ドライバーの“ライン出し”って実は簡単…!? 飛距離そのままで曲げない方法

プロのうまさが光るのが難しい状況やトラブルでのショット。難しい状況やトラブルでのショット。今月は「こんなとき、どうするの?」と困ったときに、いくつかある対処法のなかから「これがいちばん簡単、確実でいいですよ」という狙い方や打ち方のヒントを教えてくれた。

まずは、片岡尚之プロからのレッスンです。

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刻むと2打目の距離が残るときに有効なテクニック

ハンドファーストにボールをとらえて低く振り抜く。「得意なショットのひとつ。試合でよく使います」(片岡)

狭いホールのティーショットは方向性を重視して、3Wなどで刻むという選択肢もありますが、僕はドライバーでピンポイントに攻めます。アイアンでの“ライン出し“のように低いライナー性の弾道をイメージし、インパクトでハンドファーストの度合いを強くする。ダウンスイングでフェースを早めにボールに向けつつ、手元を先行させるのがコツです。

こうしてロフト角を立てて打つと、球の直進性が高くなる。キャリーは落ちますがランが増えるので、飛距離は通常時とあまり変わりません。刻むと2打目の距離が残ってしまうという場面で役立ちますよ。

ハンドファーストの度合いを強くしてインパクト

アイアンのライン出しとほぼ同じです。

通常のインパクトは左手が左太モモの内側にあるが、それよりも手元を先行させ、ロフト角を立てて打つ。

ティーアップを低めにして、ボールを判個内側に入れる。

フェースを早めにボールを向ける

クラブを立てながら振り下ろし、フェースを早めにボールに向けると球がつかまり、真っすぐ飛ばせる。

ライナー性の低い球を打つ

OBや池があるときは、地上から5メートルくらいの高さまで抑えた低いライナー性の弾道でピンポイントに攻める。

片岡尚之

●かたおか・なおゆき/1997年生まれ、出身。171cm、67kg。21年のジャパンプレーヤーズ選手権でツアー初優勝し、大ブレイク。22年は日本プロ2位を含む6度のベスト10入りで賞金ランキング23位。フリー。

次は、成田美寿々プロのレッスンです。

風が強い時は普段より2段階低い球でミート重視のスイング

ボールの高さは目線くらい

強い向かい風や横風のときのドライバーショットは、球を高く上げると風に流されて飛距離も方向も計算できなくなります。なので私は、普段より高さを2段階くらい下げて、風の影響が最小限になるローボールを打つようにしています。

まずはティーアップを低くし、ボール位置は普段より1個ぶんくらい右にセット。グリップを指2本ぶんくらい短く持ってスタンスも狭めてコンパクトに構えたら、大振りせずにミート重視でスイングします。低スピンの低いライナーボールが打てるので、風の影響を受けて大きく飛距離が落ちてしまうを防げます。

スタンス狭めで振りきらない

ボール位置を右寄りにしてスタンスは狭めに。大振りせずにシャフトが立つくらいの低いフィニッシュをとる。

「指1本ぶん」の低いティーアップ

ティーアップは低めに。ボールの頭がドライバーのクラウンとそろう。または、ボールと地面の間に指1本入るくらいの高さに。

この3センチが効くんです!

成田美寿々

●なりた・みすず/1992年生まれ、千葉県出身。162cm。12歳でゴルフを始め、12年から単年度登録でツアーに出場すると、同年の「富士通レディース」で初優勝。

13年にプロテストを2位で合格。ツアー通算13勝をあげている。フリー。

次は、木戸愛プロのレッスンです。

スタイミーな状況はしっかり振り切り目線の高いフィニッシュをとる!

スイングは高く上げようとする意識も動きなし! しっかり振り切り、普段と違う動きを意図的にしないことがきちんとミートするコツだが、フィニッシュでの目線だけ球の高さに合わせて高くとると、それまでのスイングが勝手に球を高く上がる動きをする。

スイングで上げようとする動きや意識はゼロ

前方の木が邪魔でグリーンが見えないスタイミーな状況は、木や枝を避けて目標を狙いますが、ロフトが寝ているアイアンはサイドスピンをかけにくいので、大きく曲げるは難しい。木の上を通せそうなら、高い球を打って狙うのがいちばん簡単です。

狙った高さをしっかり出すにはミートが必須となりますが、スイングを変えると打点がズレやすくなってしまうので、アレンジするのはアドレスだけ。スイングは変えず、鋭く振り切ることを強く意識して、キレと加速でボールを高く上げるのが成功のコツになります。

①目線を高く上げて目標を確認

②フェースを少し開く

③気持ち右体重

①は「高く上げることが優先なので、飛距離が落ちてショートするとしても番手は上げません」と木戸。②によって、体重がいつもよりも少し右足に乗る。ハンドファーストの度合いも弱まって、球を高く上げるための準備ができる(③)。

木戸 愛

●きど・めぐみ/1989年生まれ、神奈川県出身・172cm。08年プロ入り。12年にレギュラーツアーで初優勝をあげる。

22年はレギュラーツアー27試合に出場し、ニッポンハムレディスクラシックでは8位タイに入った。フリー。

次は、桑山紗月プロのレッスンです。

ディボット跡はフェースのスコアラインのいちばん下に当てて打つ

撮影中に見つけたジャイアント・ディボット跡! 「きちんと目土されていますが、砂が入っているほうが難しいので、打つ側としては最悪のライですね(笑)」と桑山

不運にも打球がディボット跡に入ってしまったときは、意図的にハーフトップを打ちます。スイングは払い打ちで、インパクトゾーンでヘッドを低く長く動かす。ソールを地面にまったく触れさせないくらいのイメージでOKです。クラブの打点はフェースの下めになりますが、スコアラインの下から1本目に当たっても意外とキャリーは出るんですよ。

とはいえ、弾道はふだんよりも低めになります。グリーンのすぐ手前にバンカーなどのハザードがあるときは、それらにかからないライン(方向)でグリーンオンを狙いましょう。

スコアラインのいちばん下に当てる意識をもって打つ。「アイアンの刃で打とうとすると、どトップになりやすいけど、ここで打てばトップめでもキャリーが出るので飛距離が大きく落ちません」(桑山)

打ち込んでボールだけをヒットするヘッドの入れ方はズレが出やすい。目土なしはヘッドが跳ねやすく、目土されたディボット跡はヘッドが潜って大きなミスになってしまう。

意図的にトップさせる打点のコントロールが必要なので、ズレが出にくいコンパクトスイングとゆるやかな入射角でボールをヨコから払い打つ。

桑山紗月

●くわやま・さつき/1998年生まれ、千葉県出身。12歳からゴルフをはじめ、22年にプロ入り。同年のステップアップツアー、九州みらいの建設グループレディース窓乃梅カップでツアー初優勝をあげる。ディライトワークス所属。

構成=小山俊正、鈴木康介、編集部
写真=相田克己、田中宏幸

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