最新アイアン16モデルを一気試打!買う前に知るべき4つのこととは?
恒例の“ 一気試打” は年イチの人気企画だが、今年は夏以降にイチ早く紹介したい“New アイアン” が多数発売!
ということで、鹿又芳典と編集部が試打インプレッションする「アイアン一気試打“ 秋の陣”」をお届けします。
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今年はとくに“アスリートアイアン”の年!
新アイアンを買う前に知っておくべき4つの新流行
今年は、アスリートモデルが一斉にリニューアルされました。アスリートモデルは形状がシンプルなので、一見するとその進化はわかりにくいのですが、じつは内部構造はドライバー以上に進化しています。
一番のトレンドは、フォージドモデルの多様化です。フォージドアイアンといっても、たとえばキャロウェイの場合、1枚モノの「Xフォージド」と、複合設計の「APEX」では特徴がまったく異なります。また、最近はどんどんロフトが立ってきたといわれていましたが、今秋の新モデルを見るとストロングロフト化がストップしたように感じる。
新モデルでは大手メーカーが積極的にコンボセットを推奨するようになったこと、飛び系アイアンの形状(顔)がどんどんスマートになってきたことも新しい傾向です。今回は16モデルのアイアンを試打しましたが、4つの新しい傾向を踏まえたうえで、みなさんも自分に合ったアイアンを探してみてください。
流行1:フォージドアイアンにも2つのカテゴリー
最新のフォージドアイアンはフェースもボディも軟鉄素材だけを使った1枚モノと、フェースとボディで異なる素材を使い、さらにタングステンなどを搭載した複合設計のフォージドアイアンという2つのカテゴリーにわかれています。
1枚モノの魅力は圧倒的な打感のよさとシンプルな形状。複合設計の特徴は打感のよさにプラスして飛距離性能、寛容性が高いことが、異なる大きな特徴になります。
流行2:ストロングロフト化がストップ!?
かつては7番アイアンといえば、ロフト角は33度前後がスタンダードでした。
それが飛び系アイアンのブームとともに7番アイアンが32、30、28度と、モデルチェンジをするたびにロフトを立てる「ストロングロフト化」していく傾向がありましたが、今秋のアイアンは以前のように、セミアスリートモデルは30度、ツアーモデルでは33度前後とロフト角を立てることをやめたメーカーが多い印象を受けました。
流行3:コンボセットが当たり前の時代になる
今、PGAツアーの選手はほとんどがアイアンをコンボセットにしています。その影響もあって、各メーカーもコンボセットを組みやすいロフト設定のアイアンを発売するようになりました。今回、試打したモデルでいえばテーラーメイドの「P7CB」と「P770」、フォーティーンの「NEWTB-5フォージド」と「PC-3」などがその代表格。キャロウェイのAPEX「Ai200」と「Ai300」もコンボセットにすることが可能です。
流行4:飛び系アイアンの顔がスマートに
アスリートモデルのアイアン以外だと、今年は「インプレス ドライブスターシリーズ」がリニューアルされました。飛び系アイアンの最新トレンドは、形状がスマートになって構えやすくなったこと。
「インプレス ドライブスター タイプS」は、すっきりとしたオーソドックスなアイアンの形状に。PXGの「BLACK OPS」やつるやの「ワンサイダー Ji+S」も飛距離性能は高いのに、ボッテリした形状ではありません。
キャロウェイ APEX Ai200
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鍛造、ウレタン・マイクロスフィア、タングステンウエイト、フェース:[#4-7]鍛造カーペンター455 スチール+ Ai スマートフェース、[#8-AW]17-4 ステンレススチール
●ロフト角/ 30 度(#7)●長さ/ 37 インチ(#7)●重さ/約426g(MODUS³ TOUR 105・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105(S)、N.S.PRO 950GH neo(S)
●価格/ 21 万1200 円(#5-PW・6 本セット)、3 万5200 円(#4、AW・1 本)
鹿又:ロフト30度の7Iで今秋のNo.1!
