
アイアンが一気に上達する秘けつを大公開!傾斜地でも上手く打つコツは?
コース上でのアイアンショットが上手くいかないと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、手の使い方に焦点を当てたアイアンショットのレッスンをご紹介します!
【関連記事】原英莉花のフォローのフェースに注目!どこを向いているかで球筋を操作できる
地面の上のボールを上手に打てない人は“手”が使えていない!

手をうまく振ればどんな状況でも芯で打てる!(左)
手をうまく使わないとわずかな状況変化でも対応できずにミス!(右)
ゴルフスイングは「手打ちはダメ」といわれ「手打ちだからダフるんだ」などと指摘されたことのあるアマチュアは多いと思います。たしかに、体を使えず手だけでクラブを振る「悪い手打ち」のアマチュアが多いのは事実。しかし、その一方で手を使わずにスイングしているプロはいません。私から見るとむしろ“手を上手に使えていないせいでミスしている”アマチュアが多いと感じています。
これは傾斜地で顕著に表れます。アイアンショットはほぼ平坦なライがなく、大なり小なり傾斜がつきます。傾斜地は下半身が使いにくくなるので、手の使い方が下手だとボールをうまくとらえられないのです。正しい手の使い方を身につければ傾斜地はもちろん、平地でもボールを芯でとらえられるようになるのでミスが激減しますよ。

体の動きと連動して手を使えば、自然な動きでヘッドをスムーズに振れる

手の動きを抑えた不自然なスイングは体の余計な動きを招き、応用も利かない
「手が使えていない」アマチュアは特に①と④の動作が下手


スイング中の正しい手の動きとはどんなものなのか。簡単にいえば、手首を積極的に使って、インパクト前後で左右の腕を入れ替える動作です。
細かく説明すると、①バックスイング前半では左手小指を支点に右手首のコックでクラブを引き上げ、その後②体の回転と連動して右ヒジをたたんでいく。③ダウンスイング前半では左腕の向きを保ったまま手とクラブを引き下ろし、④インパクトでは左手を支点として右手でクラブを引き上げます。そして⑤フォローでは体の回転と連動し左腕を外旋していく。
まずはスイング中に起こっているこれらの動作を正しく理解してください。これができればスイングの再現性がアップするだけでなく、入射角のコントロールもできるようになる。傾斜などでもうまくボールをミートできるようになります。

手元の位置はあまり動かさず、左手小指を押し下げるようにしながら右手首をコックして、テコの原理でヘッドが上がっていく感覚。

手首のコックが終わったバックスイング後半では、体が右方向に回転していくのと連動して
右ヒジをたたんでいく。手は積極的に使うが、体の動きは抑えず、深く捻転されたトップを作ろう

ダウンスイング前半は手首の状態を保ったまま腕を引き下ろしてくる。
手首がほどけないように注意

インパクト前後では左手の小指を支点に右手でクラブを下から引き上げるようなイメージ。
これが体の回転と連動して行われることで腕が自然と回旋し、左右の腕のポジションが入れ替わる

フォローでは、必要以上に手首や腕を返す感覚はないが、体の回転と連動して左腕が
自然と外旋していく
ここがカギ!入射角を自在にコントロールする!

正しい手の使い方が身につくと、スイングの再現性が上がるのはもちろんだが、ちょっとしたアレンジでヘッドの入射角のコントロールができるようになる。
手首のコックをタテ方向にして入射角を鋭角にする

正しい手の動きが身につけば、それをアレンジしてヘッドの入射角をコントロールできます。傾斜地や悪いライなどでも難なくボールを芯でとらえられるようになるのです。しかし手をうまく使えないと、こういったアレンジができないので応用が利かない。
たとえばバックスイングでコックの向きをタテ方向に調整すれば入射角が鋭角になります。これによってツマ先下がりや左足下がりでもダフらずにボールをクリーンにとらえやすくなりますし深いラフやベアグラウンドからのショットにも活用できます。

ボールが沈んだラフに打ち込むときや、ベアグラウンドのボールをクリーンにとらえる際にも有効
【ツマ先下がり】鋭角に下ろせばヘッドがボールに届く

コックをタテ方向にしてスイング軌道をアップライトにすることで、ボールが低い位置になる。ツマ先下がりでもヘッドをボールに届かせやすくなる。
【左足下がり】ヘッドを上から入れるとダフリが防げる

