女子プロテストの“合格者数”って少ないの…?有村智恵プロに聞いてみた

有村智恵プロの連載第八弾。今年も日本女子プロゴルフ協会によるプロテストが開催され、26名の選手が見事合格しました。

自身が合格した2006年度テストでの裏話をまじえながら、未来の女子プロゴルフ協会を彩るスター候補や、日本のプロテスト制度について有村智恵プロに語っていただきました。

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「あくまで通過点、引退するまで厳しいテストは続きます」

こんにちは、プロゴルファーの有村智恵です。

今年も、日本女子プロゴルフ協会によるプロテストが開催されました。合格された26名の選手の皆さん、本当におめでとうございます! どんどんレベルが上がってきているので、私が受けた2006年と比べても、合格が難しくなっている印象です。そんな厳しい関門をくぐり抜けた皆さんが、すぐにツアーを盛り上げてくれると期待しています。

私が、プロテストを受験したのは2006年のことでした。もう、20年近く前になるんですね。当時の私は、合格して、誰よりも早くツアーで賞金を稼ぎ親孝行したいと考えていました。「ツアーで優勝するには、最低でも4日間で10アンダーはだす必要があるから、その練習としてテストでも10アンダー以上で優勝をする」と考えていましたので、落ちることは全く心配していませんでした。実際にトップ合格できましたが、ただ強気だったからというわけではありません。普段から、ツアーで優勝するために必要なプレッシャーのかかった状況をつくりだして、それに耐えれるよう意識して練習していましたから、テストの緊張感で不安に思うことはありませんでした。

プロテストに合格できていなくても、ツアーで活躍できるレベルの選手はたくさんいるのだと思います。そのため、制度や合格者の人数(20位タイまで)に疑問をもつ人は多いです。しかし私は、プロゴルファーになってからが勝負ですし、毎試合がテストみたいなものだと感じています。20位以内に入らなければ獲得できた賞金は、経費や練習費用で赤字になってしまいますし、やっぱり目指すところは優勝です。テストを合格した人の中で、争っていくわけですから、プロテストの合格ラインくらいは突破しなければならないと思います。仮に合格枠を増やしたとしても起きる問題があります。プロテストは、あくまでプロ資格認定のためのものなので、試合にでるためには、QTを突破しなければなりません。もし、テストに合格してもQTで翌年の出場権が得られなければ、プロでもアマでも試合に出られない状況になってしまいます。小林会長をはじめとした協会が、ギリギリの線で考えた合格数なのだと思います。

さて、2024年度のテストからも将来有望な選手が多そうですね。個人的には、練習も一緒にしたことのある吉田鈴ちゃんの合格が本当にうれしかったです。彼女こそ実力は十分あるのにテストに合格できていない選手の1人でした。他にも、山口すず夏さんや六車日那乃さんもそうですね。あとは、アマチュアでステップアップツアー優勝を果たしている都麗華さんのプレーには注目していました。みんな実力は十分ですから、プロテスト合格で殻を破り、さらに飛躍してくれると思いますよ!

いかがでしたか? 今回プロテスト合格者のなかから、何人の選手が初優勝をするのか楽しみですね。あなたの”推しの選手”を誰よりも早く見つけるには、プロテストにもぜひ注目してください!

有村 智恵

●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。

構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=エースゴルフ赤坂

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