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西村優菜、大粒の“涙”「悔しいです」今季の欧米女子ツアーの活躍に注目

23年の欧米女子ツアーは、新たに3人の日本人選手が出場資格をゲット。そのなかでとくに注目したいのは、昨年の最後の最後に涙を見せた西村優菜だ!

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2022年12月、アメリカ・アラバマ州で2週間(8ラウンド)に渡って開催された米LPGAのQシリーズには、日本から勝みなみ、西村優菜、識西諭里が参加。勝は5位となり23年シーズンの前半戦は、メジャーを除くほとんどの試合に出場が見込める。西村は24位で、45位までに与えられるメンバーシップは獲得したものの、目標にしていた20位以内に2打届かず、5月のリシャッフルまでの試合は出場できるかが確定しづらい順位となった。

Qシリーズ最終日の前日まではずっと笑顔を見せていた西村だったが(写真上)、最終日のホールアウト後は一転、大粒の涙を流しての会見が強く印象に残った。

識西は75位と出場権獲得圏外の順位に終わってしまったものの、続けて挑戦した欧州女子ツアー(LET)のQTで17位タイとなり、見事に今季の”仕事場”を獲得した。この3選手のなかで、私が注目するのは西村優菜。Qシリーズの最終日(第8ラウンド)終了後、西村は報道陣の前で冒頭から突如泣き崩れた。

それでも気持ちを振り絞るかのように吐き出した最初の言葉は「悔しいです」だった。全力でぶつかって目標に届かなかった悔しさは、まさに本心だろう。

ティーショットやアイアンショット、アプローチの安定感は、米ツアーでも戦える実力は十分にあった。

その後も止まらない涙を拭いつつ「自分に期待している部分もあったので残念です」「厳しいツアーだと思います」「まだまだだなと思う部分も多かったので、もっと練習しなきゃなと思います」と続けた言葉に芯の強さを感じたが、西村のプレーは決してアメリカで通用しないものではなかった。

最終日、1番ホールで6メートルのロングパットを沈めてバーディを奪い勢いに乗るかと思われたが、その後は何度もバーディチャンスにつけるもパットが入らない。「ミスパットはひとつかふたつだけ」と振り返ったように、ショートしたりロー(低い)サイドに外したりするパットはほとんどなかった。

わずかな差でカップに入らず、ヒザを折る西村,Qシリーズ最終日は「カップに嫌われた1日」となってしまった。

後半に入った10番ホールでも下りの3メートルが入らずヒザを折る。上がり4ホールもセカンドオナーから果敢に攻めてピンに寄せるも、ボールはカップに沈まず惜しい1打が続いた。

西村のプレーは、どことなく一昨年の古江彩佳と重なる。古江は体格や飛距離がほかの選手たちに及ばなくても、ショットの正確性やゴルフの完成度はQシリーズ参戦者のなかでも抜きん出たものがあった。その証拠にルーキーイヤーに優勝するなど実力を示した。西村にもその力は十分に感じられた”パットは水もの”という言葉があるように、たまたま1,2打が入らなかっただけだった。

勝みなみとツアーカードのレプリカを掲げる西村,出場できる試合はかぎられるが、少ないチャンスをぜひ物にしてほしい。

今季は日米ツアーの”二足のわらじ”となりそうだが、渡米・帰国を入れてのスケジュールはムダが多く、早々に米LPGAの出場資格を獲得するのは簡単ではない。しかし、昨年末には「米ツアーを拠点にする」と語っていて、米ツアーに対する熱意は冷めていない。そんな西村には、ぜひアメリカで活躍してほしいと強く願う。

いかがでしたか? 強い意志を持って立ち上がる、西村選手の活躍に注目してください!

フォトグラファー
田辺安啓(通称JJ)

●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。
ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。
ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行っている。

取材・写真=田辺安啓
TEXT&PHOTO Yasuhiro JJ TANABE

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