
従来のシステムを一新する大会が誕生!今注目の「前澤杯 MAEZAWA CUP」その内容は?
25年の国内男子ツアーに新設された「前澤杯 MAEZAWA CUP」は、あらゆることで最注目の大会。
国内最高の賞金額だけでなく“プロスポーツビジネス”としての真の形を映し出すトーナメントが、国内最大級で開催される。
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「前澤杯 MAEZAWA CUP」開催
真のプロゴルフビジネスとなるエポックメイキングの試合の誕生!

ハローエブリバディ!2024年、日本のスポーツは大いに盛り上がった。パリ五輪の陸上女子やり投げでの北口榛花選手の金メダル獲得は、オリンピック女子のフィールド種目で日本選手がはじめてメダルを獲得する快挙。プロゴルフでは笹生優花選手の全米女子オープン2勝目、古江彩佳選手のエビアンと、日本人選手がメジャー2勝とはお見事!
さらに〝Bリーグ〞(国内プロバスケットリーグ)の23、24年シーズンでは451万5851人の過去最多入場者数を記録し、前年度から約40%増の観客を動員。プロリーグとして手応えのあるシーズンとなったのではないだろうか。なぜ観客を動員できているのか?そこには〝箱〞といわれる試合会場の存在が大きく影響している。
最上位リーグのBプレミアへの参入には、5千人以上収容でVIP席などを備えたアリーナを確保し、平均入場者数と売上高の基準をクリアすることが必要されているほど、売り上げに直結する入場者数に重点を置いているのだ。
そんななか、ゴルフ界にもグッドニュースが飛び込んできた。25年度の男子ツアーに、ファッション通販大手ZOZOの創業者であり、実業家の前澤友作さんの名前がタイトルについた「前澤杯MAEZAWA CUP」が開催決定。賞金総額は国内男女最高額となる最大4億円と設定され、プロアマ参加権を一般販売、入場者数に応じ、その収益がもとになる国内最大級のトーナメントが開催される。
プロアマ参加権は、ほかのプロスポーツでいえばVIP席やプレミアムシート、入場者収入はプロスポーツのビジネスでいえば生命線。もっとも重要な収入源であるはずで、前澤さんの試合が特別なのではなく、日本のプロゴルフが現在まで1社の冠スポンサーに賞金から試合会場、設営、運営費まで負担させ、そこにテレビ中継の製作費まで負担させる方式はテレビコンテンツのための試合構築方法で、まさにガラパゴス、旧態依然だった。
そして最重要の〝箱〞であるゴルフ場。試合会場になるコースは前澤さんが所有するプライベートコース、MZ GOLF CLUB(千葉県)なのだ。米ツアーのZOZO選手権を開催し、箱の重要性=入場者数=入場料収入を知り、数年前に旧デイスターゴルフクラブを購入し、改造を続けてきたのは周知の事実。ただ、その箱のお披露目が米ツアーではなく、日本男子ツアーになったことは大いに喜ぶべき。
日本のなんちゃってプロゴルフビジネスから、真のプロゴルフビジネスへの転換は、巨大なエポックメイキングであることは間違いない。1社の冠スポンサードから、プロアマ参加者や入場者からの収益が賞金へ還付される至極真っ当なプロスポーツビジネスになる試合の誕生は、大きく飛躍した24年の最後を締め括る最高のニュースであった。「あっぱれ!前澤杯」と賛辞を送りたい。
いかがでしたか? 日本のプロゴルフビジネスの転換期を見逃さないようにしましょう。
タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。
イラスト=北沢夕芸
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