石井良介が“効率の良い練習法”を解説!まず最初にやるべきなのが…?
練習した成果と好スコアを出しにいくのは、コースでのラウンドですよね。ところが、テーマもそうですが「ラウンドをイメージした練習とは、何をすればよいのか?」と、僕の生徒さんにもよく聞かれます。
それを詳しく説明しますが、大事なのは想像力。誰もがどんな練習場でもできる“イメトレ”が、スコアアップに結びつく正しい練習をするための極意になるのです!
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少ない時間と球数で効率のよい練習をするコツとは?
練習場で練習している人たちを眺めると、「うまくなるための練習をしているな」と思う人が約5割。ほか5割は、練習メニューの大半がフルショットで、とくにドライバーを振り回している人が多いですね。後者は運動にはなっていますが、スコアアップにつながっているかといえば疑問符がつく。しかし、それはそれでアリだと思います。飛ぶのが楽しいレジャー志向のゴルファーもまた愛すべき存在ですから。
ただ、雑誌を購入し、この記事を読んでいる人は、練習を単なる運動にしたくない。打ったぶんだけうまくなりたい上達志向の強いゴルファーだと思います。そんな人たちには今まさに、僕が実践している練習法をオススメします。おかげさまで忙しくさせていただいて、練習時間を多くとることができません。それでも企業やレッスンのお客さんとのラウンドはありますが、下手なゴルフは見せられない。短時間の練習でもスコアを作れる状態に仕上げなくてはいけないのですが、そんなとき僕は、スイングや球筋のチェックよりも頭を使った“イメージトレーニング”を優先させます。
練習は課題をもって取り組むことが大事。そこでまずは、どんな練習をするか、今日の練習の“テーマ”を決めます。(※P18参照)そして、次に大切なのはラウンドを想定した練習です。
石井良介自身も実践!まずは〝本日の練習テーマ〟を決めよう!
予習 次に行くコースを仮想プレー
今度プレーするコースをイメージしての練習。フェアウェイやグリーンが狭い・広い、高低差があるなどコースの特徴に合わせ、たとえば、狭くてグリーンが小さいなら、ティーショットもセカンドショットも飛距離より方向性を上げる。グリーンを外したときのアプローチを想定した練習をする。はじめてのコースでも、ネットでホール図や距離をチェックして攻略法を予習しておこう。
復習 ミスした状況まで思い出す
前回のラウンドを反省する練習。ダフリや曲がりを抑えて真っすぐ飛ばす練習だけでなく「どんな状況でミスが起きたのか」を思い出してイメトレをしよう。前回ミスをしたときの、狙った距離や何番で打ったのか、景色やライ、ピン位置までイメージする。すると、自分がミスしやすいのはどんな状況なのか、ウィークポイントが見つかり、何を強化すればいいかも明確に見えてくる。
メンテナンス 基礎的な練習で調子を取り戻す
車は、しばらく乗っていない、長く乗り続けていたらメンテナンスが必要。ゴルフも同じで、久々の練習やラウンドが続いているときは、スイングをメンテナンスする練習が必要になる。とくにラウンドばかり続いている人は、ラウンド時の天候や状況によってアドレスやスイングに「無意識のズレ」が生じている場合が多い。向きの確認やハーフスイングなど基礎的な練習法で、ニュートラルな状態へ戻す「定期点検」を行なおう。
新技習得 うまくできなくてもムダにはならない
今まで打てなかった新しい技をマスターする練習。ポイントは「うまくできなくても諦めない、落ち込まない」だ。新しいことに挑戦しているのだから、すぐにうまくできないのは当たり前。たとえマスターできなくても、創意工夫から「新発見」や「新感覚」が得られるのが新技習得の利点。それよってプレースタイルやコース攻略の幅が広がるので、これもテーマにした回を設けたい。
「予習」と「復習」をテーマに練習をするゴルファーは多いが、「メンテナンス」や「新技習得」をテーマにする日を設けることで、ゴルフ全体に深みと広がりが出る
コースの景色をイメージしてターゲットを絞る
練習はコースでいいスコアを出すために行なうものですから、コースですること、必要なことを練習してください。
イメトレの仕方は、目標方向の景色やターゲットはホールをリアルにイメージする。その景色の真ん中に打つのもいいですが、最低でもホールを左右2分割し、どちらかのサイドを狙ってボールを落とす練習がオススメ。とくに、苦手なホールをイメージしてのイメトレは有効で、打ちたくないサイドやエリアに飛ばさない。その方法も単に逆サイド打つだけではなく、番手を替える、球筋を変えるなどさまざまな対処法を試してください。シミュレーションゴルフのつもりで打つと真剣みも増しますし、楽しく練習できますよ。
プラスマイナス5ヤードの打ち分けはマスト
コースで番手のフルショットの距離が残るときは何回ありますか?
