女子・男子プロ10人のスイングを徹底解説!正しい形はどう作る?
スイングはポジションごとに最適な形があり、その形をつなげていくことが美しいスイングをマスターする近道だ。
この指導法で、多くのアマチュアのスイングを直し、美しくしてきた山形陵馬コーチがツアープロの連続写真を例に徹底レッスン!
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【P1 アドレス】
「きれいなアドレスを再現」がグッドスイングの基本!
つねに正しいP1を作るため、アドレスをとるときはまず「ボールを左足から靴1足ぶん右に置く」ところからスタートしましょう。そこからショートアイアン、ミドルアイアン、UT・FW、ドライバーの順に”右足”を広げていくことで適切なスタンス幅を作り出すことができます。
スタンス幅に対し、重心はどの番手でも左右5:5のバランスが基本。拇指球、ヒザ頭、ワキの付け根が一直線上にくるようにするのが正解です。
連続写真の岩田プロのアドレスは、この基本が忠実に守られているうえ、どこにもリキみがない。とてもニュートラルな理想のアドレスです。
反り腰になると骨盤がロックされ、スムーズな自転がしづらくなる。スエーやリバースピボットにつながり、ミスを誘発しやすい
【P2 バックスイングでシャフトが地面と平行】
腕のローテーションは不要!胸の回転で始動する
P2のポジションでは「手元よりもヘッドが外側にある」という状態を守ってほしいです。この状態を作るためには、P1からP2にかけて手でクラブを操作せず、胸、肩を回す必要があります。阿部プロも始動からしっかりと上体を右に向けてバックスイングをしていますね。
手先、とくに手首を使って始動させると、ヘッドが手元よりもインサイドに入りがち。バックスイングの段階でクラブヘッドがインサイドに入ると、ダウンスイングで逆ループしてカット軌道になりやすいので、要注意です。
クラブを立ててバックスイングすることで切り返しでヘッドがループ、インサイドアタックが作りやすくする
【P3 バックスイングで左腕が地面と平行】
クラブは「立てて」上げるのがパワフルインパクトへの序章
P2からP3にかけて、左肩が体の中心まできているのが、十分な回転をしている目安。手先や腕のローテーションはなく、胸・肩の回転でポジションを移動させます。そのため、P3にきた段階で右腕は左腕よりも高い状態をキープし、グリップエンドはボールよりも手前を指しているのが正しい状態です。
「アップライトに上げすぎなのでは?」という声が聞こえてきそうですが、菅沼プロもここからヘッドをループさせてインサイドからボールをヒットしています。クラブを”立てて”上げることがインサイドから下ろす準備となっているのです。
グリップエンドはボールよりも手前側を指す
グリップエンドがボールよりも奥側を指すのは、手先でクラブを操作し、腕のローテーションが起こっている証拠
【P4 トップ】
右サイドを積極的に動かして深いトップを作る
P4では、胸が完全に飛球線後方に向いているのが理想。P3からさらに上体を深く回していきましょう。バックスイングで右ヒザのポジションをキープしようとする人がいますが、その必要はありません。むしろ、右ヒザを伸ばしていくことで深い捻転が得られます。永井プロのように左肩を右モモの内側ぐらいまでもってこられると最高ですね。
また、この段階ではじめて右腕が外旋し、シャフトポジションがP1のシャフトプレーンと平行になる。ヘッドの位置はいわゆる「レイドオフ」のポジションにあったほうが、P5以降にクラブを引っ張りながら加速させやすくなります。
【P5 ダウンスイングで左腕が地面と平行】
「グリップエンドを遠ざける」が切り返しのキーポイント
ダウンスイング序盤、P5ではシャフトの向いている角度がそのポジションの良し悪しを判断する材料です。いわゆる「首切りスイング」にならないよう、シャフトの角度はP1のシャフトプレーンと平行になっていると◎。これ以降、ボールを”叩く”準備ができていることになる。
P4からP5にかけ、右ヒジを伸ばしながらグリップエンドを遠ざける意識をもつと、この形にもってきやすくなります。
木戸プロは身長が高く、クラブがアップライトに動きやすいはずですが、切り返しから手を遠くにキープすることで、シャフトが肩の下を通っています。理想的なP5ができていない場合、P4からのつながりが悪いことが多いので、P4に戻って形を確認してください。
