“国内ゴルフツアー”の見どころは?ツアー事情に詳しいコーチに聞いてみた
待ちに待ったツアー開幕!男子も女子も人気、実力を兼ね備えた選手が大勢いるが、なかでもとくに注目すべき選手は誰?ツアー事情に詳しい阿河徹コーチに聞いてみた!
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国内女子ツアー
山下美夢有
●やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。150cm。22年シーズンは、ワールドレディス サロンパスカップで優勝し、国内メジャータイトルを獲得。複数回優勝や、13試合連続トップ10入りも記録した。加賀電子所属。
年間女王は究極の“バランス型”
ゴルファータイプでいうと、彼女は万能なバランス型。ショットもパットもまんべんなくうまく、隙がありません。さらに、体を絞って筋量が増えたことで、ショットにも締まりが出ているようです。今年も大活躍するでしょうね。
川﨑春花
●かわさき・はるか/2003年生まれ、京都府出身。158cm。22年シーズンは、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯でレギュラーツアー初優勝。NOBUTA GROUP マスターズGCレディースで2勝目をあげた。村田製作所所属。
見どころは圧倒的なコントロール力!
ドライバーショットからアプローチまで、女子プロのなかでは頭ひとつ抜けたコントロール力をもっています。しかも、飛距離も出るので、勢いに乗ったら今季の年間女王候補の筆頭になるかもしれません。
吉田優利
●よしだ・ゆうり/2000年生まれ、千葉県出身。158cm。2022年は、KKT杯バンテリンレディスオープン、資生堂 レディスなどでたびたび2位という好成績を残すも、優勝にはあと一歩届かない悔しいシーズンとなった。今季はその悔しさを晴らしたい。エプソン所属。
昨年は勝ちきれない試合が多かったですが、ほんの紙一重だと思います。 何かしらが噛み合ったり、ハマれば2、3 勝はできる実力はもっている。人気・実力・成績がさらに上がって今季を代表するスター選手となる資質は十分です。
稲見萌寧
●いなみ・もね/1999年生まれ、東京都出身。166cm。21年の賞金女王は、22年シーズンも何度も優勝争いに加わり、リシャール・ ミル ヨネックスレディスとニトリレディスで優勝。安定した好成績を残した。Rakuten所属。
復活が待たれるアイアンの女王
21年に9勝という偉業を達成したがゆえに、2勝や3勝では本人自身も満足がいかない状態だと思います。もちろん実力はお墨付き。今季も優勝争いは何度も演じるでしょう。武器はなんといっても圧倒的なアイアンのショット力。ここに注目です!
誰が頭ひとつ抜け出せるか?拮抗するそれぞれの“持ち味”
今の女子プロゴルフ界は、宮里藍選手や横峯さくら選手のような、長年にわたって活躍する圧倒的なスター選手は少なくなってきました。ただし、若手選手が、それぞれ「持ち味」のある、レベルの高いプレーを見せてくれます。ドライバーが飛ぶ選手もいれば、アイアンの正確さが目立つ選手、アプローチ巧者、パッティングがうまい選手など様々です。
レベルの高い彼女たちの優勝争いを見るのも楽しみですが、「持ち味」を発揮したプレーを見ることで、アマチュアゴルファーにとっては上達のヒントを得られることが多いでしょう。そして彼女たちのなかから、長年にわたって女王の座に君臨するような大スター選手が必ず現れるはずです。今年の女子ツアーも目が離せませんね。
国内男子ツアー
蝉川泰果
●せみかわ・たいが/2001年生まれ、兵庫県出身。175cm、77kg。22年シーズンは、パナソニックオープンで史上6人目となるアマチュア優勝。また、日本オープンでは史上2人目となるアマ優勝と、輝かしい成績を残した。同年10月にプロ転向し、今季は国内・海外ツアーを行き来する。 東北福祉大学所属。
スポンジのような吸収力!
昨年出場した米ツアー3試合で、ドライビングディスタンスは3位という成績をあげたのを知っていますか?今年は2月に欧州ツアーにも参戦。今はなんでも吸収する年齢なので、ますますレベルアップするでしょう!
中島啓太
●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177cm、75kg。20年に男子アマチュアの世界ランキングで1位に輝き、年間最優秀アマチュアに贈る「マーク・マコーマックメダル」を2年連続で受賞。22年シーズンの9月からプロ転向し、日本開催の米国ツアー「ZOZO選手権」では日本勢最高の12位に。フリー。
美スイングは必見! ぜひ、お手本に!
鋭いキレや回転力をもちながら、クセのないスイングをする優等生タイプで、参考にしている読者も多いはず。こういう“教科書的”なスイングが、やはり正しい!と思わせてくれる大飛躍を期待したいですね。
岩﨑亜久竜
●いわさき・あぐり/1997年生まれ、静岡県出身。181cm、86kg。22年はツアーフル参加。2位は計3試合と、優勝まであと一歩及ばずの悔しさは残ったが、賞金ランクは3位をマーク。今季は初優勝の期待がかかる。フリー。
驚愕のスイングスピードでプロ初優勝を狙う!
とにかくスイングスピードがケタ違い。しかも、ミスショットが少ないなんて、とんでもないことですよね(笑)。昨季は優勝こそ逃したものの、賞金ランクは3位。優勝を狙える可能性は十分にあります。
河本力
●かわもと・りき/2000年生まれ、愛媛県出身。183cm、86kg。22年は。Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメントとバンテリン東海クラシックで優勝。賞金ランキング6位、ドライビングディスタンスは2位以下に圧倒的な差をつけ。326.41ヤードで堂々の1位。フリー。
ポテンシャルは十分!2年目のジンクス関係なし!?
昨季のドライビングディスタンス1 位を獲得した、ザ・飛ばし屋。ドライバーに関しては、世界のドライビングディスタンスでもトップをとれて、さらにスコアでも勝てる可能性を秘めています。この絶対的な武器で今季も活躍するでしょう。
清水大成
●しみず・たいせい/1999年生まれ、福岡県出身。175cm、74kg。22年は、ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント8位タイ、ミズノオープン6位タイ、Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント3位。ドライビングディスタンスは302.72ヤードで2位。ロビア所属。
大きなスイングのように大きく羽ばたくか!?
テンフィンガーという変則グリップでありながら、ロングヒッター。個人的にもっとも推している選手です。彼のスイングは、ダイナミックな大きいアークが特徴。迫力たっぷりですので、ぜひ生で観てください。
ツアーの見どころ!男子ツアーは“飛ばし屋”が活躍する時代に移行
断言します。今季の男子ツアーは絶対におもしろいです!その理由は、ここ数年で男子プロの飛距離が伸びたからです。かつてのような、技術を駆使するプレースタイルでは上位に入りにくくなりました。これは世の中が変わり、理想的なスイング、知りたいテクニックなどをネットでも簡単に手に入れられるようになったため。私も活用していますが、弾道測定器の普及もそのひとつですね。
力強いスイングと規格外の飛距離はエンターテインメント性も高く、ゴルフ経験がない人でも楽しめる。近年は人気が下火の男子ツアーでしたが、ぜひ男子プロの飛ばしを会場で観てみてください。印象が変わると思います!
いかがでしたか? 注目選手をチェックしてぜひツアーを観戦してみてください。
阿河 徹
●あが・とおる/1976年生まれ。塩見好輝や藤本佳則など男女プロのコーチを務め、試合会場に足を運ぶことも多い、井山ゴルフ練習場(東京)でアマチュアへのレッスンも行っている。
写真=相田克己、ゲーリー小林、小林司、田中宏幸
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