渋野日向子が愛用するシャフトとは…?人気コーチがコースで試打解説【記事ベスト3】
12月下旬に公開した記事で、アクセス数が多いギア記事ベスト3を紹介していきます。
まず紹介するのは、第3位の記事になります。
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第3位:プロから高評価!人気カスタムシャフトをプロがガチ試打
シャフトの進化は著しく「新時代のモデル」といわれる逸品が誕生している。飛距離や安定性など、弾道だけでなくスイングまでレベルアップする最新シャフトを紹介しよう!
心地よいフィーリングでしなやかに振れる
MITSUBISHI CHEMICAL TENSEI Pro Blue 1K
自然な全体しなりでタイミングがとりやすい
アマチュアだけでなく、プロにも高い評価を受ける三菱ケミカルの「TENSEI Pro 1K」シリーズ。その名の由来でもある「1Kクロス」は、炭素繊維の一束あたりのフィラメント数を最小限に抑えたことで、加工の自由度が高まり、精密な設計が行なえることが特徴。エネルギーロスを最小限に抑え、ヘッドへのパワー伝達を効率化している。
シリーズ最新シャフトである「TENSEI Pro Blue 1K」は、元調子系の「ORANGE」、「WHITE」とは異なり、クセのない全体しなりを特徴とした中調子モデル。過度にしなるポイントがなく、自然としなりを感じながらタイミングよくスイングすることができる、しなやかなフィーリングが魅力のシャフトに仕上がっている。
試打impression
振りやすい挙動で低スピン弾道になる
とても素直なシャフトで驚きました。切り返しから遅れてくる感じもないし、早く戻りすぎることもありません。スイング中、しなり感をはっきりと感じながら振れるシャフトでタイミングを取りやすい。どこかで補正したり鋭くしなったりというところがなく、いい意味で振ったなりの結果が出てくれます。
「TENSEI PRO 1K」シリーズらしく、先端部の剛性はしっかりとあって、低スピンの強い弾道になりやすいのも特徴ですね。
すべてのカテゴリーで抜群のスピード感!
MITSUBISHI CHEMICAL VANQUISH FW/HYBRID/IRON
軽量シャフトらしい強烈な弾き性能
三菱ケミカルの軽量シャフトブランド「VANQUISH(バンキッシュ)」。軽量モデルらしいスピード感と強烈な弾き感を最大限に活かし性能を発揮するライトウエイトシャフトだ。
すでに発売されて好評となっているドライバー用に加え、FW用、UT用、アイアン用が新たにラインナップ。軽量タイプの強みを活かすべく、いずれも50g台と60g台の展開で飛距離やボールの上がりやすさを重視した。ドライバー同様、高弾性プリプレグを贅沢に使用して軽量化と強度を両立しており、さらに製品のバラツキを極力排除した精密な品質も特徴となっている。
軽量シャフトにありがちな球の不安定さを抑え、抜群の方向性で再現性の高いインパクトを実現してくれる。
試打impression
高弾道になりやすく操作性の高さも魅力
切り返しからしなりながら戻ってくる、インパクトまでの動きにスピード感のあるシャフトで、スパンッと気持ちよく振り切れるので、軽量カーボンの小気味よさを活かすことができます。
それでいてしっかりとしたインパクトの押し感があり、高弾道になりやすい、カーボンシャフトの特徴をしっかりと備えています。動きはクイックですが、左への曲がりが小さいのが好印象。FW・UT・アイアン用すべてに一貫した心地よさがあり、高低の打ち分けもしやすいですね。
●商品の問い合わせ/三菱ケミカル コンポジットプロダクツ事業部 スポーツビジネスグループ www.mitsubishichemicalgolf.jp/
シャフト選びの参考にしてください。
解説・試打=市原建彦
●いちはら・たつひこ/1978年生まれ、神奈川県出身。06年「アサヒ緑健よみうり」でツアー初優勝。現在はレッスン活動とともに、ミニトーナメント「FJツアー」を主宰。187センチの体格を活かした豪快なショットが持ち味。
構成=コヤマカズヒロ
写真=小林司
協力=船橋カントリー倶楽部
アクセス数第2位の記事はこちら。
第2位:ボールがしっかりつかまって狙える!ドライバーシャフトをプロがガチ試打!
