森田遥、“2度目の優勝”ができた秘訣は…?「姉妹でツアーを…」

ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくために様々なことを考え、走り続けている。どんなことを考え、どのようにゴルフに向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。

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得意なプレーはショートゲーム

なかなか2勝目があげられなかったが「できなくはない」と思っていた

―― 昨シーズンを振り返ってみていかがですか?

森田:前半はそんなに悪い感じではなかったんですが、6月ぐらいから体調を少し崩してしまい、体調が戻ったと思ったらコロナになって、コロナが治ったと思ったら次はRSウイルスにかかって、1カ月ぐらいブランクがありました。なので、開き直った感じで後半戦に挑めました。それが結果的によかったのか、優勝したし、いい感じでシーズンを終えることができました。

―― 災難が続きましたね。

森田:落ち込みました。シードも全然見えないときだったので。

―― どう気持ちを上げましたか?

森田:体が1番なので、よく食べて、よく寝て、練習してという感じで、特別なことはしていません。

―― その後、スタンレーレディスで優勝。勝てる兆しはありましたか?

森田:そういうのは全然ありませんでしたが、前週の日本女子オープンからよくなってきていました。パッティングのフィーリングがずっと合わなくて調子が悪かったんですけど、それがだんだんよくなりはじめて、スコアがまとまるように。とはいっても、優勝できるみたいな感覚はなかったんですが、落ち着いて冷静にプレーはできていたと思います。

―― 2017年ぶりの優勝はどうでしたか?

森田:今まで優勝争いは何度もしていたので雰囲気はわかっていましたが、本当に最後まで何があるかわからないので、最終日もとくに優勝は意識していなかったです。優勝が決まったあとは率直にうれしかったです。

―― 2勝目の壁という言葉がありますが、2勝目に対しての想いはありましたか?

森田:できるだけ早く2勝目をあげたいというのはあったんですが、やっぱりなかなかうまくいかず、時間が経っていったという感じ。でも、できなくはないと思っていました。

―― 得意なプレーは何ですか?

森田:しいていうなら、ショートゲーム。パーオン率とかフェアウェイキープ率が著しく悪いので、そこ以外でカバーしないといけないというのはあります。なので、必然的にパット数などの数字はよくなっていったのかなと思います。

―― ショートゲームで気をつけていることは何ですか?

森田:パッティングでは、5から10センチの出球がちゃんと管理できるように気をつけています。日ごろから短い真っすぐのパットの練習をしていますが、特別な練習器具とかは使っていません。

―― アマチュアゴルファーにも参考になりますね。

森田:ショートパットを外す人は、けっこう多いのでオススメです。短い距離の練習ならどこでもできるし、カーペットの上でもできますよ。

―― 今はオフシーズンですが、どんなトレーニングをしていますか?

森田:まずは体作り。1月は球数を減らし体作りをメインにして、2月くらいから球を打つ感じです。

―― 体作りはどんなことを?

森田:基本的にウエイトトレーニングはしないタイプなので、全身運動や有酸素運動、自重トレーニング、バランストレーニングなどをしています。

―― ウエイトトレーニングをしない理由は?

森田:シーズンは38試合もあるから、ウエイトトレーニングはそのなかで毎週しないと筋肉が落ちていきます。それがすごく嫌で、できることしかやらないほうがいいかなと思ってて。スイングもそんなにパワフルな感じではなく、どちらかというとしなやかな感じだし、1番必要なのはシーズンをとおして戦い抜く体力だと思うので、その優先順位が高いです。

―― 2月からはどのような練習をするのですか?

森田:練習場よりも芝の上から球を打ちたいです。スイングのチェックだけなら練習場などのマットからでもいいと思うんですが、実際に球を打ちはじめるとなると、コースに行って練習することが多くなると思います。

―― 海外などに行かれるのですか?

森田:地元の香川でやります。昔はよく暖かいところに合宿に行っていましたが、やっぱり行くと練習をやらないといけないというプレッシャーがあって。マイペースにやりたいなと思って地元にしました。

―― 普段からマイペースな感じ?