もともとAPEXシリーズはバランスがよかったですが、新作のAi200はそれを極めた印象です。打感がよくて形状もストレート、飛距離性能も高くてミスヒットに強い。そのうえでスピンも入るので全部門で総合力が高い。
ドライバーのヘッドスピード42m /秒前後、平均スコア80から90のゴルファーが1番ハマるアイアン。個人的には7番アイアンがロフト30度前後のモデルでは今秋のNo.1だと思いました。
編集M:アスリート好みとやさしさを兼備
APEXシリーズ全体のなかではアスリート寄りに位置するモデルで、打感のよさなどフィーリング面はしっかりプロ・上級者好み。そのテイストがありつつ、ミスヒットに強い寛容性の高さも兼備しているので、切れ味とやさしさのバランスが絶妙なアイアンです。
キャロウェイ APEX Ai300
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鍛造、ウレタン・マイクロスフィア、タングステンウエイト、フース:[#4-7]鍛造カーペンター455 スチール+ Ai スマートフェース、[#8]17-4 ステンレススチール+ Ai スマートフェース、[#9-AW]17-4 ステンレススチール(フェース)
●ロフト角/ 29 度(#7)●長さ/ 37.25 インチ(#7)●重さ/約422g(950GH neo・#7)
●シャフト(フレックス)/ RECOIL DART 6 for Callaway(ワンフレックス)、N.S.PRO 950GH neo(S)、N.S.PRO 750GH neo(S)
●価格/ 21万1200 円(#5-PW・6 本セット)、3 万5200 円(#4、AW・1 本)
鹿又:中級者が使える+5ヤードの飛び系
Ai200と比較するとグースネックでトップラインが厚いAi300。決して1番手以上飛ぶわけではありませんが、一般的なアイアンより5ヤード以上は飛距離が伸びるちょい飛び系で、Ai200より初速が出ていました。
Ai200同様に打感、形状、飛距離、寛容性のバランスがいい。オートマチックにストレートボールを打ちやすいので、平均スコア90台のゴルファーにオススメです。
ライターN:下側ヒットに強くて払い打ちでも飛ぶ
ダウンブローに打ち込まなくても、払い打ちで弾道に高さが出て、スピンも入ってくれるアイアン。Ai200よりもミスヒットに強くて、とくにフェースの下側で打っても飛距離がほとんど落ちませんでした。ツアーモデルみたいな雰囲気ですが見た目以上にやさしいです。
キャロウェイ APEX Ti FUSION
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:鍛造430 ステンレススチール、ウレタン・マイクロスフィア、インナータングステンウエイト、フェース:[#4-7]鍛造6-4 チタン+Ai スマートフェース、[#8-AW]鍛造6-4 チタン
●ロフト角/ 30.5 度(#7)●長さ/ 37 インチ(#7)●重さ/約423g(#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO950GH neo(S)
●価格/ 35 万6400 円(#5-PW・6 本セット)、5 万9400 円(#4、AW・1 本)
鹿又:これは反則!? Ai200の5年後の未来モデル
Ai200のコンセプトを継承しつつ、さらに進化させたのがTi FUSION。フェースにチタンフォージドを使ったことで打感もソリッドで気持ちいいし、ミスヒットに強くて飛距離のバラつきが抑えられます。
5年後に発売される未来のアイアンを打っている感覚。素材、製法ともに最高峰の技術を結集しているので、価格はセットで35万円以上。いい意味でズルいアイアンですね。
ライターN:ボールスピードの速さと唯一無二の打感
あきらかにボールスピードはAi200より速いし、弾道の最高到達点も高いので、キャリーが5ヤード以上は伸びていました。振り心地もいいし、鍛造製法とチタン素材を融合したフェースの打感もすごくいい!今までのアイアンになかった唯一無二の打感でした。
つるや ワンサイダー Ji+S
SPEC
●ヘッド素材/[#6-9]450 マレージング一体構造、[PW-SW]ソフトステンレス一体構造
●ロフト角/ 32 度(#7)●長さ/ 36.875 インチ(ONESIDE RJi+S 専用カーボン・#7)
●重さ/ 375g(専用カーボンR・#7)
●シャフト(フレックス)/ ONESIDER Ji+S 専用カーボン(R、S)、ダイナミックゴールド95(S200)
●価格/ 10 万4500 円~(#5-PW・6 本セット)、2 万900 円~(AW、SW・1 本)
鹿又:スコアメイクしやすいやさしさが満載の短尺
ワンサイダーシリーズはやさしさ重視。新アイアンも7番アイアンで36.875インチ(カーボン)なので、一般的な7番アイアンに比べると約半インチ(約1.25センチ)くらい短い。短尺設計によって芯に当てやすくなっているのが最大の特徴です。
慣性モーメントが大きいのでミスヒットに強いし、ソール幅が広いのでダフリのミスも軽減してくれます。7番アイアンなのに8、9番アイアンのやさしさでした。
編集M:0.5インチ短いだけでこんなに違う!?
