443ヤード飛ばすプロが“飛距離を伸ばすコツ”を解説!

各ツアーでトップレベルの飛距離を放つ飛ばし屋3選手と自らのスイングを、ドラコンプロである小井土峡太が解説します。

飛ばしのポイントを分析するとともに、アマチュアが参考にできるポイントレッスンつきなので読むだけで飛距離が伸びこと間違いなしです!

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飛ばし屋3選手と小井土プロのスイングを解説!

(左から)竹田麗央、ネリー・コルダ、ジョン・ラーム、小井土峡太

【竹田麗央】大きなスイングアークと強いタメが飛ばしの原動力!

竹田麗央選手は体格を生かした大きなスイングアークと、ダウンスイングの強いタメが魅力。

手首をタテ方向のコック主体でやわらかく使い、ややアップライトに上げてから切り返しで「右回り」のループを描きつつ、作ったタメをフォローで一気に開放します。

フォローで体とクラブがダイナミックに引っぱり合い大きなアークを作っているので、遠心力を最大限に生かせています。写真の⑧の、頭が沈み込むように上体が大きく傾いている形が象徴的です。インパクトの手元の位置が低いのも、ショットメーカーらしいですね。

ノーコック気味に上げて手首をやわらかく使ってタメる

腕が地面と水平になった段階でクラブとの角度が90度以下とタメが強い

バックスイング初期はノーコック気味で、遅めにタテコックを入れていく。そこから手首をやわらかく使い、切り返しで深いタメを作りパワーを溜めている。

切り返しではクラブを「右回り」でループさせる

タテコックを使ったアップライトなトップから、クラブを「右回り」でループさせてインサイドからダウンスイングするのも、強いタメを作れる要因。

体とクラブが引っぱり合う大きなフォロースルー

インパクトでアドレス時よりも頭の位置が下がるほど沈み込み、クラブと体が引っぱり合うことで大きなアークを作り、強い遠心力を生んでいる。

軸がブレると体とクラブの引っぱり合いが成立しない

竹田麗央
●たけだ・りお/2003年生まれ、熊本県出身。166㎝。プロ3年目の今年、初優勝から破竹の7勝をあげ、ドライビングディスタンスも260ヤードを超えて3位(10月12日現在)。ヤマエグループHD所属。

【ネリー・コルダ】抜群の安定感のカギは長さが変わらない腕!

ネリー・コルダ選手は腕が体の正面からまったく外れず、腕の長さが一定のままスイングしているのが特徴です。

写真の③のバックスイングで右ヒジが、フォロー(⑧)で左ヒジが正面からほとんど見えないのがその証拠。インパクトでも右ヒジは伸ばし気味(⑦)。まるで腕を伸ばしたままスイングしているようで、抜群の安定感を誇るのも納得です。

一方でフットワークはダイナミック。切り返しで左足を強く踏み込んだところからインパクト前後でジャンプするようにヒザを伸ばし、一気に体を回転させています。

ヒジを伸ばしたまま体の回転でスイングしている

両ヒジをほとんど曲げずに、手元を体の正面の体から遠い位置にキープしたまま体の回転でスイングしているので、安定性が抜群に高い。

左足をしっかり踏んで一気に伸ばすフットワーク

切り返しで左足を踏み込んでから蹴ってパワーを生んでいるが、能動的に「踏む」というよりも自重をうまく使って体重を乗せているのでムダなリキみがない。

腕を外側に押すようなテンションをキープ

ヒジを曲げずにスイングするには、腕を外側に押すようなテンションをキープするのがポイント。インパクトで右腕が伸びるのは、グリップを強く握っていないから。

ネリー・コルダ
●ネリー・コルダ/1998年生まれ、アメリカ出身。178㎝。東京五輪の金メダリストで、メジャー2勝を含む通算14勝。今年は出場5試合連続優勝を成し遂げ、世界ランキング1位を突っ走る。

【ジョン・ラーム】コンパクトトップからシャフトに負荷をかけて飛ばす!

ジョン・ラーム選手はコンパクトでフラットなトップが印象的ですが、シャフトに強い負荷をかけてしならせ、そのエネルギーを利用しています。写真⑤のしなりはすごいですね。

トップがコンパクトですし、体の動きも静かで、スイング自体は飛ばすというよりも方向性重視に見えます。しかし、重厚な体格から生まれるパワーとこのシャフトの使い方のうまさで、300ヤードを超える飛距離を出しつつ、方向性を両立させているのだと思います。

ウィークグリップから左手首を掌屈させ、フェースターンを抑えているのも特徴的です。

タテのコックはほとんど使わずヒンジングのみ

左手をウィークグリップで握り、タテのコックをほとんど使わず手首はヒンジングの動きのみ。フェースのローテーションを抑えた「左に行かない」動き。

手首の動きはほぼ手のひら・甲方向に折るヒンジングのみなのが特徴

始動直後からダウンスイングの準備を開始

バックスイングがはじまった直後には、体はもうダウンスイングの準備を開始しており、このテンポの速さがコンパクトトップとタメの強さの一因になっている。

釣り竿みたいにシャフトをしならせる

体幹がゆるんで体が右に傾くと、シャフトに負荷がかからない(×)

体は締めたまま腕や手首をしなやかに使って、釣竿を振るようにシャフトをしならせているので、コンパクトトップでも大きなエネルギーを生むことができる。

ジョン・ラーム
●ジョン・ラーム/1994年生まれ、スペイン出身。188㎝、100㎏。米国11勝、欧州10勝をあげ、21年には全米オープン、23年にはマスターズも制する。今年はLIVゴルフに転向し、年間王者に輝いた。

【小井土峡太】ダイナミックロフトの維持が安定性を生み出す

クラブのエネルギーを最大に生かす!

僕自身は、飛ばすためには、いかにクラブを効率よく働かせてエネルギーを生むかということを最重視しています。

その点ではジョン・ラーム選手のように切り返しでシャフトを強くしならせるのが理想です。僕はドラコン選手ですので、彼のようなコンパクトトップではありませんが、彼同様クラブを釣竿のように振りたいと思っているので、手首をやわらかく使って、いかにヘッドを遅らせられるかがカギになります。

一方で腕を体の正面にキープするという点や、強く踏み込んでからジャンプするようなフットワークは、ネリー・コルダ選手も参考になります。あれならどんなに振っても、曲がらず弾道が安定するはずです。

シャフトを上手に使うためには、切り返しの瞬間にシャフトに大きな負荷をかけ、その先はそこで生まれたエネルギーを邪魔せずに開放することが大事。この負荷は一瞬の勝負で、かけ続けてはいけないんです。ここでは竹田麗央選手のような大きなスイングアークやフォローでの体とクラブの引っぱり合いも重要視しています。

個人的な飛ばしのポイントとしては、インパクトでボールのどこを叩くかを意識すること。赤道よりやや下、少しインサイド方向の真ヨコからフェースをぶつけるイメージがあると、結果的にクラブがいい動きをしてくれると考えています。

いかがでしたか? 小井土プロの解説をぜひ参考にして、練習をしてみてください。

解説・レッスン=小井土峡太
●こいど・きょうた/1997年生まれ、長野県出身。180㎝、92㎏。東北福祉大を卒業後、ドラコンの道に入り活躍。2020年PLDA世界大会で421ヤード飛ばし4位に入賞。自己ベストは443ヤード。

構成=鈴木康介
写真=相田克己、田辺安啓、ゲーリー小林
協力=南茂原カントリークラブ
撮影トーナメント=ニチレイレディス、ワールドレディスサロンパスカップ

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