森田:そうですね。あまり予定をきっちり決めるタイプじゃないです。逆にシーズン中は、決められた時間のなかでやることが決まってくるので、それ以外の時間は、あまり決めずにやりたいなという気持ちはあります。

―― ゴルフ以外の時間は、何をしていることが多いのですか?

森田:ほかのスポーツも好きなので、トレーニングの一環として、キャッチボールやバドミントン、ダンスをしています。あとは美味しいもの食べて、寝るっていう感じです。

ゴルフ以外のことは妹に決めてもらっている

一緒にツアーを回っている妹に助けられていることが多い

―― プロゴルファーになろうと思ったきっかけは?

森田:ゴルフを本格的にはじめようと思ったのは、ふらっと出たジュニアの大会。そこで優勝したのをきっかけに、勝つことがうれしくてゴルフを本格的にはじめました。

―― これまでゴルフを辞めたいと思ったことはありますか?

森田:何回もありました。

―― そういうときは、どうやってもちこたえたのですか?

森田:ひたすら耐えているだけだったかもしれないです(笑)

―― 忍耐力ですね。

森田:そもそもゴルフ自体が忍耐なのかもしれないです。

―― 何がゴルフを続けるモチベーションになっていますか?

森田:ゴルフが好きなのはあります、やっぱり周りが応援してくれている間は、恩返ししたいという気持ちのほうが大きいかもしれないです。

―― 話していると、すごく落ち着いた印象を受けますが、周りからいわれたりしませんか?

森田:どうですかね(笑)。時と場合によります。今のマネージャーは5歳離れた妹で、一緒にツアーを回っているんですが、向こうのほうが大人っぽく見られることがあって、私が妹だと思ってる人もたくさんいると思います。

―― 姉妹でツアーを回るのはいかがですか?

森田:嫌ではないですね。たまに言い合いみたいなのはあるんですけど、やっぱり妹なので一瞬で終わります。助かっている部分もたくさんあるし、話しやすいというのもあるから、いいことのほうが多いと思います。

―― 妹さんに「ここを直してほしい」というところはありますか?

森田:えー、どこだろう。意外とないかも。たまにお姉ちゃんぶることがあるんですけど、それはそれで嫌な気もしないです。それに頼ってしまっている自分もいるので。私が決められない性格なので、何を決めるにしても妹に聞いちゃっています。妹はすぐに決めてくれるタイプなので。

―― いいコンビですね。

森田:私はそう思っています(笑)

―― ゴルフのことも相談する?

森田:妹は全然ゴルフをしないんです。ゴルフをはじめたころにちょっと一緒にやっていたぐらいで、知識も経験もほぼありません。だからゴルフのことは聞かないです。逆にそれがよくて、試合では自分でちゃんと決めています。それ以外は決めてもらっています(笑)

―― 今後まだまだゴルフを続けていくと思いますが、最終的にこうなりたいという理想像はありますか?

森田:とりあえず今はゴルフをガンバりたいっていうのが1番にあるので、キレイな言葉で並べられないんですが、ゴルフをとおして人生が豊かになればいいなと思っています。

―― もうすぐに今シーズンが開幕しますが、開幕戦までにやっておきたいことはありますか?

森田:毎年オフが3年ぐらいあればいいなと思っています(笑)。本当にあっという間にシーズンがはじまるのでオフといってもどこかで緊張感をもっていて、完全にオフにはなりきれないですが、普段一緒にいられない人と一緒に過ごしたりして、地に足をつけてオフを味わえたらいいなと思います!

いかがでしたか? 森田選手の活躍を応援していきましょう!

Profile 森田 遥
●もりた・はるか/1996年生まれ、香川県出身。164cm。2023年シーズンは、後半から調子を上げ、スタンレーレディス ホンダで2017年ぶりの優勝を遂げた。新英ホールディングス所属。

写真=ゲーリー小林

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