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川﨑春花の“セッティング”は?人気女子プロ12人のギアへのこだわりを解説!

眺めているだけでも楽しいけど……人気女子プロ12人のセッティングからスコアアップ秘けつを探る!

年間女王に輝いた山下美夢有など2022年に活躍した女子プロ12名のセッティングを分析。

そこから見えてきたスコアアップにつながる秘けつを紹介!

【関連記事】西村優菜、上田桃子も愛用!女子ツアーで「PARADYM」が大流行中…!?

山下美夢有のセッティング

ドライバーは8.5度 エースパターは2本!

22年後半からドライバーのロフトを9.5度から8.5度に変更。パターはシーズン5勝のうちオデッセイで3勝、現在(写真)のパターで2勝をあげた

9月に新ドライバーを投入!

新ドライバーZX5 MkIIに替えた初戦(ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン)は、投入してすぐに優勝

パターは地クラブ

パターは地元・大阪の メーカー「リアライズ」のプロトタイプ。シーズン中も細かくミーリングなどを調整

番手構成は3、5Wと4、5UTがスタンダード

モデルはZXからZX MkIIに替わったが、3・5W、4・5UTの組み合わせは21年から同じだ

山下美夢有/やました・みゆう

2001年生まれ、大阪府出身。22年はリコーカップ優勝などシーズン5勝。メルセデスランキング1位で年間女王を獲得。加賀電子所属。

藤田さいきのセッティング

シーズン中に10本もクラブを変更!

シーズン後半にはピンの新ドライバーG430と新アイアンi230を使用。ウエッジもジョーズRAWにするなど10本も変更した

藤田さいき/ふじた・さいき

1985年生まれ、栃木県出身。22年は11年振り の優勝を達成し、プロ入り23年目にして過去最高の獲得賞金額を更新した。チェリーゴルフ所属。

小祝さくらのセッティング

アイアンは二刀流UTは18年モデル

5から7番アイアンまではややソール幅が広いZ585。8番からPWはシャープなZX7を組み合わせたコンボセット。UTは18年モデルを使用

小祝さくら/こいわい・さくら

1998年生まれ、北海道出身。通算8勝をマー クし、18年シーズンから4年連続で賞金ランキングトップ10入り。ニトリ所属。

5、6番アイアンを使う選手が強かった

最新の女子プロのセッティングは、ドライバーの下に3、5番のフェアウェイウッド2本、そしてユーティリティを2本、アイアンは5か6番アイアンからというのが王道になっています。

一時期の女子ツアーは、アイアンの本数を減らしてショートウッドやユーティリティを増やすセッティングが流行しました。しかし、2022年シーズンは5、6番アイアンを使う選手が再び増えている。その要因は、170ヤード以下のセカンドショットは、ユーティリティでグリーンに乗せるだけではなく、アイアンでバーディチャンスにつける精度を出せないとスコアを伸ばせなくなってきたからだと思います。

とくに20歳前半の若い世代の選手ほどアイアンを重視する傾向があり、その上の170から190ヤードの距離はミスヒットに強い4、5UTなど、確実にパーオンできるクラブを選んでいます。

※15本セットの選手は、試合中は14本に変更しています

ロフト40度台のウエッジを使う選手も増えた!

川﨑春花のセッティング

58度だけ異なるソール形状に

ジョーズRAWのウエッジは、48度と52度がスタンダードソールなのに対して、58度だけ三日月型のCグラインドソール

川﨑春花

●かわさき・はるか/2003年生まれ、京都府出 身。21年のプロテストに合格。22年は19歳で国内 メジャー優勝を果たした。村田製作所所属。

上田桃子のセッティング

ウエッジは07年モデルFWも13年モデル

07年に発売されたXフォージドウエッジを使い続けている。FWも古く13年モデルのX HOTプロを長年愛用

上田桃子/うえだ・ももこ

1986年生まれ、熊本県出身。国内ツアー16勝 を誇り、22年シーズンも賞金ランキング10位に入る活躍をみせた。ZOZO所属。

菅沼菜々のセッティング

PWが43度だからウエッジは48度から

セミストロングロフトのゼクシオエックスは、PWのロフトが43度なので、ウエッジは48、52、56度の3 本を入れている

菅沼菜々/すがぬま・なな

2000年生まれ、東京都出身。昨シーズンはプロ5年目で初の賞金ランキングトップ10入りを達成。あいおいニッセイ同和損保所属。

6割以上の選手が単品ウエッジ3本に

日本の女子ツアーのレベルが上がってきたことで、グリーンまわりのコースセッティングがどんどん難しくなっています。それに対応するために変わってきたのがウエッジの本数。かつては52度、58度の2本が定番でしたが、今はツアーに出ている選手のうち、6割以上がPWの下にウエッジを3本入れています。

ウエッジを3本に増やすメリットは、同じ振り幅で打てる距離が3つになること。たとえば、ハーフスイングしたとき。52、54、58度になると70、50、30ヤードの3つになります。フルスイングやもっと小さい振り幅で打ったときも、ロフトを替えるだけで飛距離を変えられるため、アプローチのバリエーションが増えます。アマチュアはウエッジを1本増やしても「使う状況がわからない」という人がいますが、実際にウエッジを増やしてラウンドしてみてください。有効に使える状況が多いことに気づくでしょう。

