不調の時に即修正できる方法!人気コーチ3人が解説

練習もラウンドも”なんとなく打つ”では、うまくならない、成功しない!

とくに苦手なショットは「あれをやってみよう、試してみよう」とテーマをもって挑むのが克服の近道!

その”テーマ”と“閃き”を与えるワンポイントレッスンを毎号お届け。

次の練習やラウンドで早速、実践してみよう!

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近くに立つのはNG!手元と体の距離はこぶし2個ぶんは離す

クラブのなかでももっとも長いのがドライバー。当然、ボールと体の距離ももっとも離れる形になるが、ボールに近づいて立つ人が多く、その結果、調子が悪くなることも。

ドライバーショットが不調の人は、手元と体の距離を離してみよう。

両手の位置は肩の真下ではない!

ドライバーショットの正しいアドレスは、両手は肩の真下にこない(○)。肩の真下に両手がくる構え(x)は前傾角度が深くなりすぎ。両手も体に近すぎるので、スムーズにクラブを振ることができず、飛距離が伸びない

クラブヘッドをボールに当てる気持ちが強いと、どうしてもボールに近づいて立とうとします。ボールの近くに立つと、スイング軌道がタテ振りとなり、ロフトが立った状態でインパクトを迎えます。これだとボールが上がらず、キャリーが伸びません。

ボールを飛ばしたいなら、ボールから少し離れて立ちましょう。グリップエンドと体の間に、最低でもこぶし2個ぶんは入るぐらいのスペースを作ります。スイング軌道が飛球線後方から見て、45度ぐらいになるので、ボールが高く上がって飛距離をかせげます。

手元を離して45度の軌道で振る

ドライバーショットでは、最低でも手元と体の距離をこぶし2個ぶんは空ける。また、ボールから離れて立つとスイング軌道が45度ぐらいになり、キャリーが伸びる弾道で飛距離をかせげる

ミート率アップには「ストロンググリップ」スライスの悩みも解消!

イメージどおりの飛距離が出ない、弱々しいスライスが出るといった悩みをもつ人は、インパクトでフェースが開いているかも!?きっちりとフェースをスクエアに戻したいなら、ストロンググリップに変えてみよう。インパクト効率がよくなるので、ミート率もアップするぞ。

ストロンググリップの握り方

両手で握ったグリップを裏側から見たとき、左手人差し指の第2関節と右手中指、薬指の第2関節がほぼ一直線になっていると、両手が一体化したグリップになる

左手はナックルが2、3個見えるぐらいに握る。グローブのマークが斜め上を向く感じで、親指はクラブの真ん中よりも少し右に置く。右手は手のひらが左手の手のひらと同じ面を向くように握る

インパクトゾーンで左腕を小指側に回す動きを入れると、ヘッドは自然に返るため、フェースを開いたままインパクトを迎えることはありません。ウィークグリップやスクエアグリップだとフェースが開いてしまう動きは大きくなりますが、ストロンググリップだと小さくなる。そのぶん、ボールがつかまるので飛距離が伸びます。

ミート率が低い、弱々しいスライスが出るという人は、ストロンググリップでクラブを握りましょう。

左腕を外側に回す

インパクトゾーンで左腕を小指側に回す動きを入れると、フェースが自然と返るのでミート率が上がる

クラブは長めにもつ

グリップは長め、左手の小指球にグリップエンドが当たるように握ったほう(右)が左手に力が入り、飛距離アップにつながる。グリッププレッシャーは上達するまではゆるめにしておくと(左)、ヘッドが走るので飛距離を伸ばせる

振り幅だけの距離の打ち分けは危険 フットワークをプラス!

30、40、50ヤードのアプローチを打ち分ける際、振り幅に頼るのは危険。とくに手だけでクラブを振っている人は、状況によって同じ振り幅でも飛距離が変わるので気をつけよう。

練習では、振り幅プラス「足の動き」を使うのがオススメだ。

感性を育てる練習を”感育”と私は呼んでいますが、アプローチの距離を打ち分ける際に、足の動きを使うのがまさにそれです。バックスイングでは左足カカトを上げ、ダウンスイング以降では右足カカトを上げる。距離が長くなるほど、この動きは大きくなります。

練習のときだけでもいいので、ぜひ試してみましょう。

カカトを上げてフットワーク

50ヤードでの足の動き
40ヤードでの足の動き
30ヤードでの足の動き

頭の高さは変えない

50ヤード
40ヤード
30ヤード

背骨を中心に体を回すが、どの距離でもフォローまで頭の高さを変えないのが正解。スイング中、左右に動かすのもできるだけ避けよう

距離感が肝!ボールの転がる速度を把握する

スタート前のパッティング練習では、自分の距離感と実際にボールが転がる距離との誤差を把握しよう。ポイントはボールが転がるスピードで、そのスピードに応じてパターを振るスピードが決まる。

パッティングを行なう際、1パットで狙っていいのは2.5メートル以下の距離。それ以上長いときは、半径1メートルの円内にボールを入れましょう。

基本的に、カップの両サイドに大きく外すことはないと思います。ところが、カップの前後に大きく外すことは珍しくありません。まずは、距離感をしっかり身につけること。そのためには、ポールがどれぐらいのスピードで転がればいいかを見極めましょう。

1パット目は1メートル以内を目指す

50センチの距離ならカップインの確率は高いが、1メートルの距離ならカップインの確率は5割、1.5メートルになると外す確率のほうが高くなる。まずは1メートル以内に寄せることを目指そう

ボールを手で転がしてスピードを見る

たとえば10メートル先にある目標に対していきなりパターでストロークするよりも、手でボールを転がしたほうが、ボールが転がるスピードのイメージをつかみやすい。あとは、そのスピードでボールを転がすには、どれぐらいの速度でパターを動かせばいいのかを考えて打つ。ボールを転がすときは、できるだけ低い位置から転がそう

手で転がしたときと同じスピードで

実際にストロークするときは、手で転がしたときと同じスピードでボールを打ち出せるようにヘッドを動かす。距離が長ければ速く、短ければゆっくりと動かす意識をもつ

いかがでしたか? 苦手なショットは何回も練習しましょう。

レッスン=大庭啓
●おおば・あきら/1969年生まれ。芹澤信雄が主宰する“チームセリザワ”の一員。00年プロテスト合格。2010年から藤田寛之のスイングサポートコーチを務め、賞金王のタイトル獲得に貢献。海外メジャーにも同行、サポート。アマチュアへのレッスンも精力的に行なっている。

レッスン=阿河徹
●あが・とおる/1976年生まれ。米国にてゴルフスイング理論、ゴルフ経営学を学ぶ。UFGTF資格取得。帰国後、内藤雄士ゴルマスクールにてレッスン活動を行なう。2012年独立後、男女ツアープロのコーチとしツアーに帯同。50人以上のプロゴルファー、3万人以上のアマチュアゴルファーを指導している。

レッスン=大西翔太
●おおにし・しょうた/1992年生まれ。15年から青木瀬令奈のコーチを務め、トーナメントではキャディバッグも担ぐプロコーチ。18年にPGAティーチングプロA級資格取得。わかりやすいゴルフ理論に定評があり、ゴルフメディアにも多数出演している。メンタルトレーナー、整体師の資格ももつ。

構成=山西英希、編集部
協力=井山ゴルフ練習場、船橋カントリークラブ、富士平原ゴルフクラブ

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