プロモデルのクラブを使う“メリット”とは…？人気プロコーチが解説！

ひと昔前は、使用選手の名前がついたクラブがたくさんあった。そのプロの要望や好みを強く反映させた形状や機能は、選手の活躍とともにヒット商品となったが、近ごろはあまり見かけない。

「最近は選手への憧れもクラブへの憧れも減ってますからね……」というマスター今野が、憧れが上達へとつながることを語る。

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昔は多かった “パーソナルモデル” 最近、少ないのがとても残念！

今野（マスター） ハルさんは古いクラブの収集家だそうですね？

ハル 集めているんじゃなくて、プロの名前が入ったモデルが好きなんだよね。

今野 パーソナルモデルですね！

ハル パーソナルモデル？

今野 名前がついてるプレーヤーの個性や嗜好などをモデル化したものです。

ハル そうそう。最新のクラブよりもジャンボ尾崎モデルや青木功モデルとかがずっと好きで、今も使っているよ。

今野 だから古いんですね。昔は、AON（青木功、尾崎将司、中嶋常幸）や倉本プロ、飯合プロ、湯原プロ、芹澤プロなど、名選手のパーソナルモデルがたくさんありましたからね。

ハル 海外のトッププロの名前がついたモデルも多かった。でも最近は出ないね。

今野 まったく発売されていなくはないけど、４、5年前ですかね。タイガー・ウッズのアイアンとミケルソンのウエッジが出たのが、目立ったところでは最後だと思います。

ハル 野球やサッカーなどの用品は、だれだれモデルというのが今もたくさん出ているのに、出なくなったのはゴルフ界だけじゃない？

今野 いろいろな事情があるのでしょうけど、私はパーソナルモデルをぜひ発売してほしい派です。ちなみにハルさんは、なぜパーソナルモデルが好きなんですか？

ハル クラブに意思を感じるのよ。このクラブのこの特徴でこういう球を打て、という。

今野 素晴らしい！その意見には激しく同意します。プロ仕様だから難しいハードなモデルではあるのですが、それを打ちこなす実力をつける、という向上心をもつゴルファーが昔はたくさんいたんです。

ハル たしかに。僕も憧れのプロがいて、その人が使っているクラブを使いたくて上達してきたタイプだわ。

今野 現状のスイングやレベルにクラブを合わせることはもちろんダメではありませんが、プロへの憧れを糧にうまくなるゴルファーが減りましたよね……

ハル 大谷翔平くんは「憧れるのをやめましょう」といっていたけどね。

今野 大谷選手は「今日1日だけは。勝つために。」ということで、ですよ。やはり憧れがモチベーションになることは多くて、その気持ちが向上心につながることがゴルフ界にはもっとあっていい。そのために、パーソナルモデルをどんどん作ってほしいですね。

ハル マスターは誰のモデルを使ってみたい？

今野 出たら誰のでも1度は使ってみたいですね。そのプレーヤーの個性や嗜好をクラブの形状や特徴から見ても、打っても知るのってすごく楽しいんです！

ハル マスターのパーソナルモデルは出ないの？

今野 じつは開発中なんですよ。プロ通算107勝のトップ・オブ・トップの某プロが全盛期に使っていたモデルをそっくり現代によみがえらせるアイアンと、ソールを全部なくして刃しかない、どんなライでもリーディングエッジから入れられるウエッジを。

ハル すごいニッチなモデルだけど、いつ製品化されるの？

今野 今秋くらいですかね……

ハル 売れるかね？

今野 今の私のように、ある一部の人には賞賛されるはずです！

メーカーさん 人気プロのパーソナルモデルの製品化をお願います！

「松山英樹モデルや石川遼モデル、原英莉花モデルに山下美夢有モデルも発売されたら興味津々！ぜひ打ってみたいですね」と今野。ちなみに今野が近年もっとも「そうそう！こんなのほしかったのよ！」と思ったのは、キャロウェイのPMグラインド ウエッジ（2019年発売。「PM」は Philip Mickelson の頭文字で、ウエッジの名工ロジャー・クリーブランドとのコラボ作）で、スコアラインの入り方（フェース全面に溝が入っている）から、自分のショートゲームが肯定された気がしたそうだ！

写真＝鹿野貴司
イラスト＝野村タケオ
協力＝LaFace

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