始動でクラブから動かすには?トップ男子プロ3名のスイングから学ぶ!

「体ではなく、クラブをうまく動かすことでミート率がアップするんです!」というのは岩本肇プロ。今月は岩本プロに、男子プロの中で、クラブの使い方がうまい3選手、木下稜介プロ・香妻陣一朗プロ・谷原秀人プロをピックアップして解説してもらいました!

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クラブ主体のスイングは始動が大事!

始動からクラブを腰の高さに上げるまでは手元が浮かないように注意!手首を縦に折るイメージをもつとクラブ主体のバックスイングになり、アドレス時の前傾をキープしながら手元が浮いてしまうのを防げる

まず注目してほしいのは、アドレスからの手元の動きです。始動から腰の高さまでクラブが上がるゾーンでは、手元がほぼ浮かずクラブが大きく動いています。

アマチュアは両腕と手元でできた腕の中の三角形を崩さない意識をもっている人が多いですが、この意識を強く長くもちすぎると腕が動きすぎてしまう。バックスイングで動きすぎた腕は、ダウンスイングで戻すときに体も一緒に動きやすくなるため大きなブレが生じます。

また、体が動くと重心も動きますが、重心が右に移動しすぎると腰が横にスライドしたり、左腕が胸にピタッとついた、つぶれたトップになりやすく、これもNGです。

両選手ともトップでの腰の位置は、アドレスとほぼ変わらない。クラブではなく、自分主体で動いてしまうとトップで左腕が胸にくっついてしまうので、手元を動かして腕と胸に適度な間隔があるトップを作ろう

クラブを動かすためには始動で手首を縦に折るイメージをもち、左肩を少し下げながら前傾をキープする。すると、アマチュアに多い体が起き上がって手元も上がる動きが防げます。手首を縦にうまく折れない人は、右手と左手を離してクラブを持ってスイングしてみましょう。左手は軽く握ってあまり動かさずに、右手を動かすようにすると手首を縦に折る感覚がつかみやすいですよ。

手首だけでなく体も「横」に動かすのはNG!

手首を縦に折ってトップを作ると、手首を横に折りながらクラブを振るスイングでは得られない「腕とクラブの一体感」がダウンスイングに生まれる

クラブ主体で振るための「バックスイングで手首を縦に折る」でトップの形がよくなると、ダウンスイング以降、腕とクラブに一体感が出てきます。この一体感は、クラブや腕、または胸だけが先行したり遅れたりするのを防ぎます。

クラブ主体のスイングは体をあまり動かさない、といいましたが、これはダウンスイングでも同じです。もっともポイントとなるのは胸の向きで、トップでは捻転によって胸が右を向きますよね。この胸の向きをキープしたまま一体化した腕とクラブを振るとヘッドを走らせることができる。すると、体を大きく動かさなくてもパワーやスピードが上がります。

腰はあまり切らずに左肩よりも右肩を下げて振り切る。下半身は積極的に動かないので、インパクトからフォローにかけての「右足のめくれ」が少ない

ダウンスイングからインパクトにかけての下半身の使い方は、腰を横にスライドしたり、強く回転する意識はもたなくて大丈夫です。クラブ主体のスイングは、体が横に動いてしまうのもNG。アドレスした位置から左右にズレないように回転。インパクトでは左サイドに壁を作るようにしてください。

いかがでしたか? 男子プロ3選手のスイングを参考に練習してみましょう。

木下稜介

●きのした・りょうすけ/1991年生まれ、奈良県出身。174cm、75kg。昨年は日本ゴルフツアー選手権森ビルカップとダンロップ・スリクソン福島オープンで優勝。20-21年シーズンの国内賞金ランキングは3位に入った。ハートランド所属。

香妻陣一朗

●こうづま・じんいちろう/1994年生まれ、鹿児島県出身。165cm、71kg。昨年は2位が3回と悔しい思いをしたが、今年は開幕戦の東建ホームメイトカップで優勝。ツアー2勝目をあげる。国際スポーツ振興協会所属。

谷原秀人

●たにはら・ひでと/1978年生まれ、広島県出身。178cm、80kg。ツアー通算16勝。昨年は三井住友VISA太平洋マスターズで5年ぶりの優勝を果たし、最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップも制した。ツアー通算16勝。国際スポーツ振興協会所属。

解説=岩本肇
●いわもと・はじめ/1974年生まれ、東京都出身。PGA公認ティーチングプロA級の資格を取得し、現在は東京都多摩市を拠点に幅広い年代層のゴルファーをレッスン。

写真=ゲーリー小林

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