通常より0.5インチ前後短いだけでこんなにも違う!? と驚きました。短いぶん振りやすい、正確に当てやすいけど、アレコレ考えずにスイングするだけで、真っすぐ高く飛ぶ! ミート率と方向性がいいので「短いから飛ばない」とはまったく感じませんでした。
フォーティーン New TB-5 フォージド
SPEC
●ヘッド素材/軟鉄鍛造(S20C)●ロフト角(#7)/ 30 度
●長さ/ 37.5インチ(#7)●重さ/ 407g(FS-90i スチールR・#7)
●シャフト(フレックス)/FT-70i カーボン(ワンフレックス)、FS-90i スチール(R、S)など
●価格/ 15 万4400 円(#6 ~ PW・5 本セット)、3 万800 円(#5)
※ 11月8日発売予定
鹿又:TB-7とTB-5のいいとこどり!
4年振りにリニューアルされた新TB-5。名器といわれて大ヒットしたTB-5の打感のよさ、打球の上がりやすさ、寛容性を進化させながらも形状は少しシャープになりました。オフセットを抑えたことによって、構えた印象はTB-7に近い。
前作のTB-5とTB-7のいいとこどりをしているので、私なら「TB- 6」と名づけたい(笑)。前作以上に幅広いタイプのゴルファーに愛されるアイアンです。
編集M:「気持ちよさ」を感じ与えてもくれる
ライターNに譲りましたがトップ3に入れたかったアイアン。打って気持ちよさを感じさせる。気持ちいい弾道を演出する機能も高く「このシンプルな見た目のどこにそんな性能が?」と思いましたが、とにかくキレイな放物線を描くアイアンの理想弾道が打てます!
フォーティーン PC-3 フォージド
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:鍛造(S20C)、フェース:[#5-7]超高強度エリート・D・スチール、[#8 ~ PW]高強度ニッケルクロムモリブデン鋼
●ロフト角(#7)/30 度●長さ/ 37.5 インチ(#7)●重さ/ 400g(FS-90i スチールR・#7)
●シャフト(フレックス)/ FT-60i カーボン(ワンフレックス)、FS-90i スチール(R、S)など
●価格/ 11 万4400 円(#7 ~ PW・4 本セット)、2 万8600 円(#5、6・1 本)
鹿又:やさしさは満点!コンボセットもあり
見た目、デザインはスッキリしていますが、打った印象はビギナーでも使える超やさしいアイアンです。打球が高く上がりやすくて、つかまりもいい。フェースを薄くしているのでボールスピードはTB-5に比べても格段に速い!ドライバーのヘッドスピードが40m /秒未満のシニアにもオススメ。
フォーティーンはロフトをそろえているので5、6番だけをPC-3にするコンボセットもアリですね。
ライターN:このサイズでこんなにやさしいの!?
