24年の3番ウッドはやさしくなった!おすすめFW4本を鹿又が解説

今月は人気シリーズのフェアウェイウッドを検証! ドライバーとおそろいのモデルを購入するのはアリかナシ?カノマタの見解は?

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3Wを抜いていた鹿又も24年モデルなら使う!?

24年モデルは3番ウッドがやさしくなりました!

先月号の最新ドライバー試打では「24年モデルのドライバーは曲がりにくくなった」という話をしましたが、その傾向はフェアウェイウッド(以下・FW)にも継承されています。「パラダイム Ai SMOKE」や「G430シリーズ」など10モデルの3番ウッド(以下・3W)を打ってみると、全体的にミスