
飛距離を伸ばすスイングのコツは“下半身”にあり!女子プロが解説
ツアー屈指のビューティフルスインガー・宮田成華の連載がスタート!美しいだけでなく飛距離も大きく出るスイングを4回に分けて解説&レッスン。
アマチュアがマネるなら、ズバリ!宮田スイングです!
【関連記事】原英莉花のフォローのフェースに注目!どこを向いているかで球筋を操作できる
飛距離と精度を生む下半身の動き

しなやかで美しい宮田スイングで、見逃してはいけないのが下半身の使い方だ。ツアーで戦うためには“精度”や“効率”も重要だが、パワーゴルフ化した現在のゴルフ界で上位に入るためには飛距離も大きく出したい。
しかし宮田は、体格や筋力は女子ツアーでは平均的で、圧倒するようなパワーをもってはいない。そのため「下半身の力をできるだけフルに使っています」という。ポイントは、インパクトまではヒザの高さをなるべく低く保ちながら下半身を大胆に使って飛距離を伸ばすで、どんなに大きく動いても重心が浮いてしまうことはない。
また、下半身リードのスイングは“上半身を使いすぎない”という副産物も生む。すると結果的に、飛距離と精度の両方が向上する。

「スイング中は、ずっと下半身で上半身の動きをコントロールしている感覚です」と宮田。腕を伸ばした大きなトップから、上半身は下半身リードに引っ張られるように動く。
まるで、ハンマー投げのような下半身の使い方だが、この動き方をマスターしたい
切り返し

トップ(写真左)と切り返し後の2枚の写真を見比べると、上半身の形はほぼ同じだが、下半身は大きく動いている。「誰かに抑えてもらっているクラブを、下半身で引っ張るイメージで打っています」と宮田
インパクト

インパクトは、下半身は目標方向を向くまで回転しているが、右ヒジは体の横にあって右ワキがしまっている。この形ができると下半身リードでボールを強く押し込んでいける
フィニッシュ

フィニッシュでの左足の角度は大きく使った下半身の動きを受け止めるために、地面に対して垂直ではなく、目標方向とは逆側に傾けている
攻めのフットワークの正体は〝落として蹴る!〞

スイング中に下半身を使うといえば”腰を切る”イメージをもつ人が多いだろう。しかし、宮田は「下半身の力を1番使える方法は“足を曲げて伸ばす”です。この動作を行なうときは、バックスイングでは重心が浮かないように注意しながら右側に体重移動をする。
次に、ダウンスイングでは、クラブを下ろす前にお尻の左側を落として、体重をしっかり左側に乗せることが重要です。この動作に加えて、腰を回しながら地面を思いっきり蹴ってフィニッシュまで振り抜きます」という。ただ腰を切るだけでは、振り遅れてパワーロスにつながってしまうが“足を曲げて伸ばす”と“お尻の左側を落として蹴る”を行なうと飛距離を伸ばせるそうだ。
ヒザを内や外に向けない

ヒザを曲げるときは、内側に絞ったり、外に広げるのはNG。「ヒザが左右に向くと曲げて伸ばす動きが行ないにくくなってしまい、足の力を効率よく発揮できません」(宮田)
足がぐらぐらしてヨコ移動してしまう

スイング中に足がヨコに移動するのもNG。「とくに片ヒザが内側に入ってしまうのに要注意。下半身がぐらぐらしたり、重心移動もヨコだけになってしまうので、大きく動かすほど振り遅れてしまいます」(宮田)
POINT1
アドレス時に両足首を外にねじって“お尻をしめる”

“お尻をしめる”がうまくできないと、力を入れているだけで骨盤が後傾してしまいお腹の力が抜けてしまう。
こうならないためには、「アドレス時に両足首を外側へねじるように力を入れる。すると、地面を足で強く踏みしめられ、その力が足の内側からお尻に伝わり、体幹も自然としまります」(宮田)
POINT2
お尻の“張り”をチェック

「しっかりと地面を踏んだ力を逃がさずに振れると、バックスイングではお尻の右側、フィニッシュではお尻の左側に“張り”を感じることができます」(宮田)。
うまく下半身が使えると、太モモからお尻あたりが引っ張られた感じがする。バックスイングでは“力が溜まっている”、フィニッシュでは”力を逃がさず受け止める”スイングを目指そう
いかがでしたか? スイング中の下半身の動きを意識して、練習してみてください。

レッスン=宮田成華
●みやた・なるは/1997年生まれ、東京都出身。165cm。19年のプロテストに合格。プロ仲間からも称賛される美的スイングの持ち主。24年シーズンはブリヂストンレディス7位タイなど。25年シーズンはツアー初優勝の期待がかかる。日立建機所属。
構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC
【あわせて読みたい】
人気女子プロの“バッグの中”は何が入ってる?ラウンド中の勝みなみに突撃!
「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選
7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説