決して大型ヘッドではなくてボッテリ感もないのに、やさしさは満点! このサイズで、ここまでやさしく仕上げたところにフォーティーンの設計力の高さを感じました。飛距離はTB-5より10ヤード以上飛びます。ただし、打感は独特なので好みはわかれるでしょう。
ヤマハ INPRES DRIVESTAR TYPE/D
SPEC
●ヘッド素材/ X37 精密一体鋳造、タングステンウエイト
●ロフト角(#7)/ 25 度●長さ/ 38 インチ(#7)●重さ/ 345g(R・#7)
●シャフト(フレックス)/ SPEEDER NX for Yamaha M-425i(R、SR)
●価格/ 12 万3200 円(#7~ PW・4 本セット)、3 万800 円(#5、6・1 本)
鹿又:飛び系のパイオニアが正常進化で2.5番手アップ
飛び系アイアンのパイオニアのインプレスですが、新モデルは飛び系アイアンとして飛距離、弾道、結果を追求しつつ正常進化をさせたことが高評価。7番アイアンのロフトは25度ですが、低重心設計になっているので弾道は高い。
ヘッドサイズは大きめですが、決して構えにくい印象はなくて、安心感のある顔です。飛距離性能は2番手以上、2.5番手アップを期待できます。
ライターN:前々作の「UD+2」が帰ってきた
前作のドライブスターというよりも、前々作のUD+2に近い王道の飛び系アイアン。ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後のアマチュアが打っても、7番で170ヤード以上は飛びます。つかまりもいいので、アイアンで「右ペラ」のミスが多い人にもピッタリです。
ヤマハ INPRES DRIVESTAR TYPE/S
SPEC
●ヘッド素材/ X37 精密一体鋳造、タングステンウエイト
●ロフト角(#7)/ 25 度●長さ/ 37.75 インチ(#7)●重さ/ 386g(N.S.PRO 850GH neo S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO 850GH neo(S)、SPEEDER NX for YamahaM-425i(R、SR)
●価格/ 12 万3200 円(#7 ~ PW・4 本セット)、3 万800 円(#5、6・1 本)
鹿又:今までの飛び系が苦手だった人も使える
今までの飛び系アイアンにはなかった形状と打感。形状はオーソドックスなアイアンに近くて、とてもいい顔をしています。
打感も今までの飛び系アイアンの弾き方ではなくて、フェースに乗る心地よさがある。そういう意味では、今まで飛び系アイアンが苦手だったタイプも使えると思います。飛距離性能も高く、従来のアイアンより1.5番手から2番手くらいは飛びますね。
編集M:アスリート好みの飛び系アイアン
トップクラスの飛距離性能をもつモデルに、アスリート好みのテイストが強く加わったのがTYPE/S。前作ほど長くなく、グースの付き方もきつくなく、顔もシャープに。飛距離を伸ばしたい、落ちてきたのを取り戻したいゴルファーにオススメします。
朝日ゴルフ メタルファクトリー JF
SPEC
●ヘッド素材/軟鉄(S20C)精密鍛造+ CNC ミルド
●ロフト角/ 31 度(#7)●重さ/ 271g(ヘッド単体・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³TOUR 105(R、S、X)、TRAVIL 85(R、S)など
●オープン価格(編集部調べ:16万2000 円 #5-PW・6 本セット)
鹿又:ワイルドな仕上げもカッコいい!
斬新なキャビティ構造を採用した鍛造ヘッドで、スリット状のアンダーカット設計によって重心を低くしているので打球が高く上がりやすい。そういう意味ではカーボンシャフトとの相性がすごくよかったです。
打感は文句なし!1枚モノの鍛造アイアンならではの食いつき感とやわらかさがありました。粗研磨でワイルドな仕上げになっているところもカッコいいですね。
編集M:「高弾道」が打ちたい中・上級者にオススメ!
全体的にアスリートライクですが、特筆すべきは球の高さ。試打したのがカーボンシャフトのTRAVILだったことも加わってか、弾道がとにかく高い!私もそうですが、ボールが高く上がりにくい球筋の人、ぜひカーボンシャフトで使ってほしいです!
