24歳&“初シード”の男子プロが武井壮とプレー!「下半身の素晴らしい動きに注目」

百獣の王こと武井壮が、ツアープロを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。

今月のゲストは、今季初優勝の期待大の大岩龍一。「今日は対決以上に間近で見られるのがワクワクする」と、この日を楽しみにしていたそうだ。

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下半身の動きが憧れるほど理想的!

武井 昨年はキャリアハイの好成績でしたね。

大岩 はい。はじめてレギュラーツアーに1年間参戦して、23歳の年だったんですが賞金ランキングも23位でした(笑)

武井 おお! 国内トップツアーは、どんな感じでした?

大岩 ずっと同じコーチに教わりながらツアーで活躍できるスイング作りや技術などを磨いてきましたが、その準備がうまくいったという感じです。

武井 スイングはパワーヒッターのトレンドで、僕が理想とするスイングにも近い。事前に動画でスイングをチェックしていましたが「こんなふうに振りたいんだよなぁ」と、うらやましい気持ちで観ていました。

大岩 ありがとうございます!

武井 なので、一緒にプレーするのがすごく楽しみでした。生で見ても思ったとおり。その若さで、もうだいぶ完成に近づいてきているのでは?

大岩 近づいてきてはいますが、まだまだです。じつは昨シーズンは、持ち球のドローボールしか打たなかったんですよ。曲がり幅は2種類くらいありますが、ドロー一辺倒で。

武井 トッププロは豊富なショットバリエーションをもっているのに、大岩プロは2種類のドローだけであの成績⁉

大岩 なので、思ったよりもできすぎの成績でした(笑)。ある特定のパターンになったら狙えない、攻められないという状況が多々ありましたね。でも、昨年は「1年間はこの動きでこの球だけを打つ。ほかは今はできなくてもいいや」と思ってやっていたので、それでよかったんです。

武井 ほぼ、ひとつの武器だけで戦っていたんですね。

大岩 はい。今年はちょっとずつできる動きを増やして、いろんな球筋を打てるようになるのをオフに取り組んできました。曲げる方向だけでなく、スピン量のコントロールも。

大岩のスイングは、下半身がとくに武井がマネたいと思っているベストな動きをしているそうで「大岩プロは後方から見るべき! 上達の宝庫ですよ」と、ずっと真後ろから観察。早速自分のスイングに取り入れてみると、どんどんショットがよくなっていった。最終ホールでは動画も撮影して教材にしているそうだ

武井 今季は武器を2つ、3つ増やして戦っていくんだから、まだまだ伸びしろがありますね。さて、ハーフの対決は案の定、勝てるはずもなく終わりましたが、僕のスイングや球筋は尻上がりにレベルアップしていった! 見てマネたのと大岩プロのアドバイスのおかげです。

大岩 正直にいうと、アドバイスしても心の中では「そんなすぐにできるわけないでしょ」と思っていたんですが……。ホント、普通はあんなにもすぐにできませんよ(笑)。いったことを理解できる人とできない人がいて、その差が大きいんですが、武井さんは理解が早くて終盤によくなったスイングや弾道を見てびっくりしました。

武井 練習場の時点で、大岩プロのスイングは真後ろからが一番参考になると思って、コースでもじっくり観察していました。見たいアングルは選手によって違うんですよ。正面や斜めから見たい選手もいますが、大岩プロは絶対、真後ろから!

大岩 何を見ていたんですか?

武井 腕の使い方やクラブの動かし方もですが、一番は下半身ですね。どこがどういう順番でどのくらい動いているのか、とか。大岩プロはコンパクトなトップが特徴的ですが、お尻や足の使い方、とくに右のお尻がスッと引けてその動きに左サイドがついてきて突っ込まない、僕の理想とする動きをしています。

大岩 見てマネた成果は、確実に出ていましたね。

「小さいのでできれば大きいのでもできる」をずっとやり続けてできたのが今のスイングです――大岩

①大岩のフルショット時のフルトップ。ウエッジからドライバーまで変わらずこの大きさ
②小さいスイングできちんとできるようになってから大きくしたり、番手を上げることをやり続けて今のスイングになったことをレクチャーする大岩

武井 アイアンもよくなったし、アプローチもフェースに球が乗るようになった。今後、こんな練習をしたほうがいいよ、というのがありますか?

