今年のマスターズは“コース改造”でどう変わる…!? 裏話をゴルフ解説者が語る
マスターズまであと2日! 屋根裏のプロゴルファーこと、タケ小山氏に“今年のマスターズ”について語っていただきました。2022年からのルール改正が、影響を及ぼしているそうで…。
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距離を伸ばせないゴルフコースはどうなる?
ハローエブリバディ! 松山英樹選手がマスターズで勝ってから、そろそろ1年が経つ。今年のマスターズは、予定ではギャラリーを入れて試合を行うらしいが、昨年とは少し違うマスターズを観れるかもしれない。
私が入手した情報によると、まだ正式な発表はないが、コースの改造が行われたような形跡があるのだ。昨年のトーナメントが終わったあと、オーガスタ・ナショナルゴルフクラブがコースを改造している上空写真が撮られている。オーガスタはノーコメントだが、その写真を見ると11番の右の松林とグリーン手前をいじったり、17番のグリーン右を改造して15番のティーを下げたり、17番のグリーン周りのアンジュレーションを変えているのではないかと推測できる。
では、なぜコースを改造するのか。2022年からのルール改正で、プロのトーナメントでは46インチ以上のクラブを使用できなくなった。飛ばしすぎないための規制であるが、これまでにもボールやクラブヘッド、シャフト、反発係数など、さまざまな規制がかかってきた。
なぜこんなに規制がかけられるのかというと、コースの全長を伸ばすことが難しいからだ。だから道具に規制をかける。それでも素材にも規制をかけないかぎり、飛距離は伸び続けるだろう。
マスターズは当初全長6700ヤードくらいだったが、今、その距離で試合を行ったらとんでもないスコアが出てしまう。普通、試合会場は毎回変わるが、同一会場で開かれるメジャー大会のマスターズは、今の時代にあったコースづくりを強いられているのだ。ここ10年くらいを見ても、11番や5番が長くなって大きく変わった。
しかし今後、伸ばせないところまでいくと、オーガスタは長さは変えずにコースを難しくするか、または道具を規制するしかなくなってしまう。マスターズだけ飛ばないボールを使うというルールができるかもしれない。マスターズは最先端を歩んでいかないといけない大会。だが、コースは伸ばしようがないところまできている。これからどのように対応していくか注目である。
解説=タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。
イラスト=北沢夕芸