出球の方向と打球が曲がるメカニズム!人気コーチが解説!
ゴルフは多くの道具とさまざまな打ち方を組み合わせてプレーする。「何がうまくなればスコアアップできるのか」と迷うこともあるだろうが目澤秀憲コーチは「80を切るまではドライバーが最重要」という。
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打ち出し方向はフェースの向き
曲がり方はスイングパスが影響
出球の方向と打球が曲がるメカニズムについても正しい認識が必要です。
出球はインパクト時のフェースの向きの影響を大きく受けます。フェースが右向きなら右、左向きなら左に飛び出します。一方、ボールの曲がりはスイング方向(スイングパス)で決まります。アウトサイドからインサイドに振ると右に、インサイドからアウトサイドに振ると左に曲がります。
スライスやフックをはじめとする13種類の球筋は、すべてこの2つの組み合わせで起こります。たとえばフェースの向きがスクエアでインパクトしても、スイングパスがアウトサイドからインサイドならスライスになりますが、フェースの向きがちょっと変われば出球の方向が変わり、スイングパスが少し変われば曲がり方が変わります。
ここにヘッドスピードやヘッドの入射角なども絡んでくるので複雑極まりなく、とても文章では説明しきれません。ただ、逆に言えばフェースの向きにしろ、スイングパスにしろ、ちょっと変われば球筋が変わるということでもありますから、完璧なストレートボールを目指すのでもないかぎりスイング改善はさほど難しくないのです。
ここで知っておいていただきたいのは「スライスするからフェースを閉じる」は事実誤認であること。出球はインパクト時のフェースの向き、曲がりはスイングパスでほぼ決まるということだけ覚えてください。
スイングパスに対してつねにフェースをスクエアに保つ
出球の方向はインパクト時のフェース向きに左右されますが、この場合のフェースの向きとは、スイングパスに対しての向きを指します。「インパクト時のフェース向きはスクエアが理想」と言われますが、これはボールとフェース面にかぎったものではなく、スイングパスとの関係でもあるわけです。
アマチュアゴルファーがイメージするのは、もっぱらインサイド・インのスイングパス上でのインパクト。これでヘッドの最下点でフェースがスクエアに当たればボールは目標方向に真っすぐ打ち出されます。
しかし、ドローボールを打つには目標方向の右、フェードボールを打つには左に打ち出します。そうなると前者はインパクトでフェースが開き、後者では閉じていなければなりませんが、それでも打球は目標方向に戻る。これはスイングパスに対してスクエアにヒットできているからです。
プロがドローやフェードを打ち分けられるのは、スイングパスに対してフェースがスクエアに動いているからです。これができると理論上どこでボールをとらえても、打球はスイングパスの方向に真っすぐに飛び出します。最下点でヒットすれば目標方向、やや手前なら目標より右、やや先なら同様に左に打ち出されるのです。
このロジックがわかっていると、フェースの開閉が原因となるミスの本質がわかるはず。すなわち、スイングパスに対してつねにフェースをスクエアに保つことがミスを減らすのです。
いかがでしたか? 目澤メソッドのようにロジックを考えてみると今まで気付かなかったミスに気付くかもしれません。ぜひお試しください。
ゴルフコーチ目澤秀憲
●めざわ・ひでのり/1991年生まれ、埼玉県出身。5歳からゴルフを始め、プロゴルファーを目指す。日本大学法学部卒業後、「TPI」(タイトリスト・パフォーマンス・インスティテュート。アメリカのインストラクター養成プログラム)を知り、セミナーを受講して感銘を受ける。24歳で指導者に転身後は、ボストンでの語学留学を経て、TPIの5つの資格のうち「ゴルフ」と「ジュニア」の最高水準であるレベル3を取得。一般ゴルファーへのレッスンをしながら、2021年には松山英樹と専属コーチ契約。松山のマスターズ日本人初制覇に貢献した。ゴルファー個々の身体的特徴に合った動きを教える「コーチング」をベースに指導。昨年から河本力のコーチも務め、ツアー優勝へと導いた。
文=岸和也
写真=高橋淳司、田辺安啓
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