朝日ゴルフ メタルファクトリー T3
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:17-4 ステンレス、フェース:[#5-9]CH-1 マレージング、[PW-SW]C17-4 ステンレス
●ロフト角/ 29 度(#7)●重さ/ 273g(ヘッド単体・#7)
●シャフト(フレックス)/ MURAKUMO-KANATA(R、S)、N.S.PRO 950GHneo(R、SR、S)など
●オープン価格(編集部調べ:14 万円~ #6-PW / #7-AW・5本セット、2 万8000 円 #5、6、AW、SW・1 本)
鹿又:初の中空構造アイアンはUTの代わりにもなる
メタルファクトリーでは初の中空&鋳造設計のアイアン。中空構造による重量配分でミスヒットに強くしつつ、飛距離性能を高くしているので、アイアン型ユーティリティのような球筋でラクに飛距離をかせげます。
スピンは抑えめですが高さは十分出るので、グリーンに止まる落下角度を作り出せる。アイアンが苦手で、ユーティリティを増やしているゴルファーにも試してほしいモデルです。
ライターN:打点ズレへの強さが秀逸
左右に打点がズレたときの曲がり幅がとても少ない。とくにトゥ側ヒットに強くて、ヒッカケが出そうな当たりでも、ストレートドローくらいで大きなミスにはなりません。このやさしさは、アベレージゴルファーのスコアアップに大いに役立つでしょう。
プロギア PRGR 04
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄(S20C)、フェース:ニッケルクロムモリブデン鋼(SAE8655)
●ロフト角/ 28 度(#7)●長さ/ 37.25 インチ(MCI FORPRGR・#7)
●重さ/ 367g(カーボンシャフトM-40・#7)
●シャフト(フレックス)/ MCI FOR PRGR(M-35、37、40、43)、スペックスチールⅢ Ver.2(SR、S)
●価格/ 12 万6500 円(#7-AW・5 本セット)、2 万5300 円~(#5、6・1 本)
鹿又:03の飛びと05のやさしさを融合
新作の04アイアンは飛距離と寛容性を両立させたモデル。同シリーズには飛距離性能を重視した03、寛容性と打球の上がりやすさが特徴の05がありますが、その2つを融合したようなアイアンです。
適度な操作性もあるセミオートマタイプで、中級者のゴルファーが求める性能を備えています。50・60代になって、飛距離が落ちてきたベテランゴルファーとも相性がいいでしょう。
ライターN:やさしい軟鉄鍛造ロフト以上に高く上がる
セミラージサイズのちょうどいいサイズ感で、軟鉄鍛造モデルなので打感もいい。驚いたのは打球の高さです。7番アイアンでロフト28度なのに、今回打ったアイアンのなかでも弾道の最高到達点はトップクラス。100切りを目指すゴルファーの武器にもなりそうです。
グローブライド オノフ アイアン ラボスペック RB-247 M
SPEC
●ヘッド素材/高強度AM355P カップフェース、軟鉄鋳造ボディ、バイブレーションスタビライザー樹脂●ロフト角/ 30.5 度(#7)●長さ/ 37 インチ(#7)●重さ/ 373g(カーボンシャフトR・#7)
●シャフト(フレックス)/ SMOOTHKICK MP-247(R)、N.S.PRO 950GH neo(S)
●価格/ 13 万7500 円~(#6-PW・5本セット)、2 万7500 円~(#5)
鹿又:オノフで一番好きなカテゴリー
ラボスペックは私がオノフでもっとも好きなカテゴリー。AKAの飛距離と寛容性に、KUROのシャープさと打感をブレンドしているのですごく完成度が高い。
ヘッドだけではなく、シャフト、グリップを含めたクラブ全体のバランスがいいので、1球目から芯をとらえたナイスショットが打てます。幅広いアマチュアゴルファーのスコアアップにつながるスコアリングアイアンだと思います。
編集M:見た目以上にやさしさ満載!
