“飛ばせるアドレス”はどっち?「前傾を…」とゴルフコーチが解説

アマチュアは、何をすれば飛距離が伸びるのかを徹底取材。飛ばない原因を、体格や筋力のせいにしている人はとくに必読! 

小柄や細身、非力でも飛ばせるワザを、300ヤードのビッグドライブを放つ樋口貴洸コーチと遠藤将也コーチがレッスン!

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深い前傾キープよりも「真っすぐ気味」でOK!

深めの前傾姿勢
真っすぐ気味の前傾姿勢

僕は、さらに回転力を上げるコツをレッスンします。これは遠藤先輩がいっていた「軸のキープ」にも役立ちます。体を大きく速く回すことは飛距離アップに直結しますが、それには体を真っすぐ立てたほうが容易です。

アマチュアはフィジカル面でもツアープロと比べて柔軟性や筋力が劣るため、前傾角度をキープしながら回る動作は体への負担が大きく、それを気にして振るとヘッドスピードが上がらなくなってしまう。僕自身も体は固いほうなので、前傾を浅めにして飛ばしていますが、弾道測定器で測ってもあきらかに真っすぐ立って打ったほうがヘッドスピードもボール初速も上がります。

深めの前傾は、そのぶん起き上がりやすくもなりますからね。前傾を浅くして振るスイングでの飛距離アップを、ぜひ試してみてください!

前傾しているから軸が前後左右に傾きやすい

「単純に、真っすぐ立って打つと軸が固定しやすくなります」と樋口。大きく振り上げたり、ダウンスイングでクラブに強い遠心力がかかっても、軸が前後左右に傾きにくいので回転力が上がる
軸が左に傾くのは、ダウンスイングでスピードを出そうとしたときによく見られる動き。回転力が落ちてのスピードダウンだけでなく、カット軌道や入射角が鋭角になるため力が伝わりにくくなる

「真っすぐ立つ」と高速で回れる。これは、フィギュアスケートの回転ジャンプもそうですね。頭からツマ先までを一直線にして回りますが、ゴルフスイングでは背骨の前傾を起こして、背骨を中心に回転してください。回りやすさや回転速度が上がりますが「背骨真っすぐ」は、単純に前傾した姿勢よりも軸が前後左右に傾きにくくなる効果があります。

軸が傾いてしまうと回転力が落ちてしまいますが、同時にクラブの軌道や入射角も悪くなる。だから飛ばなくなってしまうのです。

真っすぐ立っても「左肩が上がる」は×「極端なアッパーブロー」も×

軸を右に倒してのアッパーブローもドライバーを飛ばすコツといわれるが、過度なアッパーブローはインパクト時のロフトが増えすぎて飛ばなくなってしまう。弾道はロフトなりの高さで飛ばそう

真っすぐ立って打つときの注意点は「それ以上、起き上がらない」こと。起き上がるとダウンスイングで軸が左に倒れて、体が突っ込んでしまう。左肩が右肩より高い位置にこないように気をつけよう

ピタッと止まれるようではまだまだ回転不足!

勢いよく振り切った反動を使って、体の正面までクラブを振り戻す

回転力を上げたスイングでは、フィニッシュはピタッと止まらなくていいです。「止まれる=コントロールができている」よりも「勢いがつきすぎて止まれない」スイングとフィニッシュの習得が先。

振りちぎったらその反動を利用して、クラブを体の前まで振り戻すフィニッシュをとってください。

フィニッシュの形が崩れても、構えた位置(写真左)から大きく足が動いてしまうのはNG。回転力が上がってもミート率が落ちたり、曲がる危険性が増える。クラブも振り戻しにくくなってしまう。

回転しやい「真っすぐ立って打つ」スイングで、速く回れる自分の限界を突破しよう。ピタッと止まれるうちはまだまだ回転不足!

いかがでしたか? ぜひ実践して、飛距離アップを目指しましょう!

樋口貴洸
●ひぐち・よしひろ/1997年生まれ、埼玉県出身。ツアープロを目指しながら港区の「Golf&Fitness Point 芝浦」でアマチュアを指導。ドライバーを飛ばし、得意のアイアンでバーディを奪うスタイル。遠藤は大学ゴルフ部の先輩。

遠藤将也
●えんどう・まさや/1994年生まれ、長野県出身。東京国際大学のゴルフ部を経て、PGAティーチングプロ資格を取得。板橋区の「リバースゴルフスタジオ」でのレッスンのほか、首都圏の練習場やコースでのラウンドレッスンも行なっている。

写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC

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