大岩 僕もずっとやってきたんですが、小さい動きと小さい番手から覚えて、徐々に大きく長い番手にしていったほうがいいですね。プレー中に「ドライバーになるとフェースの向きがわからなくなる。短い番手だとわかるんだけど」とおっしゃっていましたが、まさにそれが答えで、小さい番手、動きからちょっとずつ大きくしていくのが絶対にいいです。

武井 長いクラブがコントロールできないのは、長いクラブを練習していないせいだと思っていました。

大岩 何番を持ってもやることは同じなので、「小さいのでできれば、大きいのでもできる」です。下半身の動きも小さいスイングのなかで大きく使う。30ヤードを打つときと100ヤードを打つときの足の運動量を同じにする感じです。

武井 なるほど! 210ヤードのパー3はティーアップするまで、アドバイスどおりのことをウエッジでの素振りでやってみて、「このフィーリングだ」と思って5番アイアンを打ってみました。

大岩 あのティーショットはいい球でしたね。「このホール、産まれてはじめて乗った」っていってましたけど(笑)

武井 先月のこのコーナーで「長いパー3がイップス気味」だといっていたくらいで、乗ったのもパーを獲ったのもはじめてでした。

大岩 次の170ヤードのパー3もパーだったし、武井さんってパー3がすごく上手な人なんだ、と思ったくらいです(笑)

③④武井は小さい動きでも理想的に動く下半身と、その下半身に連動して動く上半身やクラブについてを質問攻め
⑤この写真は、入れごろ外しごろのパットを何度も沈める武井に「どうやって打っているんですか?」と大岩が質問

武井 長いパー3は本当に苦手だったんですが、「小さい動きから、ってこういうことか!」とわかったおかげです。それにしても大岩プロは、フェースも球も横にねじれることがほぼない。トッププロでもハーフを回れば、1度くらい曲がることがあるんですけどね。試合に強い、球に直進性があるスイングですよね。今季の目標は?

大岩 昨シーズンは優勝できなかったので、まず初優勝をあげたいですが、シーズン2勝を目指して頑張ります。

武井 その手ごたえは?

大岩 まったく可能性がないこともないかなという、微妙なライン(笑)。でも低すぎず高すぎず、できるかできないかの、このくらいがいいかなと。

武井 達成できて不思議はないです。今季は有観客試合に戻って大岩プロを生で観ることができるはず。ギャラリーのみなさんも真後ろから見たほうがいいですね。コンパクトなトップや打ち出した方向に強く真っすぐ飛ぶ弾道に目がいくでしょうが、下半身の素晴らしい動きに注目してください。僕もまた一緒にラウンドや練習をして、見せてほしいです!

大岩 もちろんよろこんで!

大岩龍一

●おおいわ・りゅういち/1997年生まれ、千葉県出身。182cm、92kg。スイングの力強さとキレに定評がある若手選手。昨年は東建ホームメイトカップ4位を皮切りに快進撃を続け、ダンロップ・スリクソン福島オープンまでの出場5試合すべてで8位以内に入る。9月のパナソニックオープンでは単独3位に入り、賞金ランキング23位で初シードを獲得。フリー。

武井 壮

●たけい・そう/環境省サスティナビリティ広報大使、日本フェンシング協会会長など、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。新プロジェクト「# スポーツを止めるな # 音楽を止めるな」をスタート。YouTubeでは「武井壮百獣の王国」を配信中。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●twitterアカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

写真=相田克己
協力=取手国際ゴルフ俱楽部

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