ヘッド形状もバックフェースの作りもシンプルですよね。なのに「アイアンが急にうまくなった!」と思うやさしさが際立つアイアン。ミスヒットに対しての寛容性が高いだけでなく、ナイスショットの弾道の飛び姿もキレイ。ピンを積極的に狙って打てますよ。
テーラーメイド P7CB (’ 24)
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鍛造(S25C)、内蔵タングステンウエイト、内蔵セラミックコア、フェース:軟鉄鍛造(S25C)
●ロフト角/ 33 度(#7)●長さ/ 37 インチ(#7)●重さ/ 425g(MODUS³ 105 S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105(S)、ダイナミックゴールド MID 115(S200)など
●価格/ 14 万8500 円~(#6-PW・5 本セット)、2 万9700 円~(#3、4、5・1 本)
鹿又:期待度MAXの想像を超えてきた
PGAツアーの選手が使いはじめたころから「よさそうなアイアン」だなと思って期待がふくらんでいましたが、その期待を超えるくらいよかったです。
とにかく打感がソフト!ボールがフェースに食いつきスピンが効くので、ボールコントロールが容易にできる。フルショットもライン出しもしやすい。テクニックがあるアスリートにとっては、いろんな球筋を安定して打てるアイアンです。
編集M:10点、10点、10点……合計、満点に近い逸品
テーラーメイドって、アイアンはシンプルにいいクラブを作りますよね。シャープな美顔、ソフトな打感、球の高さなどのマイ評価の全項目で10点満点に近い点がつきました。アスリート系キャビティのなかでは、1、2歩抜け出しているアイアンです。
テーラーメイド P770 (’ 24)
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鋳造(8620)、内蔵タングステンウエイト、SPEEDFOAM AIR™、フェース:クロモリ鋼鍛造(4140)
●ロフト角/ 33 度(#7)●長さ/ 37 インチ(#7)●重さ/ 421g(MODUS³ 105 S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105 (S)、ダイナミックゴールド MID 115(S200)など
●価格/ 15 万9500 円(#6-PW・5 本セット)、3 万1900 円(#3、4、5・1 本)
鹿又:シャープに見えても寛容性はP790と互角
最近のアイアンのなかではかなり小振りでシャープな印象ですが、決して難しくはありません。モデル名にあるとおりブレード長は77mmですが、寛容性はP790とほとんど変わらない印象。
中空構造ですが、軟鉄素材なので打感はソフト。ロフトはP7CBと同じですが、より打球が高く上がりやすかったので、平均スコア90前後のゴルファーであれば十分に使いこなせます。
ライターN:中空構造とは思えない打感のよさ
P7CB同様に、P770もすごく打感がいい。中空構造にありがちな弾きすぎる打音や感覚は一切なく、軟鉄鍛造のマッスルバックを打っているようなフィーリング。ロフトがしっかりあるので打ち出しが高い。決して難しいアイアンではありませんね。
マスダゴルフ JM-H2
SPEC
●ヘッド素材/軟鉄鍛造(S20C)●ロフト角/ 31 度(#7)●長さ/ 37 インチ(#7)
●重さ/ 420g(MODUS³ TOUR 105 S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ 105・125(S)、N.S.PRO 950GH neo(S)
●価格/ 19 万9320円~(#5-PW・6 本セット)、3 万3220 円~(#4)
鹿又:ジャンボ尾崎が求める“やさしさ”
軟鉄単一素材でありながら、徹底的にやさしさを求めたジャンボ尾崎さん監修のアイアン。ジャンボさんのこだわりが随所にあり、ヘッドサイズはやや大きめで、グースネックになっています。
昔からジャンボさんは“やさしいツアーモデル”が好きでしたが、JM-H2はそれが具現化されています。歴代のマスダのアイアンのなかではもっとも飛距離性能が高くて、飛ぶのも魅力のひとつです。
編集M:ジャンボ、不動、横峯の使用アイアン
かつてツアーで勝ちまくっていたプロたち(ジャンボ尾崎、不動裕理、横峯さくら)が使用中。歴戦の雄が愛用する理由は、キャビティバックやきつめのグースネックによるやさしさの長所がありつつ、操作性も高くボールコントロールがしやすいからでしょうね。
PXG BLACK OPS
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:431 ステンレス中空+ XCOR2 ポリマー、フェース:HT1770 マレージング鋼
●ロフト角/ 28 度(#7)●長さ/ 37.5 インチ(#7)●重さ/ 405g(Ture Temper Elevate MP 95g S・#7)●シャフト(フレックス)/Ture Temper Elevate MP 95g、Diamana V2 PXG 60・70(R、S)など
●価格/ 2万6400 円(#4-LW・1 本)
鹿又:歴代のPXGで最高のアイアン
今まで打ったPXGのアイアンのなかで一番いい!ロフト以上に打球が高く上がりやすいから、ヘッドスピード40m /秒前後のゴルファーが打ってもやさしいし、飛距離性能が高くて、打感がいいので、日本人ゴルファーに好まれるアイアンだと思います。
ヘッドサイズと重心のバランスもよくて、すごく振りやすかった。ダウンブローに打ち込んでも、払い打ちでも上手に打てます。
ライターN:飛び系アイアンといってもいい飛び!
