
女子プロ25年シーズン開幕!有村智恵が注目する選手とは?
24年シーズンでは主役を演じたトップ選手たちが、こぞってアメリカへ。新時代の幕開けを予感させる25年シーズンを、ツアー復帰間近の有村智恵プロに語っていただきました。
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今年の勢力図は見えてきたか!?

こんにちは、プロゴルファーの有村智恵です。
25年シーズンの開幕しましたが、ついこないだシーズンが終わったばかりに感じますが、早いものです。アメリカでは、すでにトーナメントが開幕し、初戦から日本人選手たちが優勝争いをしています。年間通して何回の優勝シーンが見れるのか非常に楽しみで目が離せませんが、国内ツアーも負けていませんよ!
歴代賞金女王の山下選手、竹田選手にくわえて岩井姉妹もアメリカへ渡ることになった新シーズンですが、小祝さくら選手を忘れてはいけません。間違いなく日本トップクラスの実力者でコンスタントに優勝もできています。ただ、女王の座だけは手が届いていませんでした。なかなか表に闘志を出すタイプではありませんが、注意深くコメントを聞いていると、年々その思いが強くなっていることが伝わってきます。今季の大本命だと思います。
対抗としては、昨年、複数回優勝を重ねた桑木選手と川崎選手、復活優勝から波に乗る河本選手あたりが有力だと思います。世界に目を向けている3選手ですから、竹田選手のように、トップをとってそのままアメリカへ殴り込み!と意気込んでいるかもしれません。
個人的には、佐久間朱里選手と櫻井心那選手に期待しています。佐久間選手といえば、幾度となく優勝争いを演じながら、あと1歩に泣き続けていますが、いつ勝ってもおかしくない実力者です。春先に1つ勝てれば、そのまま年間5勝くらいあげてトップに上りつめるかもしれません。彼女の課題は、勝負どころを迎えたときのプレーにあるように感じています。非常にコンパクトなトップからキレのあるショットを打つ選手ですが、プレッシャーがかかったときに上半身の力が入ると、切り返しのタイミングが早くなる傾向があります。ショットだけでなくパッティングにも影響が出るので、あと1歩に手が届きません。偉そうに聞こえるかもしれませんが、何を隠そう、私も同じ課題を抱えて初優勝を逃していました。気持ちが入ってくると、肩の力が入ってしまい重心がわずかに浮いてくることで、いつも通りのスイングができなくなり、1番の勝負どころでパッティングが決まってくれませんでした。
でも、そのことに気が付いて、オフシーズンにトレーニングを積むようにしました。具体的には、体幹に力を入れて、体の外側の力をなるべく抜くことができるようにインナーマッスル中心に鍛えたり、試合中もコース内で軽くジョギングなどをして肩回りを動かすことで、余計な力を抜く努力をしました。その結果初優勝へとつながったのです。佐久間選手が、課題を克服して花が咲くことを心から願っています。櫻井選手は、昨年こそ苦戦しましたが、23年シーズンは4勝をあげました。この冬に、スイングのズレを修正してきたようですので、再び注目です。
オフシーズンは約3か月あるのですが、ここでの過ごし方が、言うまでもなく1年を左右する大事な時間です。スイング改造や、肉体改造など、選手それぞれが、前年に感じた課題と向き合って、練習に励みます。スイング的には良くなっていても成績につながらないこともありますので、勝負どころです。練習ラウンドを見れば今シーズンは誰が引っ張っていくのか見えてくるでしょう。スイングが良くなっていたり、飛距離が伸びていたりする選手はたくさんいるのですが、それらを試合で勝負できるものに仕上げているかどうか?体にキレがあるか?この2つがポイントになりますので、皆さんも注目して見てください!
私も、今シーズンからレギュラーツアーに復帰させていただくのですが、まずは、予選通過できる準備をして最終日まで戦える回数を増やしていきたいと思っています。あとは、発起人でもあるLADY GO CUPで優勝をしたいと思っていますので、応援よろしくお願いします!
いかがでしたか?有力選手が目白押しの開幕戦と有村プロから目が離せそうにありませんね!

有村智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。
構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=エースゴルフ赤坂、LADY GO CUP
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