
女子プロ、“美ドレス姿”で勢揃い!竹田麗央、政田夢乃が登場【JLPGAアワード】
「JLPGAアワード2024」の表彰式の模様とともに、昨シーズンの女子ツアーを振り返る。
2024年12月、例年どおり「JLPGAアワード」が開催された。ツアーを彩った選手たちの登壇とともに名前と優勝した大会名が読みあげられ、そのたびに熱い戦いの数々が脳裏に蘇る。その24年シーズンを開幕から振り返ってみた。
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岩井千怜の優勝で開幕

2024年は国内で3勝ずつをあげて、今季は姉妹で米ツアーに挑む。
思いきりのよい「魅せるゴルフ」を期待したい。
山下美夢有、3年連続年間女王へ。その行く手を阻むのは誰か。そんな展望で幕を開けた24年シーズン。
開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は、前年の勢いそのままに岩井千怜が勝利。翌週の「明治安田レディス」、そして「Vポイント×ENEOS 」と連勝したのは鈴木愛。19年賞金女王の完全復活だ。
黄金時代の「躍進」竹田麗央の「覚醒」

JLPGAチームが大会2年連続優勝を達成。
左から竹田麗央、古江彩佳、桑木志帆、小祝さくら、河本結。
表彰式は欠席となったが、佐久間朱莉は大会MVPの大活躍
「アクサレディス」で臼井麗香が涙の初優勝。24年のムーブメントのひとつ「黄金世代の躍進」が、ここからはじまることになる。
翌週「ヤマハレディース」も黄金世代の小祝さくらが、竹田麗央を抑えて優勝を飾った。敗れはしたが竹田の決まればプレーオフとなるバンカーからのイーグルトライは、このあと吹き荒れる「竹田旋風」を予感させた。

「富士フィルム・スタジオアリス」では、名勝負が繰り広げられた。佐久間朱莉の初優勝のストーリーかと思われた最終日後半、阿部未悠が4連続を含む怒涛のバーディーラッシュで逆転、堂々の初優勝を飾った。
「バンテリンレディス」、ここで24年シーズンの主役となる竹田麗央の初勝利が訪れる。竹田は、次週「フジサンケイクラシック」と5月の「ブリヂストンレディス」も勝利し、以降もさらに勝ち星を重ねていく。
「パナソニックオープン」では、またも黄金世代の天本ハルカが、開幕からの好調のまま初優勝を果たす。

イ・ヒョンソ(左)イ・ミニョン(右)
イ・ヒョンソはアマチュアながら「サロンパスカップ」で初優勝。
15歳176日での優勝は、JLPGAの最年少ツアー記録。
次節第10戦、24年シーズンのメジャー1戦目となる「サロンパスカップ」は、15歳のアマチュア、イ・ヒョソンが見事に優勝。佐久間朱莉は、ここでも2位に終わった。
国内は雨の当たり年?海外では笹生と古江が快挙

政田夢乃
投票により24年シーズンのベストプレーを受賞。
ツアールーキーで優勝争いも経験。今季の目標はもちろん初優勝だ
24年シーズン3勝した岩井明愛の初勝利は5月の「リゾートトラストレディス」。この大会で8位タイに入ったルーキー・政田夢乃が後半戦注目選手のひとりになる。

6月、雨の新潟「ヨネックスレディス」で、新垣比菜が7年ぶりに、そして翌週、大里桃子が「宮里藍サントリーレディス」で3年ぶりの勝利。黄金世代が2週連続で復活優勝を飾る。 そして、6月最終週「資生堂 レディス」で、桑木志帆がついに悲願の初優勝。前年の同大会をプレーオフで惜敗したリベンジを見事に果たした。

古江彩佳(左)「エビアン選手権」で海外メジャー初制覇。
さらに平均ストローク1位の称号「べア・トロフィー」を日本人ではじめて獲得した。
笹生優花(右)2度目の「全米女子オープン」のタイトルを獲得。
持ち前の勝負強さで今季もメジャー優勝を狙う
一方、海外では笹生優花が自身2度目の「全米女子オープン」制覇。そして古江彩佳が「エビアン選手権」で初のメジャー優勝を果たした。
桑木と川崎が年間3勝 一方、山下美夢有は?

第19戦「ミネベアミツミ」から後半戦がスタート。川﨑春花が2年ぶりの優勝。次週の「大東建託 」、8月の「CAT LADIES」も勝ち、年間3勝をあげた。
開幕から好調だった河本結が「NEC軽井沢72」で、5年ぶりの優勝。これが24年シーズンにおける黄金世代6人目の優勝者となった。
8月には「パリ五輪」が行われ、山下美夢有が奮闘するもあと1歩。メダルに届かなかった。この経験が翌年の米ツアー参戦を決意させる。
9月の国内メジャー2戦目「ソニー日本女子プロ選手権」で、竹田麗央が初メジャー制覇。同月のメジャー3戦目「日本女子オープン」でも勝利し7勝目。一方、2年連続年間女王・山下美夢有はいまだ勝利がない。
第28戦「ダンロップ女子オープン」は、雨の24年シーズンの集大成ともいうべきか。2日目中止、最終日はセカンドカットが実施され、27ホールの短期決戦となったが、安田祐香がついに初優勝を果たした。
10月の「スタンレーレディス」で佐藤心結が涙の初優勝。アマチュア時、同大会で渋野日向子とプレーオフを戦い、広く名が知られるようになった佐藤だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。

