ドライバーが270ヤード飛ばせるゴルフ場!“飛びすぎ注意”な深い理由とは?

PGAツアーのプレーオフ第2戦「BMW選手権」の会場は、標高が1600メートル以上にあるが、同じコロラド州内には、さらに高い標高3100メートルのゴルフ場があると聞いて突撃!

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標高3100メートル!北米一高い場所にあるコース

マウントマッシブ ゴルフコース
Mt. Massive Golf Course
住所:259 Co Rd 5, Leadville, CO 80461 USA
www.mtmassivegolf.com

「BMW選手権」が開催されたキャッスルパインズGCは、コロラド州デンバー郊外にあるが、デンバーは“マイルハイ・シティ(1マイルにある町)”と呼ばれ、標高が約1600メートルにある。キャッスルパインズGCはさらに高い土地にあって、空気が薄く、ボールが平地より飛ぶため距離感を合わせるのが難しい。アップダウンも激しく、選手もキャディも上り坂ではすぐに息が切れるなどPGAツアーの試合会場のなかでも少々特殊な環境下にある。

そんなキャッスルパインズからさらに2時間ほどロッキー山脈へクルマを走らせると「リードビル」という北米でもっとも高い位置にある町があり、そこにもゴルフ場があると聞き、行ってみた。

マウントマッシブGC。標高は1万152フィート(約3100メートル)。

リードビルは、1800年代のゴールドラッシュで栄えた町。現在のコロラド州の州都はデンバーだが、一時はデンバーと州都を争ったほど繁栄していた。今は鉱山の衰退とともに人口が減少し、人口は3000人を下回っているが、近年は近くの鉱山からモリブデンというレアメタルが採掘されるようになり、再び脚光を集めている。

そんな町にあるマウントマッシブGCは、意外にもフラットで、ドライバーを気持ちよく振り回せるほど広々としている。訪れた8月中旬は、高原都市のデンバーでも気温は30度だったが、3100メートルの高地までくると気温は一気に10度近く下がって涼しい。遠くに見えるマウントマッシブの北面の頂には、万年雪が見える。少し歩いたら、早速息が切れてきた。富士山でいうと、8合目と7合目の中間あたり、山頂に近い高さなので、息が切れるのも当然だろう。

クラブハウスにいた従業員に話を聞くと、マウントマッシブGCはセミパブリックで約400人のメンバーがいる。この日は平日にもかかわらず大勢のゴルファーがプレーしていて、地元のジュニアゴルファーの姿もあった。経営は順調なようで“最高峰”のコースを体験にしに、遠くからやってくるゴルファーも多いとのこと。

5月半ばから10月下旬までがシーズンで、その後は降雪次第。冬場、従業員は犬ぞりなどのウィンタースポーツで高地の生活をエンジョイしている。撮影したこの日はやや雲の多い日だったが、青空が出たと思ったら、またすぐ雨雲が近づく。雨がサーっと降ったと思ったら、すぐに晴れる。「山の天気は変わりやすい」をモロに体験できた。

プレーした感想は、みな異口同音に「飛ぶ! 急に飛ばし屋になった気分だ!」だそうで、計算によると平地よりも約30%も飛ぶとのこと。ドライバーの飛距離が240ヤードの人だと270ヤードも飛んでしまうため“飛びすぎ注意、打ち込み注意”の注意書きがあったが、いつもより飛ぶショットでスコアアップが望めそうだ。

高い山の上にあるのでアップダウンがきつい、と思ったが意外にもフラットで、しかも広々としている。パー 72で、白ティーからトータル4808ヤード、青ティーから5520ヤード、黒ティーから6117ヤードとコース全長は短い。パー 5での2オン、パー 4での1オンも狙えるのでビッグスコアが出るかも?

フォトグラファー 田辺安啓 (通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。

取材・写真=田辺安啓

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