アプローチが不調から“絶好調”になる方法!目澤コーチが解説

「先週のラウンドは良かったのに今日は絶不調…」こんな悩みを抱えたことのある人が多いのではないでしょうか。そこで今回は、日替わりの「好・不調」をなくすためのレッスンをご紹介します!

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アプローチ不調の原因は
「スイングスピード」と「出球」のイメージの不一致だ!

アプローチの不調は、自分の「スイングスピード」に対して「ボールの出球のイメージ」がズレたときに起こります。

ラウンド中、ライや景色など小さな要因の積み重ねで構えやスイングに乱れが出てくると「このくらいで振ればこういう打球が出る」という自分のイメージよりもボールが強く出たり、反対にやわらかく出たりというズレが生じてきます。

それに反応して無意識に調整してしまうことが動きやリズムを阻害し、距離感が合わなくなったり最終的には大きなミスが出るような悪循環につながるのです。

「嫌がって逆」のパターンもあるので注意!

重心位置がズレたり、軌道が乱れてインパクトロフトが狂うと出球のイメージがズレてくる。それを嫌がって反対の要素を無意識に加えるなど、問題が複合的になることも多い。

イメージより「速い」「強い」「低い」
イメージより「遅い」「弱い」「高い」

スイングの前に“判断”を疑え!
“不調”の原因の半分は「ライが読めていない」こと!

自ら不調にハマるきっかけになりやすい

アプローチの不調は「状況判断のミス」も原因のひとつ。これは本来の意味での不調とは違いますが、コースで「どうもミスが続く」というときはここに原因があるケースも多いのです。

ライが薄いのに球を上げようとしたり、傾斜に逆らった球を打とうとするなど不適切な判断でアプローチした結果うまくいかず、それを技術的な不調だと思ってしまう。そしてスイング自体には問題がないのに不要な考えすぎに陥り悪循環を生んで本当に調子を落としてしまうことが多々あるのです。

これは、普段からライを正しく判断し、状況に応じた打ち方を選択することが大事。自分の入射角の傾向を知ることも予防に役立ちますよ。

ライがよくなければ球は高く上げられない

難しいライから無理な打ち方を選択した結果ミスし、「不調」とカン違いするケースは多い

打ち方が限定されるライもある

ライに応じた適切な打ち方を選択し、余計なミスを減らすことが、好調維持にはとても重要

ボールのライによってできることは決まる

浮いている(左上)、沈んでいる(右上)、
ボール下に空間がある(左下)、逆目(右下)

ラフに沈んでいたり逆目のライでは、鋭角な入射角が求められ、球を上げるのは難しい。逆にボールの下に空間があるときは、打ち込むとミスしやすく、ゆるやかな入射角のほうが適している。この見極めが大事。

打つ前に素振りでチェック!

自分の入射角の傾向を知っておこう!

自分の入射角の傾向を知っておけば、判断を誤りにくい。打ち込む傾向の人は、沈んだライを苦にしないが、払い打ちの人は浮いたライのほうが得意。ボールの前後にテープを貼って打ち、奥がはがれる人は打ち込み、手前がはがれる人は払い打ち系だ。

桂川有人
●かつらがわ・ゆうと/1998年生まれ、愛知県出身。167㎝、70㎏。2020年にプロ宣言、21年に初優勝。24年には欧州ツアーで優勝した。国際スポーツ振興協会所属。

左肩が上がればヘッドは落下する

頭と左肩を少し下げながらバックスイングし、ダウンスイングではそれを上げながら
打つようにすると、ヘッドが落ちて入射角が鋭角になる

イメージよりもボールの勢いが弱いとか高く出てしまう、またヘッドが横から入って沈んだライからうまく打てないといった不調時は、少しヘッドを上から入れる動きを加えることで調子を上向かせましょう。体の上下動を意識的に使い、バックスイングで少し沈み込み、それを引っぱり上げながら打つイメージです。

ダウンスイングで頭や左肩が上がれば、反対にヘッドは落下して鋭角に入りやすい。ボールに近く立ち、フェースの開閉を抑えてフェース向きをシャット気味に使ってください。

右手を少し上から握るようにグリップし、親指を下に向けるのがポイントなので、ラウンド中の微修正なら、まずはここからはじめるといいでしょう。

シャットフェースで“真っすぐ”振る感覚

フェースを開かず(×)、フェース面を下に向けたシャットフェースでヘッドを真っすぐ引いていく(○)

親指を下に向けてボールの近くに立つ

親指を上ではなく(×)、下に向けてハンドアップ気味に(○)。ボールの近くに立ち、ボール位置は真ん中、手元は左股関節前で、少しハンドファーストで構える。

ロフトを少し立てて構えます!

【ラウンド中の対処】「右手フック」でグリップしよう

右手を上から少しかぶせるように、グリップを握ると、親指や手のひらが下を向くイメージが出る。ラウンド中は上の写真のように、両手を「ハの字」にした状態で振る感覚も有効だ。

転がすイメージを増幅させよう

フィニッシュで胸が目標方向を向くらいしっかり体を回すことで
自然と体主体のスイングになり、入射角をゆるやかにすることができる

ボールがイメージより強く、低く出ている場合や、浮いたライでフェースの上めに当たってしまうような不調時は、入射角をゆるやかにすると調子が上向いてきます。

手首のコックを抑えてボールを横から払い打つイメージをもちたいので、フォローで胸が目標方向を向くまでしっかり体を回しましょう。バックスイングで体を回そうとするとスエーしたり、大振りになってゆるみやすいので、意識するのはフォロー側だけ。体を回す以外に、ヘッドを走らせたり、フェースを返す感覚は不要です。

番手を上げて転がすイメージをもつと、自然とイメージが整いやすいと思います。

小さいバックスイングでもフォローはしっかり回す

バックスイングはあまり意識せず、フォロー方向に体を回すことに専念するとバックスイングも自然とスムーズになる。

ノーコックのイメージで横からボールをヒットする

手首のコックは使わず、左肩からヘッドまでの形はアドレス時の状態を保ったまま振るボールを横からヒットする感覚で打とう。

手首を大きく使ってスイングすると入射角が鋭角になりやすいので注意

フェースターンを抑えて体で振る

体が止まるとヘッドが走りフェースも返りやすい(×)。手元もヘッドも体の正面に保ったまま体だけ動かす(○)。

ボールは真ん中、手首は自然に

手首の曲げすぎはNGです

ボール位置はスタンスの真ん中でOK。手首の角度は自然でいいが、ハンドダウンになりすぎないように注意。

ラウンド中の対処】番手アップで小さく振ろう

番手を上げてロフトが立ったクラブで転がすと、自然と横からヒットする感覚が生まれる。コースでは思いきって番手を上げて、小さく振って転がしで寄せるのがオススメだ。

いかがでしたか? 是非参考に練習してみてくださいね!

レッスン=目澤秀憲
●めざわ・ひでのり/1991年生まれ、東京都出身。日大ゴルフ部を卒業後、指導者の道へ。アジア人初のマスターズ制覇を支えたコーチとしてブレイク。現在も、桂川有人や永峰咲希、清本美波など多くのトッププ
ロを指導する。

構成=鈴木康介
写真=相田克己、中野義昌
協力=ザ・ジャパン・カントリークラブ

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