ときには1度もなく、数ヤード短い、長い距離ばかりですよね。なのに、なぜぴったりの距離に固執した練習しかしないのでしょうか?最低でもプラスマイナス5ヤードくらいの「ちょっと飛ばす」と、反対に「ちょっと飛ばさない」練習はつねにしておきましょう。
この練習もイメトレで!ターゲットにする看板やグリーンのまわりにハザードなどをイメージし、そのハザードを避けつつ距離の打ち分けもするとより実践的。さまざまな攻略法や対応法が身につきます。
13本のクラブが3倍の39本になるドリル
距離の打ち分けに関しては、ドライバーからウエッジまでの13本をハーフ・スリークォーター・フルの3つの振り幅で打って飛距離を覚えておくと、39本のクラブをもっているのと同じ効果があります。さらに、グリップを持つ位置を変えると、100本以上のクラブをもっていることになります。
コースではフルショットの飛距離や高さ。もっといえばスピン量まで、フルショット時の弾道では対応できない状況があります。たとえばドライバーのハーフスイングで、低く打ち出し150ヤードを打つのが良策となるシーンがくる。練習では100通りのショットすべてがうまく打てなくてもいいですが、事前に練習をしておいて、そのなかで得意なアレンジショットはコースでも積極的に活用してください。
振り幅が変わってもスイングの力感は変えないのが、振り幅どおりの飛距離を出すコツ
高低、左右の得意・不得意チェック
真っすぐも打てないのだから、曲げて打つなんて二の次、という人がいますが、それでもラウンド中の窮地に立つと弾道を抑えたり、曲げて打とうとするのがゴルファーです(笑)。球筋をコントロールするシーンは必ず訪れるのですから、本番前の予行演習はしておくべきです。
各番手で、高い球・低い球、左右に曲げる球を打ってみましょう。すると、高く上げるのは得意、フックは苦手などが判明する。得意なアレンジショットは積極的に使い、苦手なショットは別の選択肢を選べばスコアメイクが上手にできます。
自分に合う構えがわかり「安定性」と「再現性」が高まる
その正しいアドレス作りにオススメなのが、名づけて「俺のスクエア」!これは僕の2024年のイチ推しレッスンで“自分にとってベストな構えを計ったように作る”ことができます。慣れないうちは少し時間がかかるかもしれません。しかし、雑にせず丁寧に構えを作ると、グリップの位置や形、クラブとの間合いなどのすべてが自然に正せるレッスンです。
これが自分の基準となり、アマチュアが大好きなワード「安定性」と「再現性」を飛躍的に高めることができるので、次の練習からぜひ実践してみてください。
構えた位置に戻ってくる!
「安定させたいなら、安定するものを活かしましょう、ということ。自分なりの骨格を活かして安定させるので、スイングが途中で乱れても戻ってきやすい」と石井。俺のスクエアでの構えとグリップで左手での片手打ちをすると、目をつぶっていてもボールが打てる!
レッスン=石井良介
●いしい・りょうすけ/1981年生まれ、神奈川県出身。PGAティーチングプロ資格をもつプロゴルファー。アマチュアのリアルなスイングや感情に訴えかけるアドバイスが多くのゴルファーを開眼させ、全国で行なうレッスン活動はつねに満員。レッスンの日程はインスタグラム(@ryosuke.ishii.214)などで開示中。
写真=田中宏幸
協力=ハンズゴルフクラブ
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