キャロウェイとテーラーメイドのアイアン8モデルを一気試打!どれが良いの?
ツアープロが愛用するモデルから飛距離性能が話題の飛び系まで、アイアン25本を厳選して試打!鹿又には全モデルの特徴を分析してもらい、4人のアマチュアには相性のよいモデルを選んでもらった。
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「パラダイム」はアイアンでも高初速が出る!
キャロウェイ パラダイム
ドライバーの「パラダイム」はボール初速が速いことが話題になっていますが、アイアンもトップクラス。ただし、決してユーティリティ的な弾道ではありません。アイアンらしい低めの打ち出しからグングンと打球が上がってくれるので、弾道はすごくオーソドックスです(鹿又)
(アスリート代表・今田さん)想像以上に飛距離が出ますね。ボールスピードが速くて強い打球が出るので、50代くらいの競技ゴルファーに一番マッチしそう。打感はやや弾き系ですが、スピンが効いてくれるので、方向性は出しやすいです。
(若者代表・山本さん)バックフェースや構えたときの見た目はとてもシンプルなのに、ヘッド内部に高機能が詰まっているのでしょうね。やわらかい打感で、直進性の強い真っすぐな弾道が簡単に打てる。僕だけでなく、さまざまなタイプに合うと思います。
「パラダイム」よりプラス5ヤード!振り遅れに強い
キャロウェイ パラダイム X
「パラダイム」を基準にすると「パラダイム X」は飛距離性能を高くしていてプラス5ヤードくらい飛んでいます。グースの度合い、ヘッドサイズが大きめなのは伝統的なキャロウェイ顔という印象。グースが大きめについているのは、振り遅れにも強い設計になっていますね(鹿又)
(中級者代表・生方さん)オフセット強めのグースネックで、昔のキャロウェイの顔をしていますね。ヘッドサイズも大きめで構えたときの安心感があります。打ってはナチュラルにドローする球筋が出る。球がつかまるので、飛距離もいつもよりも出ていました。
(若者代表・山本さん)スタンダードモデルよりも飛ぶし、球のつかまりがよく、芯も広い。僕はスタンダードモデルの顔のほうが好きですが、顔よりも結果重視、スライサーが真っすぐ遠くに飛ばせる、または高いドローボールが打ちたい人に合いそうです。
顔は一番シャープだけど飛距離性能はNo.1
キャロウェイ パラダイム MAX FAST
「パラダイム」「パラダイムX」と比較するとトップラインも薄めで、一番シャープに見える顔に仕上がっています。日本のベテランゴルファーが好きな顔。そのうえで「パラダイム X」よりさらにキャリーで5ヤードくらい飛んでいるので、3モデル中もっとも飛びます(鹿又)
(シニア代表・小澤さん)大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいいサイズの顔で構えやすい。シャフトも軽くて振りやすいですし、ヘッドが効いてくれるので私くらいのヘッドスピード(ドライバーで30m/秒後半)でもラクに振り切れるお助け系のアイアンです。
(中級者代表・生方さん)25モデルも試打して気づきましたが、軽いクラブってアリですよね。昔と比べて僕のヘッドスピード(ドライバーで43m/ 秒)でもクラブが暴れないし、MAX FASTはとくに球が高く上がってキャリーが伸びる。グリーンに止まる球が打てます。
昔のビッグバーサを最先端の素材で再現した意欲作
キャロウェイ グレート ビッグバーサ
アドレスした印象としてはネック周辺の雰囲気や、きつめのグースが昔のビッグバーサを彷彿させてくれます。ただし、フェースには最高級のチタン素材を採用。キャロウェイの最先端技術も搭載しているので、飛距離性能とミスヒットへの強さはトップクラスです(鹿又)
(シニア代表・小澤さん)弾き感があるフェースで、打球のスピードがあきらかに速い。打っていて楽しいアイアンです。見た目も高級感がありますが、打感はソフトな中にも芯が合って、すごく心地よいフィーリング。打球の直進性も高いです。
(若者代表・山本さん)チタンやタングステンをふんだんに使っていて、素材のよさによって弾道がレベルアップすることを実感しました。飛距離、方向性、許容性、球の上がりやすさの4拍子がそろっている。値段は高めですがその価値は十分にあります。
UT形状に見えてロフトが30度の新ジャンル!