勝みなみのセッティング

マッスルバックからハーフキャビティへ

21年シーズンの途中まではマッスルバックのZフォージドを使っていたが 、22年はハーフキャビティのZX7に変更

勝みなみ/かつ・みなみ

1998年生まれ、鹿児島県出身。22年シーズンは、日本女子オープンで2連覇を達成。国内ツアー通算8勝。明治安田生命所属。

原英莉花のセッティング

クラブ契約はフリーだが13本はキャロウェイ

クラブ契約を結んでいないが、14本中13本はキャロウェイ。アイアンはPGAツアー選手にも人 気のXフォージド スターを使用。

原英莉花/はら・えりか

1999年生まれ、神奈川県出身。国内ツアーではメジャー2勝を含む計4勝。平均飛距離は21 年が1位で、22年が3位。NIPPON EXPRESSホールディングス所属。

渡邊彩香のセッティング

女子プロでは珍しい4番アイアンの使い手

ユーティリティを1本も使わず、221CBを4番アイアンから入れている。アイアンのシャフトも女子では珍しいモーダスの105

渡邊彩香/わたなべ・あやか

1993年生まれ、静岡県出身。22年は、ほけん の窓口レディースで優勝。国内ツアー通算5勝目をマークした。大東建託所属。

パワーヒッターにはUTがゼロの選手も

最近の女子ツアーは、ドライバーの平均飛距離が250ヤードを超える飛ばし屋も珍しくありません。22年の年間平均飛距離を調べると原英莉花プロが255ヤード、勝みなみプロが253ヤード、渡邊彩香プロが249ヤードでした。

そんなパワーヒッターのセッティングはウッド系が少なめです。原英莉花プロと渡邊彩香プロはユーティリティを1本も入れていません。その理由はヘッドスピードが速い選手は、ユーティリティだと打球が高く上がりすぎて、コントロールしにくくなったり、風の影響を受けやすくなってしまうからです。

アイアンも大型ヘッド系ではなく、男子プロが使うような軟鉄鍛造で小顔のハーフキャビティを使っています。パワーがある選手はアイアンに飛距離性能は必要ありません。それよりも、操作性が高くて、ロフトがあってスピンをかけられるほうがピンを攻めやすい。アマチュアでもドライバーで250ヤード以上飛ばせる人は、こういうセッティングを参考にしてください。

鹿又「ヘッドスピードが速い選手は浅重心のアイアンでも打球が高く上が るので、グリーンに止まる高さを出せます」

金田久美子のセッティング

キンクミはウッド系6本
アイアンは8番から

ユーティリティを3本入れているので、アイアンは8番からPWまでの3本セット!

FWもUTも3本ずつ6UTは28度

フェアウェイウッドは3、5、7番の3本。 ユーティリティは4、5、6番の3本。6UT のロフトは28度

金田久美子/かねだ・くみこ

1989年生まれ、愛知県出身。ジュニア時代から天才少女といわれ、22年は11年ぶりにツアー優勝を飾った。スタンレー電気所属。

西村優菜のセッティング

プロ1年目からFWは4本

20年のプロ1年目から3、5、7、9番とフェアウェイウッドは4本体制。7、9Wは15年モデルのグレートビッグバーサを使用中

西村優菜/にしむら・ゆうな

2000年生まれ、大阪府出身。22年は2勝をマーク。米LPGAのQTに挑戦し、23年は米国ツアーにも参戦。スターツ所属。

堀琴音のセッティング

3本のFWはメーカーもバラバラ

3番ウッドはプロギア、5番ウッドはブリヂストン、7番ウッドはテーラーメイドとバラバラだが、番手ごとに求める性能を重視して選んでいる

堀琴音/ほり・ことね

1996年生まれ、徳島県出身。プロ8年目の21年にツアー初優勝を飾り、22年シーズンも勝利し2勝目をあげた。ダイセル所属。

アマチュアは5Wと7WでOK!

女子プロのセッティングでタイプがわかれるのは、170から190ヤードを打つクラブ。その距離をアイアンで打つか、フェアウェイウッドやユーティリティにするのかでセッティングが変わってきます。アイアン、ユーティリティ、フェアウェイウッドで比較したときにもっとも打球が上がりやすいのはフェアウェイウッドです。山下美夢有プロのように5番アイアンを使う選手がスタンダードになっている一方で、昨年、11年ぶりに優勝した金田久美子プロは7番ウッド、年間ポイントランキング5位となった西村優菜プロは7、9番ウッドを入れて、ショートウッドをうまく活用して好成績を残しました。

アマチュアには7番ウッドがオススメです。3、5番ウッドを入れる人が多いですが、最近は低スピン化されてきているので5、7番ウッドでも十分に飛距離が出せます。ちなみに私も7番ウッドを使っています。

いかがでしたでしょうか? ぜひ参考にしてみてください。

鹿又芳典/かのまた・よしのり

多くのゴルフメ ディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調 整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

解説=鹿又芳典
構成=野中真一

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