
意のままに球を打てるゴルフって!? 技術と意識の関係を徹底解説!
ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。
その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。
斬新な視点と理論が、レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす!
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いつの間にかステージアップしている自分に気づく
今月は、スポーツ(球技)での技術習得の話をしてみたいと思います。最近、私は3番アイアンも3番ウッドも、7番アイアンとさほど変わらない感じで打てるようになって、なぜ昔はあんなに苦手にしていたのかと思い、自分のなかでゴルフに対する考え方、接し方が以前と大きく変化してきているのを感じます。
これは、かつてテニスで経験した成長感と同じもので、ここまでくるとあとは練習次第でどんどん上達するようになります。飛行機でいえば上昇段階を終えて巡航高度に達し、巡航速度で航行している状態のようです。
球技での習得には、大きく分けると①ボールを何とかコントロールしようと腐心するステージ、②思ったところにボールをコントロールできて戦略を考えられるステージ、③高い精度で攻められる究極のステージの3つのステージがあります。ゴルフでいえばこれは100切りができないレベルと80台のレベル、60、70台のレベルにたとえることができるかも知れません。
野球のバッターで同じプロでも2割台前半の打率の打者が見ている世界と、3割打者が見ている世界は違うといわれますが、この違いはもちろんバッティング技術の差であるわけですが、これを詳細に見てみるとじつは技術の部分と心(バッティングの理解)の問題であることがわかってきます。
自己増殖のステージに入ることが最初の目標

人間というのは何かを習得するに当たって、一足飛びに頂点まで達することはできません。私たちの歴史というのは個人・家族から地域集団、都市国家、民族、国家のようにより大きな集団へ帰属していることを認識する意識進化の歴史でもありましたが、スポーツの習得・理解というのもこれと似たようなところがあって、ビギナーのころからの小さな「気づき」の積み上げによって、より大きな気づきが生まれ、また、その気づきがさらに大きな気づきを生んで、それまで小さな領域だけの理解だったものがより包括的な理解になっていく過程を経て向上していきます。
このとき技術の習得が意識を変え、意識の変化が技術を洗練させるという、相互に関係し合いながら二重螺旋のような相互補完の関係性で向上していくような感覚を私はもっています。
23年6月号では、テニスでは強く打てば打つほど順ドライブがかかってベースラインの内側に入るようになるという話をしました。コートのセンター部に1ヤードの高さのネットがあるテニスでは、腰の高さから打ったとするとフラット系のボールは、自由落下に任せたのでは一定の球速以下でないとベースラインの内側には入りません。
ビギナーはトップスピンをうまくかけられませんから、ベースラインを越えないように軽く打つことになります。そこで強いボールで打ち合うために重要な技術がボールにトップスピンをかけてドロップさせて落とすことなのですが、そのためには真うしろから強く叩きながらもフェースを上方にスライドし、ボールに強いトップスピンをかける。
ここでは、スイング速度が速いほど強いトップスピンがかかってボールが落ちるため、繊細な力加減をする必要がありません。これによって速い返球が可能になるのですが、出力を上げるほど入るというこの考え方は勇気がいりますが、物理を基礎とした正しい解釈がうしろ盾となって後押ししてくれます。これは、ピッチャーが「調子の悪いときほどしっかり腕を振る」というのと同じ構図です。
こういった理論に裏打ちされた安全装置を手に入れることでプレーの意識・質は大きく変わります。いつしかボールという他者に何かを仕掛けるという構図から、自分の手の内にあるボールを好きに料理するという感覚になる。こうなると怖さは消えて、どう遊んでやろうかとなるのです。
何度もいっているように私がゴルフでも目指しているのは、テニスでの投げるように打つ無為自然な感覚のスイングです。そして、打つこと、狙うことが当り前(日常)になると、余裕が出てきてゲーム戦略、道具の追及、また、今後必要となる今もっていない技術等も次々見えてくるようになります。
スポーツの習得、レベルアップというのはこのようなステージに乗ることが極めて重要で、イラストのように一旦、上のステージに登ってしまえばあとはどんどん技術の境界が広がりスキルと意識が自己増殖していくのを感じると思います。ここにスポーツ(ゴルフ)における第二のスタート地点があるのです。
こうなれば、しめたものです。ただ、テニスも同様ですが、いかに高い技術を習得しようがそれだけではダメ。技術をいかんなく発揮するためには絶妙なコントロールが求められ、揮発性のある球際でこの繊細な感覚をもう片輪として臨戦レベルでつねに維持しておかなければならないからです。次号では、この話をします。
いかがでしたか? 正しい理論・理解と経験を積み重ねて、ゴルフのレベルアップを実現しましょう!

文・イラスト=サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。
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