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3度目の“PGA年間王者”はマキロイ!現地カメラマン絶賛の「最高のスピーチ」とは?

PGAツアーの2021-22年シーズンが終了。

最終戦はローリー・マキロイが優勝し、年間王者にも輝いたが、マキロイには来季も大きな期待と可能性を感じた!

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激戦のツアー選手権を制したマキロイ、3度目の年間王者へ

2021-22年シーズンの最終戦「ツアー選手権」は激熱の展開だった。順延となり、3日目と最終日が同日に行なわれたが、第3ラウンド終了時点での1位は、今季の「マスターズ」覇者のスコッティ・シェフラーで、2位のローリー・マキロイに6打差をつけていた。シェフラーがそのまま逃げ切るかと思いきや、スコア73と崩れ、66で回ったマキロイが1打差で逆転優勝。同時に3度目の年間王者に輝いた。

シーズンを振り返ると今季もいろいろあった。「マスターズ」を制したシェフラーや全米オープン覇者のフィッツ・パトリックなどのニュースターの登場。昨今、何かと対立が話題になるLIVゴルフとの確執も大きなニュースのひとつだが、そのツアーに第5のメジャーと称される「プレーヤーズ選手権」やセントアンドリュースで開催された「全英オープン」を制したキャメロン・スミスが、シーズン最終戦の終了後にLIVゴルフへの移籍を発表したことにも驚かされた。

そんななかで、タイガー・ウッズとともにPGAツアーへの忠誠を表明し、新ツアー移籍を頑なに拒むマキロイは、PGAツアーを支える強力なリーダーとして存在感を増してきた。そのマキロイが今季の年間王者になったことは、ひとつのドラマとして見てもおもしろかったように思う。マキロイの優勝スピーチも、リーダーのそれにふさわしいものがあった。

表彰式で惜敗したシェフラーへ「年間王者は僕がもらったけど、彼(シェフラー)はグリーンジャケットを着た(※マキロイは4大メジャーでマスターズのタイトルだけ獲得していない)」と今シーズンの活躍を讃えた。

敗者への配慮もできるマキロイは、実力だけでなく人格や器的にもリーダーに相応しい人物に成長した

このスピーチは、やや自虐的な意味合いも含んでいるが、惜敗したシェフラーも傷つけず、表彰式で自らの優勝もよろこぶという意味においては、最高のスピーチだった。ゴルフ界の新リーダーには、マキロイのようなスピーチができる素養も求められるのではないだろうか。

そんなことがあった「ツアー選手権」の会場、ジョージア州アトランタにあるイーストレイクGCは、球聖ボビー・ジョーンズのホームクラブがあった場所だ。ジョーンズが属したアトランタアスレチッククラブは、現在はイーストレイクとは別のゴルフコースとして存在し、昨年は全米女子プロ選手権も開催されたが、元々はイーストレイクGCを本拠地としていて、このコースこそがジョーンズのホームコース。

それゆえに現在もクラブハウス内にはジョーンズの肖像画やゆかりの写真、ゴルフクラブなどが展示されている。また、アトランタ出身のジョーンズは、ダウンタウンの少し東に位置するオークランド墓地に眠っており、誰でも気軽に墓参できる。この墓地にはミュージシャンのケニー・ロジャースや、映画「風と共に去りぬ」の原作者マーガレット・ミッチェルの墓もある。

「ツアー選手権」の水曜に行なわれたジェイ・モナハン(PGAツアー・コミッショナー)の記者会見では、LIVゴルフへのさらなる対抗策の発表と同時に、PGAツアーの歴史と伝統の偉大さ、大切さを語る場面があった。

来シーズン以降も男子ゴルフ界の状況は混沌としそうだが、ゴルフに対する真摯な姿勢は、球聖ボビー・ジョーンズを思い返し、見習ってほしいものだ。

フォトグラファー
田辺安啓(通称JJ)●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。

取材・写真=田辺安啓
TEXT&PHOTO Yasuhiro JJ TANABE

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