“ハイロフトUT”は絶対入れるべき?鹿又芳典が理由を解説

もともとロングアイアンのお助けクラブとして注目されたユーティリティ。

しかし、今はミドルアイアンの代わりに「ハイロフトUT」が必要だと鹿又は語る。その利点とは?

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同じロフトのUTとアイアンの違いを弾道データで検証

トップトレーサーで弾道データを計測しながら、ほぼ同じロフトのUTとアイアンの違いを検証。

アベレージゴルファー向けモデルの7番アイアンの平均ロフトは「27.95度」!

2024年5月号の「アイアン一気試打」で掲載したアベレージゴルファー向けのアイアンをピックアップして、7番アイアンのロフトの平均値を出してみたら「27.95度」だった!

「6番UTのロフトは30度前後。アベレージ向けの7番アイアンよりロフトが寝ています」

ハイロフトUTが必要なワケはアイアンのストロングロフト化。それは飛び系アイアンだけの話ではない!

飛距離性能は伸びたが高さは△

最近の7番アイアンは6UTよりもロフトが立ったモデルが多いです

飛び系アイアンのロフトは、7番で26、27度くらい。そして、最近はアベレージモデルのアイアンのロフトも立ってきていて、本誌5月号の「アイアン一気試打」で紹介したアベレージ向けモデルの7番アイアンを調べると、ロフト角の平均は28度以下。かつてのアベレージ向けアイアンの7番のロフト角は30度以上がスタンダードだったので、2度以上立っていることになります。

7番アイアンは落下角度が足りないから止まりにくい!

もちろん、ロフト28度前後のアイアンも打ちやすくなっていて飛びます。練習場では問題なくいい球が打てるでしょう。でも、本番のコースでは、ナイスショットしたはずがグリーンに止まらないことが増えていませんか?

私はフィッティングをしていて、ドライバーでのヘッドスピード42m/秒以下のゴルファーがロフト28度のアイアンで確実に止まる球を打つのは難しい、と思っています。それはロフトが立ったことにより、高さと落下角度が不足気味になったことが原因のひとつなのです。

ロフト29度の7番アイアンでの計測値。
キャリーは160ヤードを超えたが、最高到達点18ヤード、落下角度37度と、グリーンに止めるには高さが不足気味

7番でロフト32度以上のやさしいアイアンは皆無

アベレージ向けアイアンの平均ロフトが28度以下なら「もっとロフトが寝ているアイアンを使えばいいのでは?」と思う人もいるでしょう。もちろん、7番アイアンでロフト32、33度のモデルもあります。しかし、そういうアイアンはマッスルバック系のツアーモデル。やさしいアイアンではありません。

今のアイアン市場で、7番アイアンのロフト32度以上のアベレージ向けモデルは皆無。だからこそ、ハイロフトのUTが必要なのです。

「ロフトが立ったアイアンが上がらないのは、技術の問題ではなくヘッドスピードの問題です」

私もドライバーのヘッドスピードは42m/秒前後です。以前はミドルアイアンだけチタンフェースのポケットキャビティでしたが、今は6番UTを使っています。6番UTだと、アイアンでは止まらなかった180ヤード前後の距離からグリーンに止まる確率が増えました。同じロフトでもUTでは止まるのに、アイアンでは止まらない。そのワケは次で解説します。

いかがでしたか? 弾道データをぜひ参考にしてみてくださいね。

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール

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