ボールの手前側の地面が高く邪魔になる左足下がりでも、入射角を鋭角にすることでボールを上からとらえられるようになり、ダフリのミスを防げる
鋭角スイングの POINT1
アーリーコックでアウトサイドにバックスイング

前ページで紹介した1の動作、手首のコッキングを早めに行い、ややアウトサイドにヘッドが上がるように意識することで、スイング軌道がアップライトになり、入射角が鋭角になる。
Drill カカトでボールを踏みながらスイング

鋭角軌道を身につけるには両足カカトでボールを踏みツマ先下がりの状態でスイングする練習が効果的。タテ振りの軌道を意識してスイングしよう
鋭角スイングのポイント2
高い位置からヘッドを入れて低く長く出していく

入射角を鋭角にする場合、フォローは反対に低く長く出すのがポイント。フォローでの左腕の外旋を少し遅めにして、インサイドの低めの位置にヘッドを出していくイメージ。
Drill 左足1本で立ってスイング

鋭角軌道を身につけるもうひとつのドリルは左足1本スイング。アウトサイド・インのカット軌道と低いフォローを意識して、クラブをタテに振ろう。
手首のコックをヨコ方向にしてフラットにスイング

アレンジのもうひとつのバリエーションは、ヘッドの入射角をゆるやかにするテクニック。
左足上がりの傾斜で刺さらないように振り抜く際や、ツマ先上がりのライで傾斜なりにヨコ振りするとき、さらにはラフに浮いている球やフェアウェイバンカーからボールをうまく拾って打ちたいときなどに役立つアレンジです。
鋭角にする場合とは反対に、ややレートコック気味でヨコ方向にコッキングし、フラットな軌道を意識しましょう。
ただし「あおり打ち」に注意!体が右に倒れすぎないようにしましょう。

ボールが浮いているラフやフェアウェイバンカーなどで、ボールをクリーンに拾いたいときにも有効。
Drill 右足1本で立ってスイング

ゆるやかな入射角のスイングを身につけるには、右足1本で球を打つ練習が
【ツマ先上がり】野球のようなヨコ振りでボールを払い打つ

ツマ先上がりの傾斜では、ボールの位置が高く前傾も浅くなるので野球のバットスイングのようなヨコ振りを意識したい。バックスイングのコックも抑え、ヨコからフラット軌道で払い打とう。
【左足上がり】いところから高いところへ振り抜く

インサイド・アウト軌道を意識して、傾斜なりに低いところから高いところへ振り抜いていくイメージ。ただし、アドレス時以上に右体重になるのはNGだ。
鈍角スイングのPOINT1
インサイドにフラットに振り上げる

バックスイングでの手首のコックを抑えめにしつつ、コックの向きをヨコ方向にすることでフラットな軌道を作る。左手小指を支点にする意識をもち、手元を浮かさずインサイドに振り上げよう。
鈍角スイングのPOINT2
フォローでクラブを跳ね上げるイメージ

バックスイングのコックは抑えめにするが、インパクト後は反対側のコックを積極的に使い、ヘッドを跳ね上げるようなイメージで振り抜こう。これも手元が浮き上がらないように注意。
Drill ツマ先でボールを踏んだままスイング

ゆるやかな入射角のスイングを身につけるには、両足の拇指球付近でボールを踏み、ツマ先上がりの状態を作ってスイングする練習が効果的。
いかがでしたか? このレッスンを参考に、傾斜の打ち方をマスターしましょう!

レッスン=長谷川康之
●はせがわ・やすゆき/1978年生まれ、新潟県出身。一般企業に就職するも脱サラして研修生になり、レッスンの道へ。現在、東京・代官山のK’sアイランドゴルフアカデミーでレッスン中。
構成=鈴木康介
写真=高橋淳司
協力=日神グループ 平川カントリークラブ
【あわせて読みたい】
人気女子プロの“バッグの中”は何が入ってる?ラウンド中の勝みなみに突撃!
「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選
7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説