アマチュアも「スタッツ」を上達に活用する時代! ”DX“でリアルな自分のゴルフを深く知ろう!
ゴルフ上達のために、弾道や距離を測定する機器の使用が一般的になった時代。
さらに近ごろは、プレーデータを記録してのゴルフの“DX”が進んでいて、ツアープロだけが使っていたような「スタッツ」を一般ゴルファーも見ることができる。
それらを参考に自分のゴルフをもっと深く知ると、マネジメント力とスコアが飛躍的にアップするぞ!
「FWキープ・パーオン・パット」の数でウィークポイントと課題がわかる
トーナメント記録の「スタッツ」(部門別データ)で、アマチュアも必ず記録してほしいのが「フェアウェイキープ・パーオン・パット」の数です。今回、伊藤さんが使用したウォッチ型GPSの距離計は、スコアや使用番手を入力すると、連動するアプリで3つのデータを見ることができました。
ティーショットが曲がっていない=飛んでいるとフェアウェイがキープできる。すると、次打はいいライから打てるのでパーオンの数が増えやすくなる。つまり、パーオンは今回の伊藤さんのスコアアップでも重要視した、ティーショットの出来がカギになるのです。逆にパーオンが増えるとパット数は増える傾向にあります。
それぞれの回数を知ることで、今の自分のウィークポイントと課題を見つけ出し、上達に取り組んでください。
FWキープ・パーオン・パットの数は、スコアカードに記入するだけでも簡単に数えられる。フェアウェイをキープしたら○をつけ、スコアからパット数を引けばパーオンしたかわかる
自分のリアルな飛距離、知っていますか? 最大飛距離でのマネジメントはNG
打った番手の入力でアプリに記録される「クラブセット」のデータはおもしろい、というか多くのゴルファーが「こんなに飛んでいないのか」と落胆してしまうかも(笑)。しかし、これが本当のリアル。番手ごとの飛距離を“最大”で考えているのは理想で、“平均”が現実の飛距離です。
伊藤さんにもこの傾向やデータを加味して、狙う方向や持つ番手を替え、ショートしないマネジメントを多用しました。しかし、コースではこれが当たり前。練習場と違い、コースではラフ、傾斜など「普段よりも飛ばないシチュエーション」に遭遇する。このコースでの飛距離を自覚するだけで、スコアは簡単に縮まります。
ショットのズレの傾向は練習場とコースでは意外と違う!
伊藤さんが自覚している持ち球はスライス。しかし、上のデータ「ショットの概要(ドライブ)」ではティーショットはLeft(左)のほうが多い。スライサーなので左を向いてセンターに戻す弾道を打っていたので左サイドが多くはなりましたが、それでもヒッカケやチーピンなど左へのミスも出ていました。
下のデータは50ヤード以上からグリーンを狙ったときのデータです。スライサーなので右手前に外すことが多いはずが、奥に外す飛びすぎも結構あることがわかります。このようにコースでは本人の認識と違う結果が出るもの。打った弾道や飛距離を記録、記憶しておくクセをつけましょう。
上段がドライバーの結果。練習場ではスライサーなのに、コースではじつは左へのミスも多い。下段の「アプローチ(50ヤード以上から)」のデータでは、ドライバーとは逆の現象が起こっているケースもあるので“思い込み”にも注意しよう
レッスン=今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ、千葉県出身。小誌連載企画「知ると得する開眼トーク」でも主にスコアアップに役立つプレーの仕方や考え方をレクチャー。その効果を6月末に自ら立証。「58」のスコアを出して自己ベストを更新した。キッズゴルフクラブ代表。
アマチュア代表 伊藤貴洋さん
●いとう・たかひろ/1973年生まれ、49歳。ゴルフ歴15年、ベストスコアは100。学生時代のサッカー部ではエースストライカーを務めるなどスポーツは得意だったが、ゴルフは大苦戦! 50歳の誕生日を迎える12月までにベストスコア更新、同時に100切りを達成するのが目標。持ち球はスライス。
写真=相田克己
協力=サザンヤードCC、ガーミンジャパン