスト=野村タケオ
協力=LaFace

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