【P6 バックスイングでシャフトが地面と平行】
スクエアフェースは「右手の平を下に」の意識で作る
正しいP5の位置から体の回転でダウンスイングをしていくと、後方から見たときにP6でクラブヘッドと手元が重なって見えます。フェースの向きは背骨と平行になっていれば、スクエアになっている証。意識的には、右手の平を少し下に向けるイメージでよいでしょう。
フェースが背骨と平行よりも下を向いているとクローズでフックのミス、上を向いていればオープンの向きなのでスライスのミスが出やすくなります。山路プロはP5からP6にかけて「どスクエア」をキープしており、方向性の高いスイングだといえます。
フェースの向きは背骨と平行でスクエア
【P7 インパクト】
「アドレスの再現」ではない!“腰も胸も開く”がインパクトの正解
P7のポイントは、腰と胸がP1のときより開いていることです。「インパクトはアドレスの再現」という人がいますが、これでは強いインパクトができません。下半身、上半身の順番で体の動きがクラブよりも先行し、つねにクラブを引っ張ることが重要です。
背骨を軸に回転するので、P7で右肩の位置は少し下がっているのが正しい状態となります。この状態でP7を迎えると、イ・ミニョンプロのように体が開ききったうえで左腕とシャフトが完全な一直線になります。
【P8 フォローでシャフトが地面と平行】
ヒンジ方向に積極的にリリースして方向性アップ
P8では、幡地プロのように遠心力で両腕がしっかりと伸びきっている状態を作っていきたい。そのためにもクラブをフォローに向かって、しっかりとリリースしていく意識が必要となる。右腕が左腕を追い越していくイメージですね。
このときの注意点は、リリースの方向がヒンジ(左手を甲側へ折る)方向であること。手首を回してこねてしまうと、急激なフェースローテーションを起こすのでNGです。
右手1本素振りドリル
手首を固めずに右手1本で連続素振りをすると、リリースのタイミングや感覚を自然につかめる
【P9 フォローで右腕が地面と平行】
右肩を左カカトまで回していけば体重移動がスムーズに行なえる
後方から見たときに、クラブが左肩の下から抜けていくのがP9の正しい形。大里プロはP6以降の動きがとてもスムーズで、その結果として理想的なP9の形を作り出せています。
体重については、P9で7割ほど左足に移動しているため、右足が左足方向へ寄っていく。そして、右肩の位置は左カカトの上まで移動します。P7でボールに圧を掛け切れていないとP9で右足に体重が残りすぎてしまうので、正しいP9になっていない場合はP7の形や動きから見直しましょう。
【P10 フィニッシュ】
美しき“Iの字”フィニッシュがスイングの合格証明
体全体のシルエットがアルファベットの「Iの字」になっていれば、体に負担のない自然なフィニッシュが作れています。体重はこの時点で9割ほど左足に乗っており、右足はほぼそえているだけになります。
クラブが今より重く、ボールを上げづらかった時代は「逆Cの字」のフィニッシュがいいといわれていましたが、現代のクラブとはマッチしません。クラブとシャフトが自然とボールを上げてくれるので、体は余計なことをせずに自然にフィニッシュへ向かっていってほしいです。
浅地プロはスイング全体をとおして軸が傾く動きが少なく、最終的にきれいなIの字フィニッシュに収まっています。
「逆Cの字」や突っ込んだ「くの字」のフィニッシュになると、P7で”無理やり”何かを調整した可能性が高い。
たとえポールが真っすぐ飛んでいたとしても、再現性が高くないスイングになるので注意しよう
いかがでしたか? P1からP10のポジションをマスターしましょう。
レッスン=山形陵馬
●やまがた・りょうま/ジュニア時代から活躍し、2010年にプロ入り。ミニツアー優勝などの実績を重ね、現在は東京・麻布の「FIVE ELEMENTS」でレッスンを行なっている。
構成=石川大祐
写真=小林司、ゲーリー小林
協力=FIVE ELEMENTS
撮影トーナメント=BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ、ニチレイレディス、パナソニックレディース、ワールドレディスサロンパスカップ、アースモンダミンカップ
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