どこを意識するとパワーが溜まる?飛距離アップのコツを宮本勝昌プロが解説

あなたは右ヒザ派?右足付け根派?

バックスイングのタイプに合わせた飛ばせるスイングの作り方を、ツアー12勝の飛ばし屋 宮本勝昌が伝授します!

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どこを意識するとバックスイングでパワーが溜まるのか

自分の体に合うバックスイングとダウンスイングの組み合わせで
今すぐもっと飛ぶ!

ゴルフには数多くの理論があるので、つい「いいとこ取り」をしてしまいますよね。しかし、いくら美味しいものでも食べ合わせが悪いとお腹が痛くなるように、バックスイングとダウンスイングの組み合わせが悪いと、飛距離アップどころか、飛ばずに曲がってしまいます。

大事なのは、自分のバックスイングがどのタイプかを理解し、それに合ったダウンスイングを組み合わせること。右ヒザを止めたほうが捻転しやすく、パワーが溜まるのか。それとも、右足付け根を回したほうが体の回転がスムーズになり、パワーが溜まるのか。自分のタイプがわからないという人は、体を動かしやすく、力が入りやすいほうを選んでください。

【TYPE1】バックスイングで右ヒザを止める

腰を回すより右ヒザを止めたほうが体重が右に乗り、深い捻転によってパワーが溜まる

右ヒザの角度を保つ、右足内側で体重を受け止める、といった意識でバックスイングを行う人もこちらのタイプ

【TYPE2】バックスイングで右足付け根を回す

右ヒザを止めるより右足付け根を回したほうが体がスムーズに回転しパワーが溜まる。宮本勝昌はこちらのタイプ

右腰や右股関節、右のお尻といった部位を意識している人もこちらのタイプ

体の回転力が増しヘッドスピードがアップする

バックスイングは肩と腕の三角形をキープ
アドレスでの肩と腕の三角形をキープしたままクラブを上げるときれいなバックスイングになる

右ヒザを止めるタイプの人は、きれいなバックスイングを作りやすいので、右ヒジを体につけたまま、肩と腕の三角形をキープすることが大切。こうすると右ヒジが自然にたたまれて、クラブがスイングプレーン上を正確に上がっていきます。

右ヒジを体につけてたたむ

ダウンスイングは「左股関節を切り上げる」という動きと組み合わせましょう。切り上げるとは、左足の付け根に左手を置き、その手を挟むように腰を回す動きです。左股関節を締めるといったイメージでもかまいません。

左足付け根に置いた左手を挟むように腰を回す。
最初はボールを打たずにこのシャドースイングで切り上げる動きを覚えよう。

左腰が目標方向に流れないように、左ヒザを伸ばしながら左股関節を切り上げるのがコツ。腰の左右をその場で素早く入れ替えることにより、体の回転力が増し、ヘッドスピードがアップします。

スクエアフェースで真っすぐ上げる

オンプレーンになる

手先を使わず、体の回転で真っすぐ上げる。右腰の高さでフェースは前傾軸とほぼ平行になる。

腰の左右を素早く入れ替える

その場で回転!

腰の回転を重視し、その場で腰を素早く入れ替えると、ボールを正確に、強くヒットできる。

レベルターンのスイングで飛ばす

左股関節を切り上げることで、右肩や右腰といった体の右サイドが平行に回転し、レベルターンのスイングになる。

右サイドが前に出て溜めたパワーがボールに伝わる

ダウンスイングは左足内側で体重を受け止めつつ、
左のお尻を後ろに引くと下半身を使って飛ばせる

まずバックスイングは、右ヒジを体から離したほうがパワーが溜まります。僕は、肩右サイドが前に出て溜めたパワーがボールに伝わると腕の三角形をキープすると力がまったく入らないので、シャットフェースでやや外に上げます。

ダウンスイングは「左のお尻を後ろに引く」という動きと組み合わせましょう。左のお尻を背中側に引いてその場からどかすと、体の右サイドが前に出て、溜めたパワーがボールに伝わります。そして、インパクトが詰まらず振り抜きがよくなるぶん、飛距離アップにつながるわけです。

バックスイングはシャットフェースでやや外に上げる

クラブの上げ方が変わります

スクエアフェースで真っすぐ上げてもいいが、それにこだわらないほうがパワーが溜まる

空手の正拳突きのように右サイドを引いて準備

右足付け根を回しながら、右ヒジとともに体の右サイドを引く。こうしてボールを叩く準備を整える。

右ヒジは体から離してもOK

肩と腕の三角形は意識せずに、シャットフェースでやや外に上げたほうが力が入る。

左のポケットを引っぱってもらう

左尻をどかすと振り切れる

左のお尻を後ろに引く動きは、左のポケットを真後ろに引っぱってもらうとわかりやすい。手とクラブの通り道が生まれて、振り抜きがよくなる。

【右ヒザ派】ダウンスイングは右ヒザを前でなく左に寄せる

右ヒザと左股関節を連動させる
右ヒザを左に寄せると左股関節を切り上げる動きが容易になり左への体重移動も正しくできる

ダウンスイングとの組み合わせを成功させるには、もうひとつ重要なポイントがあります。それは「ヒザの使い方」です。

右ヒザを止めるタイプの人は、バックスイングで左ヒザを右に、ダウンスイング以降は右ヒザを左に寄せると、体の回転がスムーズになり、効率よく飛ばせます。とくにダウンスイングは、右ヒザと左股関節を連動させ、左股関節を切り上げながら右ヒザを左に寄せることが大切です。

バックスイングは左ヒザを右に寄せる

極端にやる必要はないが、左ヒザを右に寄せたほうが体を回しやすく、パワーが溜まる。

【右足付け根派】バックスイングは左ヒザ、ダウンスイングは右ヒザを前に出す

寄せずに前に出す
ヒザの前後動を使えばお尻を引きやすくなる。
溜めたパワーをボールに向けて一気に放出しながら飛ばせる。

右足付け根を回すタイプの人は、ヒザを「寄せる」のではなく、「前に出す」のがポイントです。バックスイングは左ヒザを前に、ダウンスイング以降は右ヒザを前に出すことで、パワーが上がり、ボールをより強くヒットできます。

体が突っ込んでしまうほどヒザを出すのはもちろんNGですが、ヒザの前後動を含めたフットワークを使えば、現状の体力でも飛距離アップが実現します。

宮本はヒザの前後動で飛ばしている

「ヒザを寄せると力が抜けてしまい、飛ばない」という宮本。自分に合った組み合わせを見つけることがなによりも重要だ。

いかがでしたか? 宮本プロのレッスンを参考に、自分に合ったスイングを見つけましょう。

レッスン=宮本勝昌
●みやもと・かつまさ/1972年生まれ、静岡県出身。174㎝、76㎏。12勝のうち5つが「日本タイトル」で大舞台に強い。得意クラブはドライバー。ハートンホテル所属。

構成=小山俊正
写真=中野義昌
協力=太平洋クラブ御殿場コース、チームセリザワゴルフアカデミー

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