中島啓太、“300ヤード”飛ばす秘訣は?「グローブの…」と解説

今季の男子ツアーは、フレッシュな顔ぶれが台頭している。好調な選手はドライバーの勢いと安定感もすごい!そのスイングでマネたいポイントを解説する。

【関連記事】ミスしても寄る!入る!“AI設計”の最新パターを鹿又芳典が解説

バランスがいい宮里優作タイプ

Point 右ヒザが正面を向いているので軸がズレない

まだ24歳の清水大成選手ですが、そのスイングは昭和から平成の雰囲気が漂う超・王道タイプ。宮里優作選手をほうふつさせるバランスがいいスイングなので、アマチュアゴルファーのみなさんには積極的にマネしてほしいスイングです。もっとも参考になるのが左足の動き。最近の若手選手は地面反力を使って飛距離を出そうとするので、スイング中は上下方向に力をかけています。

その結果、左足がツマ先立ちになったり、ジャンプする選手が多い。しかし、清水選手は左足をめくらずに体の回転でボールを打っているので(❻)、体が横方向にズレたり、斜めに傾くことがなく、軸の安定感が素晴らしいです。両腕と手元でできる三角形をキープしているのも教科書どおり。❷のバックスイングでは両腕の真ん中にシャフトがあり、その姿勢をトップまでキープしています(❸)。

Point 両腕と手首の三角形が崩れず右腕とシャフトが一直線

さらに、❻のフォローから❼のクラブを高く上げたところまで三角形が崩れていません。これだけ腕の形が安定していると再現性が高くなります。三角形をキープするには、お腹の動きを意識してください。清水選手は下半身を動かさずにお腹をネジッているので、軸がブレないトップになる。ダウンスイングでもお腹を戻す動きによって、腕の形をキープしているのです。

清水大成
●しみず・たいせい/1999年生まれ、福岡県出身。1 7 5 c m 、7 4 k g 。昨季はSansan KBCオーガスタで3位に入り、賞金ランキング25位に。今季はJAPANPLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品で7位タイに入った。ロピア所属。

肩のタテ回転でストレート軌道に

Point フェースが開かないように下を向ける

新世代の飛ばし屋・蟬川泰果選手の特徴は右足です。ダウンスイングでは右足を蹴ってツマ先立ちになっていますが(❹)、インパクトからフォローにかけては(❺❻)右足がベタ足になって右足体重で振っている。普通は左足体重になるのですが、蟬川選手は右足に体重が残っているので、フォローからフィニッシュにかけては独特な姿勢になっています(❼)。

Point アドレス時よりも前傾を深くしながら肩をタテに回す

右足に体重を残すメリットは、腰の左側を最速でターンさせるためです。じつは左足体重になると、左サイドに力が入ってしまうため、腰の左側をスムーズに回せません。しかし、蟬川選手のように右足体重になっていれば、右足が支点、腰の左側が作用点の関係になるので、スピーディに左腰を回せます。それがヘッドスピードアップにつながっているのです。

もうひとつ、飛距離アップにつながっているのが肩をタテに回転させる動き。ヘッドスピードが速い人ほど、肩がヨコ回転してしまうと左方向へのヒッカケのミスが出やすくなります。しかし、蟬川選手は両肩をタテに回転させることで(❺から❼)、最大限のスピードを出しながらもストレートに近い軌道でボールを打つことができています。だから、320ヤード飛ばしてもフェアウェイにボールを打てるのです。

蟬川泰果
●せみかわ・たいが/2001年生まれ、兵庫県出身。175cm、77kg。昨季はアマで史上初のツアー2勝を挙げ、一躍ときの人に。今季も好調のまま開幕を迎え、2戦目の関西オープンで3勝目を挙げた。フリー。

胸を右に向けながら腕を下ろしている

Point グリップエンドを右斜め下に引っ張ってクラブを下ろしている

今、日本の男子ツアーでもっともドライバーショットが安定しているといわれる中島啓太選手ですが、安定感を生んでいるポイントがダウンスイングでの「間(ま) 」です。切り返した直後に目標と逆方向にグリップを引っ張っている(❹)。すると、ダウンスイングでは胸が右方向を向いたまま、腕が下りてきます。この動きによって下半身よりも上半身がワンテンポ遅れる一瞬の「間」ができる。「間」があることによって、ダウンスイングのテンポが安定。インパクトのタイミングを合わせやすくなるのです。

Point 頭は右サイドに残し手首を返さない。左肩も開かない

アマチュアゴルファーは切り返し直後に、グリップエンドをボールに向けるように力を入れるタイプが多いのですが、そうすると上半身が突っ込んでしまうので「間」ができません。下半身よりも上半身が先に回ってしまうエラーが起こってしまうので注意してください。もうひとつのポイントは、フォローの手首の使い方です。中島選手は左手を返さずに、グローブのロゴを目標に向けたまま動かしています(❻)。

手首を返してしまうとフェースが開いたり、閉じたりしてインパクトが安定しませんが、中島選手のように左手の甲を目標に向けたまま振り抜けば、スクエアフェースのままボールを打てるので打球に安定感が増すでしょう。

中島啓太
●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177cm、75kg。今シーズンは開幕戦から好調をキープし、ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメントでは、プロ転向後初となるツアー優勝を果たす。フリー。

解説=岩本肇
●いわもと・はじめ/1974年生まれ、東京都出身。PGA公認ティーチングプロA級の資格を取得。現在は東京・多摩市のGolf Streetを拠点に幅広い年代層のゴルファーをレッスン。過去には男子プロの中島啓太を指導していた

写真=ゲーリー小林 構成=野中真一
取材トーナメント=BMW 日本ゴルフツアー選手権
※選手の記録は7月20日現在のもの

【あわせて読みたい】

リ ハナも試打した“最新AIパター”って何…?女子ツアーで人気沸騰中!

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露!ファンから称賛の声集まる

「Ai-ONE」パター6モデルを一気試打!鹿又氏のおすすめの1本は…?

関連記事一覧