プロや上級者が“ハイロフトUT”を使いはじめたワケとは?そのメリットを解説!
もともとロングアイアンのお助けクラブとして注目されたユーティリティ。
しかし、今はミドルアイアンの代わりに「ハイロフトUT」が必要だと鹿又は語る。その利点とは?
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長さとソール幅の広さもUTのメリット
ロフトがほぼ同じなのに、なぜUTは球の高さと落下角度が大きくなるのか?そのワケは重心の深さと長さにあります。ウッド型のUTはアイアンよりも重心深度が深くて低い。だから打球が上がりやすい。ちなみにショートウッドになるとさらに重心が深くて低い。もしUTでも打球の高さが足りないなら、ショートウッドを使うのもアリです。
そして、意外と影響するのが長さ。同じロフト帯の6UTと7番アイアンを比較すると、6UTのほうが約1・5インチ(約4センチ)長い。長さがあることでヘッドスピードが上がることも高さ・落下角度が大きくなる要因です。
もうひとつ、UTとアイアンを比較したときに実戦で影響するのがソール幅。UTのソール幅はアイアンの3倍くらい。アイアンでダフったらアウトなときも、UTならソールが滑ってくれてグリーンオンすることがあります。
ピン G430 7I
ロフト角29度
「G430 アイアン」は最近のアイアンのなかではかなり重心が深い部類に入るが、UT ほどの深さではない
ピン G430 6UT
ロフト角30度
クラウン部分に「カーボンラップテクノロジー」を採用した「G430」のUT は低重心化設計でもある
同じくらいのロフト角のアイアンより約1.5インチ長い
同じロフトのアイアンとUTだと、UTのほうが1.25〜1.75インチ長いので、ヘッドスピードが自然に上がる
ソール幅が広いのでダフリなどのミスヒットにも強い
ソール幅の広さは重心の深さだけでなく、ダフりのミスを軽減するのでミスヒットの寛容性を高めてくれる
プロからの要望で「顔」が進化した
ハイロフトUTは、顔(形状)がよくなったこともオススメポイントです。ロフトが大きいウッドは、ゴルフクラブのなかで「いい顔」を作るのが難しいカテゴリーで、UTもそうでした。昔の6、7UTは、ロフトが真上を向いて見えたり、フックフェースのモデルが多かったりで、目標に対してスクエアに構えにくかった。それをメーカーは試行錯誤を繰り返し、プロからの要望も反映しながら、本当に構えやすいハイロフトUTを作り出しました。
これは、プロの使用者が増えたことが何よりもの証ですね。ハイロフトUTをセッティングに入れるプロが増え、ほとんどの女子プロは5UTを、6UTを入れる選手も増えました。女子プロのヘッドスピードだと、ロフト30度前後は、アイアンよりもUTのほうがパーオンする確率が高いと思います。
昔のUTはフェースが上を向きすぎたりフックフェースになっていました
「最近のUTはリーディングエッジとフェース面の角度に違和感がなくなったので構えやすくなりました」
6UTを使う女子プロも増加中!
大里桃子
今年の6月に3年振りに復活優勝した大里桃子もロフト30度の6UTを入れて、6番アイアンを抜いている
青木瀬令奈
青木は昨シーズンから、アイアンは8番からにして、ロフト30台を含む3本のUTを駆使して戦っている
いかがでしたか? ハイロフトUTをぜひ使ってみてくださいね。
試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール
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