オーソドックスな形状で、決してクラブ長も長くないのに飛距離性能はトップクラスで飛び系といってもいいほど。薄いマレージングフェースを採用しているので反発性能が高い。ソール幅が広く、少しダフったときでもソールが滑ってくれて飛距離が落ちません。
ロフトや素材、カタログスペックだけでは弾道も打感もわからない時代に
「アイアンのヘッド内部の進化が著しい」と前述しましたが、7番アイアンのロフトが28度だから弾道が低い、ロフトが33度だから高いということはなく、むしろロフト28度の「PXG」や「プロギア04」の弾道はトップクラスに高かったです。
また、構造や素材に関しても「中空だから打感が悪い」「マレージングフェースだから硬い」という、今までの常識を完全に超えてきています。「P770」や「Ai300」は中空設計なのに打感がいい。オノフの「RB -247M」はマレージング系のカップフェースでもソフトな打感でした。
見た目の形状と打った印象が一致しなくなってきたなかで、唯一参考になるのはソール幅。ソール幅が狭いと重心が浅くて操作性がいい。ソール幅が広いモデルは慣性モーメントも大きくなって寛容性が高くなるのは、アイアン選びのひとつの指標になります。
タイプがまったく異なる2人のアマチュアが16モデルから選んだトップ3は?
最後は、一気試打恒例のアマチュアの試打結果を。今回の試打者はゴルフ歴30年のセミアスリートゴルファー・編集Mと、ゴルフ歴15年のアベレージゴルファー・ライターNの2人。
全16モデルのアイアンを約2時間かけて徹底的に打ち比べ、自分に合っていたモデルとしてトップ3と特別賞を選んだ。キャリアやレベル、好みが近い読者は、ぜひ参考に!
編集Mが選んだトップ3
APEX Ti FUSION
P7CB (’ 24)
メタルファクトリー JF
特別賞|マスダゴルフ JM-H2
アイアンが1番苦手なのに使いたいと思うのは、やさしさ重視よりも美顔で打感が心地よく、ロフト角が立ちすぎていないフォージド。
「APEX Ti FUSION」はチタンフェースですが、打感よし、方向性よしで飛距離も出る。「P7CB」は全部が好みなうえに予想を上回る好結果を出してくれる。
「メタルファクトリー JF」は、私の欠点である“球の高さが足りない”をカバーしてくれました。特別賞は、真っすぐよりも曲げて打ったほうがいい弾道が出る「JM-H2」です。
ライターNが選んだトップ3
NEW TB-5 フォージド
APEX Ai300
オノフ アイアン ラボスペック RB-247M
特別賞|インプレス ドライブスター タイプD
アベレージゴルファー代表としてトップ3に選んだのは、打感がよくてやさしいアイアンです。
「NEW TB-5 フォージド」は前作を超える完成度の高さで打感がさらにやわらかくなった。「Ai300」はロフト角以上に打球が高く上がることと、ミスヒットに対する強さがNo.1。鹿又さん絶賛の「RB-247M」は振りやすいから芯に当たる確率が高かったです。
特別賞は「インプレス ドライブスター タイプD」。ほかのアイアンより25ヤード以上も飛んでいたことが衝撃でした!
いかがでしたか? ぜひ、秋の“New アイアン” のなかから、良い1本を見つけてみてください!
試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一、編集部
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール
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