シャフトの進化は著しく「新時代のモデル」といわれる逸品が誕生している。飛距離や安定性など、弾道だけでなくスイングまでレベルアップする最新シャフトを紹介しよう!
過去のイメージを一新する当たり負けしない先中調子
FUJIKURA SPEEDER NX BLACK
新たに加わった安定感と操作性
フジクラの新モデル「SPEEDER NX BLACK」はシリーズ初の先中調子。
ボールはつかまるものの安定感がない、高く上がるが当たり負けする、という従来の先調子系シャフトとは一線を画するコンセプトのシャフトだ。
その秘密は「SPEEDER NX」シリーズに採用されている「VARIABLE TORQUE COREテクノロジー」(VTC)。「SPEEDER NX BLACK」では、先端から中間のねじり剛性を高めることでヘッドの挙動が安定し、インパクト時の揺れを抑制することが可能になっている。
先調子系の飛距離性能の高さやボールの上がりやすさはそのままに、操作性と安定性を向上し、ミスヒットにも強い。これまでの常識を超えた新たなシャフトの登場だ。
試打impression
安定した挙動でしなりが機能する
先端が動きやすい先調子系のシャフトは、左にいきやすい傾向がありますが、このシャフトはボールがしっかりとつかまって、それでいて左にいく気配がありません。先調子は暴れるという先入観を払拭してくれるモデルです。
一方で、インパクト付近ではしっかりとボールを押し込みながら、シャフト先端が機能している感覚があります。押し感があるので、ややスピンレスな重い球になり、当たり負けする感じもないですね。打点のブレにも強くなっています。
硬いグリーンで“止める”新時代のアイアンシャフト
FUJIKURA TRAVIL
ツアーに求められる打ち出し角と落下角度
ツアーの硬くて速いグリーンでもボールを止めることができる落下角度を得ることを目的に、新たに生まれたアイアン用シャフトが「TRAVIL」だ。その名前は「TOUR RATED(ツアーで評価された証明)」と「ABILITY(新たな能力・性能)」を組み合わせ、「勝利(VICTORY)」の「V」をプラスしてつけられたものだ。
全層にゴム素材を採用する特徴的な「ラバーコンポジットテクノロジー」により、シャフトのしなり戻りをコントロール。先端剛性を高めつつ、滑らかなEI(弾性率)分布に設計されている。タイミングが取りやすいのでスチールからも移行しやすく、同じスイングでも高い打ち出し角と大きな落下角度を得ることができる高機能なシャフトだ。
試打impression
スチールからのスムーズな移行も可能
打ち出し角が高くなるのが印象的。スピン量も増えている感じがして、大きな落下角度でグリーンにソフトランディングしてくれそうです。余計なねじれ感が一切なく、ボールをしっかりとつかまえにいっても、軽いドローになるほど方向性に優れています。
スチールより軽い重量であっても、肉厚や剛性感のためか、やや重く感じます。頼りなさがなく、振り感もスチールシャフトと似たところがあるので、スチールからの移行もスムーズに行なえそうです。タイミングも取りやすいですね。
●商品の問い合わせ/藤倉コンポジット ☎03-3527-8433 www.fujikurashaft.jp
シャフト選びの参考にしてください。
解説・試打=市原建彦
●いちはら・たつひこ/1978年生まれ、神奈川県出身。06年「アサヒ緑健よみうり」でツアー初優勝。現在はレッスン活動とともに、ミニトーナメント「FJツアー」を主宰。187センチの体格を活かした豪快なショットが持ち味。
構成=コヤマカズヒロ
写真=小林司
協力=船橋カントリー倶楽部
アクセス数第1位の記事はこちら。
第1位:渋野日向子が愛用する注目のシャフト!人気コーチがコースで試打解説
クラブを加速させるコックを使うのが苦手なゴルファーは多いが、シャフトのしなりを使えば飛距離アップできる
レベルが上がったツアー。プロが求めてきたのが“落下角”!