山下美夢有
前年はシャネル、今回はプラダの山下。勝負の舞台は米ツアーへ。
昨年のパリ五輪で世界と戦えることは証明済み
そして、24年シーズンのベストバウトといわれる「富士通レディース」は、古江彩佳と山下美夢有が優勝争い。最終日の最終ホール、山下の奇跡のパーパットで勝負はプレーオフにもつれこみ、3ホールにわたる熱戦の末、開幕から31戦目にしてついに山下が優勝。敗れた古江も「さすが世界の古江」と思わせる技術を見せつけた名勝負だった。
「マスターズGC」は強風のなか、砲台グリーン下からの奇跡のチップインパーで、イ・ミニョンが優勝。32戦目にして24年ツアー初の30代プレーヤーの勝利となった。
竹田、山下、岩井姉妹が米ツアー参戦へ

JLPGA栄誉賞、メディア賞「ベストコメント」部門
竹田麗央
年間8勝の女王は振袖で登場。持ち前の飛距離に加えて、ショートゲームも死角なし。
今季、米ツアーでの活躍が期待される
11月「TOTOジャパンクラシック」で、8勝目をあげた竹田麗央が、25年シーズンの米ツアー参戦チケットを手に入れた。プレーオフ6ホール目で決着し、優勝直後の「本当に長くなってしまってすみません」は、アワードでベストコメント賞を受賞。
この「TOTOジャパンクラシック」が終わった夜、上田桃子が自身のSNSでツアーからの一時撤退を発表。「“ありがとう”をたくさん伝えたい」と題された文章には、上田のゴルフ人生に関わったすべての人たちへのお礼がつづられていた。

翌週の「伊藤園レディス」では、ここまでメルセデスランキング73位だった山内日菜子がチップイン2発で逆転優勝。同大会で竹田麗央の初の年間女王が決まった。
「大王製紙エリエールレディス」での注目はシード権争いだ。メルセデスランキング50位以内で翌年のフル出場が約束される。そのなかで岡山絵里と内田ことこが、それぞれ53位と56位から逆転でシード入りを果たした。フルシード入りは逃したものの、ルーキーの政田夢乃と菅楓華はQTファイナルを上位で終え、25年シーズンの前半戦出場権を獲得。そして、これが上田桃子のラストゲームとなった。改めて心からの「ありがとう」と「おつかれさま」を伝えたい。

上田桃子
彼女の背中を追いかけた選手、ファンすべての関係者から惜しまれつつ、
20年に渡るツアー生活からの一時撤退を表明
最終戦「リコーカップ」。ランキング上位40人による、このエリートフィールドを制したのは桑木志帆。4日間首位をゆずらず完全優勝。シーズン3勝目は初メジャー制覇となった。
今季ツアーの主役は?

権藤可恋
優勝2回、トップ10フィニッシュ9回を記録し「ステップアップツアー」ランキング1位。
今季のJLPGAツアー前半戦出場権を獲得
「リコーカップ」の翌週には山下、岩井姉妹らが米ツアー最終予選会に挑み、実力を発揮して25年シーズンの出場権を獲得。その結果、すでに米ツアーには出場権を持つ竹田を含め、山下、岩井姉妹は今季JLPGAツアーには基本的に出場しない。「直ドラ2オン」「正確無比なロングショット」「高次元のマネジメント」でこれまで観客を盛り上げてきた選手たちが見られなくなるのは正直少しさびしい気持ちになる。

しかし24年シーズンに見た、黄金世代の活躍をはじめ、桑木志帆や川﨑春花ら複数回優勝をする新しい実力者の登場、佐久間朱莉をはじめ、初優勝を目指す未勝利の選手たちによるハングリーなプレー、これらのポジティブな要素は、間違いなく今季のツアーを盛り上げていくはずだ。

そして、昨年のプロテスト合格組から、永田加奈恵らルーキーも開幕からJLPGAツアーに参戦する。「将来どんな選手に?」という質問に、彼女たちは「誰からも応援される、尊敬されるプレーヤー」と異口同音に答える。

(左から)不動裕理、表純子、島袋美幸、鈴木佳恵、斉藤裕子、久保樹乃
それを聞き、昨季でクラブを置いた上田桃子が頭に浮かんだ。今季ルーキーとしてツアーに挑む選手たち、このなかから「未来の上田桃子」が何人現われるだろう。そんなことを考えながら3月の開幕を待っている。
いかがでしたか? 来年度のJLPGAツアーも是非注目してみてください!
写真提供:JLPGA
写真=田中宏幸
構成=ひよこきんぎょ
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