
女子プロ3人に聞いたドライバーのコツ!飛距離を伸ばす秘訣は?
打球が曲がらなければ、飛距離は伸びる!しかし、寒い冬の時季は、体が思うように動かないせいもあってティーショットは右へ左へと大きく曲がってしまいがち。そんなときに気をつけるポイントは?そこでドライバーが上手になるヒントを教わりました!
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右ミスを“打つ前に”解消!スプリットハンド素振りで腕のローテーションを予行演習!

インパクト前後で両腕が“グリン”と入れ替わる感覚
打つ前に両手を離した素振りをしましょう!
ドライバーは長くてヘッドが重たいので、振り遅れやすく、スライスやプッシュなど右方向へのミスが出やすいですよね。そんなミスの予感がするときは、ティーショットの前に「両手を離して握る」スプリットハンドでの素振りをしてください。両手を離したグリップで振ると、右手と左手の運動量に差がつきます。ダウンスイング時は右手の運動量が大きくなるため、腕のローテーションがスムーズに行なえ、ドライバーを軽く感じることができるのです。スプリットハンドでの素振りは、トップもフィニッシュもいつもよりコンパクトになるので、オーバースイングも修正できて一石二鳥。ラウンド前の練習では、スプリットハンドでボールを打つのもオススメです。最初はうまくミートできなかったり、左へ飛んでしまうかもしれませんが、腕のローテーションを覚えることが目的なので大丈夫。腕をローテーションさせて振り、ヘッドが走る感覚をつかみましょう。


正しい腕のローテーションができないと、振り遅れてフェースが開いてしまい、ボールがつかまらない(左)両手を離して握って振ると、腕がローテーションするのでフェースをボールに向けられる(右)
ワキの締まり

腕がローテーションしないとフォローで両腕が同じ高さになり左ワキがあく。フェースを閉じることができずスライスしてしまう(左)正面から見たときに、両腕がクロスするようにローテーションするとワキが締まる。フェースが返えるのでスライスしない(右)
スプリットハンド5〜10回⇆通常のグリップ2〜3回

スプリットハンドから通常のグリップに戻して振って、体になじませる。ドライバーで正しく振るのが難しく感じる人は、アイアンからはじめよう

レッスン=藤本麻子
●ふじもと・あさこ/1990年生まれ、岡山県出身。164cm。2011年伊藤園レディスゴルフトーナメントでツアー初優勝。24年はステップアップツアーのサロンパスレディス優勝。25年シーズンはレギュラーツアー2勝目を目指す。三愛石油所属。
次は、清本美波プロにドライバーのトップのコツを教わりました!
いつもよりトップを大きくするという意識が大事

朝イチのティーショットは、体が思うように動かないですよね。寒い冬の時季はなおさらで、
捻転不足によってトップが小さくなり、ミスが出やすくなります。そこで私は、手を高く上げて、いつもよりトップを大きくします。実際はそれほど大きくなりませんが、体が動かないぶん、この意識をもつとちょうどいいトップになる。加えて「間」がとれるので、スライスや打ち急ぎのミスを防止できる。大きな円を描くように、ゆったり大きくスイングしましょう。
トップを大きくする

「私の場合、手の位置が低くなってトップが小さくなるので、体の回転を使いながらクラブをゆっくり上げて、手の位置を高くしています」(清本)
大きな円を描くように振る

余計、大きなトップから大きなフィニッシュへな力を入れずにバランスよくスイングする
トップが小さくなると当たらない

トップで間ができず打ち急いでしまう。また、手打ちになり、スライスやプッシュアウトのミスが出やすくなる

レッスン=清本美波
●きよもと・みなみ/2005年生まれ、愛知県出身。153cm。23年のプロテストをトップで合格。QT(予選会)を突破し、25年レギュラーツアー前半戦の出場権を獲得した。ジェイテクト所属。
次は引っかけに悩むゴルファーの方に向けて、タイプ別の原因を探るレッスンを原江里菜プロに教えてもらいました!
まずは「どのタイプ別」か知ることが大事!
ひと言に〝ドライバーを引っかけてしまう〞といっても、その原因は大きく分けて3つあります。その3つは「体が突っ込む」「腕だけで振る」、そして「体が傾いてインからかち上げてしまうインサイドアッパー」のタイプです。それぞれタイプは違えど関係性は密接しているため、ひとつ修正しても別のタイプの引っかけゴルファーになってしまうことがあります。ですから、今の自分がどのタイプで引っかけているのかを知り、ひとつずつ修正していくのが完全防止の近道。急がば回れですね!
体が突っ込むタイプ

通過していくように振る
右手(利き腕)で強く打とうとすると、右肩がボール方向に突っ込んでしまう(×)。すると、フェースが下を向いてボールに当たるので、打球は上がらずに最初から左方向へ。このタイプは、体よりも腕の運動量を増やすと修正できるので、右ワキを締めて、右腕が左腕を追い越すように振り抜くと、腕を自然にローテーションさせながら目標方向へ真っすぐ飛ばせる。
腕だけタイプ

このタイプは比較的早く治ります!
ミスショットが不安で思い切って体を目標方向へ回せないと、左肩がインパクト直前で止まり、ヘッドが先行して返りすぎてしまう(×)。このタイプは、左肩をロックさせないことがポイント。フィニッシュまで体を止めずに、目標方向を向くまで積極的に回し、クラブはうしろからついてくるようなイメージでスイングしよう。
インサイドアッパータイプ

ヘッドを目標方向に対して真っすぐ動かすイメージをもとう
ダウンスイングでクラブが寝て、インサイドからアウトサイドへ振ってしまうとフック回転が強くかかる(×)。このタイプはタイミングが合うとドローボールが打てて飛距離も出るので、調子がいいときもある。しかし、ラウンド後半に疲れてくると引っかけが止まらなくなることも。ボール前後のヘッドの軌道を円ではなく、真っすぐ振るイメージをもつと早く修正できる。
引っかけが出るサイクルも知っておこう!
体が突っ込むタイプ→腕だけタイプ
腕を振ることに気をとられる
体が突っ込むタイプ→インサイドアッパータイプ
右ワキを締めることに気をとられすぎる
腕だけタイプ→体が突っ込むタイプ
体の動きが大きくなりすぎる
腕だけタイプ→インサイドアッパータイプ
腕のローテーションを忘れる
インサイドアッパータイプ→体が突っ込むタイプ
手先に気をとられすぎる
インサイドアッパータイプ→腕だけタイプ
左への体重移動が不十分
いかがでしたか。是非参考にしてみてください!

レッスン=原江里菜
●はら・えりな/1987年生まれ、愛知県出身。162cm。2008年ゴルフ72NEC軽井沢でツアー初優勝。15年大東建託・いい部屋ネットレディスで2勝目。多くの選手に慕われるプロ入り18年目のベテランプロ。NEC所属。
写真=田中宏幸
構成=小山俊正、岡田豪太
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