今野 三好くんと共演できる日がくるなんて、感無量だわ。
三好 僕もです! 学生時代の今野さんのスイング指導のおかげで、トラヴィルの開発時は自分でも試打をして性能を確かめることができました!
今野 アイアン巧者の三好くんが開発に大きく携わったシャフトということで、すごく注目していましたが、期待以上の出来。「ツアーから生まれたアイアンシャフト」というキャッチフレーズですが、幅広いレベルやタイプのゴルファーに合うシャフトですよね。
三好 そのとおりですが、ツアーから生まれたのは真実です。近ごろの男女ツアーの予選カットや優勝のスコアを見ると、数年前からだいぶレベルが上がっています。プロたちは何かしらでライバルに差をつけなくてはいけない。それはスイングだけでなく、シャフト性能でもです。
今野 そのひとつがランディングアングル「落下角」なのね。
三好 はい。アイアンショットの弾道がよりグリーンの上から狙えるので、長めのアイアンや硬いグリーンでも球を止めることができます。
今野 落下角を大きくするカラクリは?
三好 インパクト時のロフトが表示・設計どおりになるようにしています。ロフトが立ちすぎたり、しなり戻りによって寝すぎることもない。
今野 とはいえ、ガチガチに硬くはない。色は精悍なイメージのマットブラックだけど、ヘッドは意図どおりに素直に動いてくれる。ということは、先端剛性が高い?
三好 さすが師匠! トラヴィルは中元調子ですが「金属、カーボン、ゴム」の3種類の素材が使われていて、カーボンは積層構造に秘密があり、手元に向かってゆるやかにしなる。一部だけがしなると、入射角やタテ距離にバラつきが出やすくなってしまいますからね。
今野 金属とゴムの役割は?
三好 金属はスチールシャフトと同様のクラブバランスを出します。ゴムは弊社のフルショットをするシャフトでは初搭載ですが、振動吸収によっての打感のよさと、しなり戻りを抑えて意図しない動きを防ぐ効果があります。
今野 振り心地や打感など、フィーリング面でもスチールに劣らないか、それ以上のよさがある理由はそこにあるのか。
とくに40歳すぎたらトラヴィル!
三好 今野さんが打ってみての正直な感想はどうですか?
今野 渋野日向子プロや古江彩佳プロなど多くの女子プロだけでなく、飛ばし屋の男子プロまで使っているというのに納得ですね。飛び姿は放物線よりも台形っぽいイメージで、落下角がたしかに大きくなって、止められるという武器を手にした感じ。85、95の軽量タイプはカーボンならではの恩恵がありつつ、さらに「40歳すぎたらトラヴィル!」と声を大にしていってもいいかも。
三好 その理由は?
今野 僕も40代になったけど、体はまだまだ動ける一方、パワーダウンは否めない。そんななかスコアを向上させるのは技術で、多くのゴルファーは40代になると円熟味を増してくる。スチールシャフトは比較的ハイスピンボールになるが、トラヴィルはロースピンとハイスピンの両方が打てて、ヘッドスピードも上がりやすい。40歳をすぎると将来的にカーボンのメリットを活かしたい日は必ずくるので、それに慣れていくのにもトラヴィルは最高のシャフトだと思います。
三好 なるほど。もちろん、スペック次第では若いゴルファーにも合います。
今野 プロだから、まだ若いから「スチール」は時代錯誤。打てば納得のナイスな球が飛び出すことは間違いありません!
テスター=今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ、千葉県出身。プレーヤーとしてもコーチとしてもゴルフの造詣の深さは業界トップクラス。小誌でもその知識を広める連載を掲載中。キッズゴルフクラブ代表。
藤倉コンポジット技術開発部
三好啓介
写真=高橋淳司
協力=日神グループ 平川CC
いかがでしたか? ワッグルONLINEは、まだまだ多くの情報を載せた記事を公開しています。ぜひ、ご覧ください!
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