ゴルフで“打球を見失う理由”とは？「飛球線のイメージを…」とプロコーチが解説

本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチである今野一哉が、今宵も店に訪れた迷えるゴルファーに希望の光を与えます。

今回は、打球を追うことができず、見失ってしまうことに悩んでいるスミさんのお悩み相談です。

打った球がどこに飛んだかわからず、なかなか見つけられない人と、ラフでも林の中でも、すぐに見つけられる人との違いは何？

マスター今野が、その理由と打球を見失わないコツをお教えします。

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今回のテーマ：弾道のイメージがない人は打球を見失いがち！

スミ　打ったあとに「どこ飛んだ？」って、聞く人いるでしょ。 俺、そのタイプ。

今野（マスター）　まぁ、今は打球が見えにくい時季ですから仕方ないときもありますよね。

スミ　俺、年中、見失ってしまうんだけど(笑)。時季も関係あるの？

今野　あります。冬のどんよりとしたグレーの空。晴れていても茶色の景色は、日光が乱反射するので打球が見えにくい。ほかにも時季にかぎらず、逆光や日没間際の暗くなってきた時間は、目がなれないと見えにくくなりますね。

スミ　あとは、目が悪い、もそうでしょ？

今野　いや、知り合いに視力がとても低いのに、どんなロングショットでもボールがどこに飛んだか、探すのが上手な人がいます。

スミ　なんでだろ……。勘がいいのかな？

今野　勘はいいですね。打感や打音でどこにどれだけ飛んだか感知できるそうです。どこに当たったらどっちに曲がる、といった知識や経験もある人です。

スミ　結局、感覚が鋭く、知識や経験が豊富じゃないといけないってことかぁ。

今野　そういうのを感じやすいように、リキまずグリップをソフトに握る工夫もしています。 それに、知識も難しいことではないんですよ。自分のことはよくわかりますよね？ 自分のスイングに対するミスの傾向や飛距離を正しく自覚しておく。

スミ　あっ！ そんなとこまで飛ぶはずがない、遥か先までボ ールを探す俺をディスってる！？

今野　いえいえ。カートで跳ねたとかもありますから。ですが、とくに方向は「事前に飛球線のイメージを描いているか」だと思います。スミさんはふだんどこを狙って打っていますか？

スミ　ドライバーはピンポイントでは狙えないから、フェアウェイの真ん中だね。どっちに曲がってもいいように。実際、どっちにも曲がるから(笑)

今野　とはいえ、左右のどっちに曲がることが多いか。傾向はありますよね。

スミ　フックが多いかな。左サイドのOBが浅かったりすると、 ちょっと右を向いて保険をかけたりする。

今野　センターのやや右を狙って、フックがかかってしまってもいい弾道図を頭で描いているんですよね。そういうときって打球をきちんと追えていませんか？

スミ　いわれてみれば、そうかも。逆球が出ても「狙ったサイドに飛んじゃったよ〜」とかいっているときが多いし。

今野　まさにそれです！ 漠然と真ん中やピン方向を狙うのは、飛んだ方向や距離のズレも漠然としてしまうのです。明確に弾道図を描いておくと、そこからの誤差になるので、どこへどこまでズレたかがわかりやすくなります。

スミ　上手な人は、球から目標まで飛んでいく線もイメージしているっていうけど、それは打った球の行方のわかりやすさにもなるってことか。

今野　はい。 ですから、弾道のイメージはつねに、広くてどこに打ってもいいようなロケーションでもしっかり描いておくことが大切です。

スミ　マスターも未来をきちんと想像しているから、ズレても自分を見失わないんだね。

今野　そうですね。マンスラ、どフックばかりの人生ですが、ロストすることはなかったですね(笑)

“打感も参考に！” 曲がる方向は当たった感触でも察知できる！

フェースのどこに、どんな向きで当たったか。そんなの感じ取れない、という人でも「当たりが“薄かった、濃かった”くらいは感じていますよね」と今野。「打感は芯が一番ソフトに感じますが、ヒールヒットやフェースが開いてスライスが出るときの打感は薄く、固く感じる。トゥヒットやフェースが閉じたときはフックが出ますが、打感は球がフェースに乗ってインパクトが濃くなるのでやわらかめに感じます。ミスヒットと曲がる方向は打感でも察知できるんですよ」(今野)

いかがでしたか？　弾道のイメージをつねに描くことをぜひ意識してみてください。

イラスト=野村タケオ

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