テーラーメイド ステルス HD
今までのテーラーメイドにはない攻めた形状で、ソール幅が広くてユーティリティに近い。打ってもユーティリティに近いやさしさがありますが、じつは7番のロフトは30度あるのでストロングロフトではありません。この形状でロフト30度は新ジャンルだと思います(鹿又)
(シニア代表・小澤さん)ヘッドの大きさに安心感があって、ダフリにも強い。このアイアンセットを使えば、ゴルフがすごく楽になりそう。ダウンブローに打ち込まなくても払い打ちで十分にキャリーを伸ばせるので、シニアゴルファーには最高です。
(若者代表・山本さん)ボールが自然につかまり、プッシュアウトが出ずに出球がそろう。弾道にも高さがしっかり出てくれて、キャリーが伸びて飛距離も出る。スリクソンのZX4でも感じましたが、僕はフェース長が長い中空モデルが合うのかも……。
アスリートモデルのど真ん中!スピン性能も高い
テーラーメイド P770
テーラーメイドの「Pシリーズ」の魅力はツアーモデルとしてのバランスのよさ。そのなかでも「P770」は決して小顔すぎず、アスリートモデルとしてど真ん中のヘッドサイズ。ロフトが33度あるのでスピンも十分に入りますし、欠点がないアスリートモデルです(鹿又)
(アスリート代表・今田さん)フェースにボールが食いついてから押す感じの打感なので、パワーヒッターほどしっかりスピンが効いたボールを打てると思います。「P7 MB」と比べるとミスヒットにも寛容で直進性が高いですが、スピン量はほぼ互角でした。
(中級者代表・生方さん)万人受けする万能なアイアンですね。ピンのi230と見た目も性能も似ていて、シンプルなヘッド形状ですが、寛容性が高く、打感もヘッドの抜けもいい。やさしいのに球筋の打ち分けがしやすい、コントロール性能まで兼ね備えています。
ハーフキャビティの単一素材は打感が最高!
テーラーメイド P7 MC
ヘッドサイズやフォルムは「P770」と近い。ただし、打ったときの打感は単一素材の「P7 MC」のほうがフェースに食いつく感じがあって、さらにやわらかくなっています。ロフトも7番で34度あるので、パワーヒッターでも飛びすぎることはありません(鹿又)
(アスリート代表・今田さん)ドライバーのヘッドスピード45m/秒を超えるパワーヒッターは「P7MC」のように7 番でロフト34度あるアイアンのほうが、スピンが効いて打球が高く上がってくれる。「P770」よりさらにボールがフェースに乗る打感がいいですね。
(若者代表・山本さん)軟鉄鍛造ヘッドで肉厚なので、打感は超気持ちいいやわらかさ。フィーリングのよいマッスルバックのようでありながらキャビティの効果もしっかりあって、やさしいアスリートモデルを使いたいゴルファーに合うアイアンだと思います。
HS45m/秒の人でも7番で150ヤード!完全なプロモデル
テーラーメイド P7 MB
「P770」「P7 MC」よりもワンランク上のゴルファーに向けたツアーモデル。おそらくドライバーのヘッドスピードが45m/秒の人が打っても7番でキャリー150ヤードが限界。スピン量、抜け感、操作性のよさはピカイチなので、テクニックがある人にはオススメです(鹿又)
(アスリート代表・今田さん)飛ばないのが逆にいい!私くらいのヘッドスピード(ドライバーで48m/秒)でも7番でキャリーが160ヤード前後なので、イメージどおりの飛距離を打ち分けられます。打感は最近のテーラーメイドのアイアンではNo.1だと思います。
(中級者代表・生方さん)試打したなかでもっともハードだったマッスルバック。使い手はかぎられますが、コンパクトなヘッドサイズでトップブレードも薄い、ブレード型ならではの操作性やフィーリングのよさを求める上級者やハードヒッターには好まれますね。
いかがでしたか? 試打者のコメントをアイアン選びの参考にしてください。
鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一、編集部
写真=田中宏幸
協力=ジャパンゴルフスクール
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