【ゴルフ】「調子」と「トルク」って分かる…!? 今更聞けないシャフトを選ぶコツ
シャフトのスペックを自分に合わせて弾道をさらに理想に近づけよう。そのキーポイントになるのは「調子」と「トルク」。
人気・話題の2モデルを例に、弾道がレベルアップするスペック選びを指南!
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「飛んで曲がらない」テイストの違いをチェック!
近ごろのシャフトは『飛んで曲がらない』飛距離と方向性を両立したモデルが各メーカーから開発されています。僕が愛用しているフジクラの「スピーダーNX」もこのタイプで、発売されたばかりの「ベンタスTRブルー」も同じタイプ。ひと昔前は、「飛ぶ」か「曲がらない」のどちらかに寄る傾向があったのに、両立できるなんてシャフトの進化もすごいですね。
そんな『飛んで曲がらない』タイプにも、モデルによって違いがあります。その違いを知るのに、一般のゴルファーでもわかりやすいのはスペックで、「調子(キックポイント)」と「トルク」に注目してください。
スペックデータはメーカーによって基準が違うので、同メーカー内で比較してみましょう。フジクラで、僕が『飛んで曲がらない』カテゴリーに位置すると思うのはこの2モデルで、調子はどちらも中から手元側。調子が手元側にくるほど方向性がよくなる傾向が強まりますが、それでも飛距離性能を損なわないのは素材や製法の進化の賜物ですね。
次にトルク数値が低いものは、さらに方向性アップに寄っていく傾向があります。両モデルの調子とトルクを比較するとこれだけの差があり(上の表参照)、同じ飛距離と方向性を両立しているタイプでも「スピーダーNX」は飛距離、「ベンタスTRブルー」は方向性を上げる味付けがされている。それぞれのテイストはスイングタイプに合わせて、もっと飛ぶ弾道に補正する効果があるんですよ。
SPEEDER NX
多くの国内女子ツアー選手やアマチュアから好評を博した「SPEEDER EVOLUTION」シリーズが、8年振りにブランドチェンジ。先端と手元のトルクを締め、フェースターンや、アッパーブローでインパクトしやすい挙動を実現。中調子のタイミングの取りやすさ、安定性を維持しながら、しっかりと球がつかまり、高初速・高弾道が打てるモデルに仕上がっている。
こんな人にオススメ
・球を高く上げたい
・もう少し飛ばしたい
・ドローボールが打ちたい
「ワンピース」「オートマチック」なタイプにマッチ!
体とクラブを一緒に動かすスイングタイプは、方向性は上がるが、手首などの関節を上手に使ってのスピードアップやボールをつかまえる動きが少ないのが短所。この短所はシャフトが動いてくれる「中調子」「トルク多め」で補おう。スイングを変えなくても、加速やフェースターン、高い打ち出し角をシャフトが作ってくれる。
VENTUS TR BLUE
ベンタスは米PGAツアーから火が付き、国内男子ツアーでも大人気。同シリーズのブルーとブラックは先端部の剛性が高く、ブラックは剛性が高い部分が手元まで伸びていて、ブルーは中間と手元の剛性が低い。TRブルーはちょうどその中間。中間部のねじれと曲げの剛性を高めて、オフセンターヒット時のヘッドのよじれを抑制。シャフト先端の高い曲げ剛性がボール初速を大きく上げてくれる。
こんな人にオススメ
・スピン量を減らしたい
・もっと曲がりを抑えたい
・フェースボールが打ちたい
「腕が振れる」「手首が使える」タイプにマッチ!
ダウンスイングでタメができたり、リストワークを使って打てる。ヘッドスピードが速めの人は「元調子」「トルク少なめ」のシャフトとの相性がいい。シャフトのしなりやねじれが少ないので、体を積極的に動かしても、シャフトが動きすぎないのが利点。体を動かして振れる長所を損なわずに、飛距離や方向性を上げられる。
いかがでしたか? シャフトを選ぶ際に、柳橋コーチのレッスンを参考にしてみてくださいね。
レッスン=柳橋章徳
●やぎはし・あきのり/1985年生まれ、茨城県出身。プロやアマチュアを指導するとともに、YouTubeで「Ready Golf TV-レディゴル」を配信。ゴルフ専門のオンラインサロンの運営も行う新世代コーチ。
写真=中野義昌
協力=取手国際ゴルフ倶楽部