アイアンにヘッドカバーをつける深〜い理由とは?星野陸也プロに取材
現在、DPワールドツアーでポイントランキング上位の快進撃を続ける星野陸也。シーズン当初から上位フィニッシュを続け、今年2月の『カタールマスターズ』でついに初優勝。
シーズン終了時の上位10人には来季のPGAツアーのシード権が与えられるが、7月初旬の時点のランキングは3位(*マキロイなど既に米ツアーの出場権を持つ選手は除外)であるため、獲得の可能性は濃厚だ。
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星野のキャディーバッグを覗くと、プロには珍しく…
順調なシーズンを送っていたものの、4月には気胸を患い戦線離脱。手術も受けて病状は回復したが、2ヶ月の休養後に復帰戦として出場した全米オープンでは、「クラブの上げ方も、グリップの握り方もわからなくなっていた」と言うほどゴルフ感を失っていた。
それでも「ゴルフができることが楽しい」と言うほど体調の回復を自身が喜んでおり、その後は驚異的に調子を戻して、7月第1週のBMWインターナショナルオープンでは6位でフィニッシュ。本来好調だったゴルフ感を取り戻し、戦線復帰をアピールしてシーズン後半戦に向け一層ギアを上げていった。
そんな中で星野を取材したのは、7月の「ジェネシス・スコティッシュオープン」の会場だった。ふと星野のキャディーバッグを覗くと、プロには珍しくアイアンのヘッドカバーが取り付けられていた。
アイアンのヘッドカバーというと、過去に弊欄でも取り上げたアーロン・ライという選手が、アイアンのヘッドカバーをつけていたことを取材したことがある。ライ選手は、父親から「道具を大切にしなさい」と教えられてきたことから、アイアンのヘッドカバーをつけていたのだが、星野は?
「ライ選手がヘッドカバーをアイアンにしていることは知ってます!会場で会った時に『同じだね』なんて話したこともあります。僕の場合は、アイアンのバックフェースに鉛のテープを貼っているので、それが他のアイアンと当たって傷つかないようにと思って貼っているんです」
星野はクラブに関してかなり詳しく、気を使う選手であることは関係者の間では常識。海外ツアーではクラブの構造に無頓着(スペック=数字よりも、実際に打った打感=フィーリングを元に調整する選手が多い)ため、アイアンのヘッドカバーをする人は皆無と言って良い。そんな中で、アイアンにカバーをする星野とライはかなり特別な選手とも言える。
野球選手のイチローもバットを大切に扱ったと聞くように、クラブを大切にする星野やライがさらに活躍することを祈ってやまない。
フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
取材・写真=田辺安啓
TEXT & PHOTO Yasuhiro JJ TANABE
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