中島啓太のスイングを石井良介プロが解説!300ヤード飛ばせる秘密とは?

2023年も活躍が期待され、トーナメントで注目してほしい選手のスイングの“見どころ“をいち早くチェック!

今月は、近代スイングの教科書といえる中島啓太のスイングを石井良介プロが解説!

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アドレス~トップ

アドレス~トップ

23年シーズンの注目の男子選手といえば、22年にアマチュアで国内ツアー2勝をあげた蝉川泰果選手もあがりますが、少しクセのあるスイングをしてます。

近代的なオーソドックタイプで、アマチュアも参考にするなら中島啓太選手のスイングのほうがオススメだと思いピックアップしました。

中島選手の見どころは、まずは、はち切れんばかりの太モモですね。これから世界でも戦っていくには、フィジカル面の向上も必須と感じているのでしょう。トレーニングをしっかりしているのが伝わってきて、体格は今後、ますますビルドアップしていきそうです。

アドレスの形は、とてもニュートラルで教科書どおり。余計な力は入っていませんが、力強さも感じさせます。バックスイングはあまり手を使わず、コックも抑えめ。しっかり体を捻転させながらトップを作っていきますが、トップもオーソドックスで教科書どおり。

これが世界のスタンダードだ、といえる形をしています。「近ごろの若手選手は弾道測定器世代」ともいえます。トラックマンなどをうまく活用して、飛ぶボール、曲がらないボール、力を効率よく伝えるためにはどういうポジジョンや軌道、ヘッドの入れ方をすればいいのかを、データを参考に修正していく。

「この形にしたから飛んで曲がらない」ではなく、「こういう弾道データにするためにはこの形にする」というのが、今どきの若手選手のスイングのつくり方のひとつの傾向でもあります。

圧力鍋をイメージしながら見てみよう!

フィニッシュ~ダウンスイング

ダウンスイングは今の若手の主流でもある、右サイドに側屈が入ります。

この「く」の字に曲がる形は、腰の右側の高さがポイントで、トッププロは側屈しても腰の右側が下がりません。

右足の蹴りがとくに強い桂川有人選手は、下がるどころか逆に上がるくらいです。

側屈は、腰は地面に対してフラットに回転し、上半身は前傾したまま鋭く回転すると起こりますが、この意識はプロのスイングをマネてうまくなりたいと思うアマチュアにもあると思いますが、これを上手にマネるには、腰の右側の高さにポイントがあるのです。

前傾角のキープは、腹直筋をトップまでに伸ばし、切り返し以降は縮めるのが上体の起き上がりを防ぐコツになりますが、もうひとつ中島選手を見るとわかるのが「インパクトはアドレスの再現」ではないこと。

肩や腰など体の向きも違うし、背中も丸まっている。

背中が丸まっているということは、腹直筋もアドレス時よりも確実に縮んでいます。

飛ぶ秘けつを知りたいなら、中島選手のことを圧力鍋だと思って見てください。

下半身の強い足の蹴り上げは強火、上半身はその火力を押さえつける圧力鍋の蓋です。

それによってパワーが圧縮し、自分が出せる10の力を、20、30まで引き上げることができるですが、これは飛ばすことに長けた今どきの大型ヘッドをうまく制御し、ヘッドがもつ飛距離性能をフルに発揮できる打ち方にもなります。

体とクラブの両方を上手に使っているから、300ヤードどころか320も330ヤードも飛ばせるのです。

いかがでしたか? 中島選手の動きと、石井良介プロの解説をぜひ参考にしてみてください!

中島啓太

●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177cm、75kg。
20年に男子アマチュアの世界ランキングで1位に輝くと、年間最優秀アマチュアに贈る「マーク・マコーマックメダル」を2年連続で受賞。21年には、国内男子ツアーのパナソニックオープンで史上5人目のアマチュア優勝をはたす。
22年シーズンの9月からプロ転向し、出場7試合で23年のシード権を獲得した。フリー。

解説=石井良介

●いしい・りょうすけ/1981年生まれ、神奈川県出身。

小誌連載企画のほか、あらゆるメディアで活躍中の。PGAティーチングプロ。

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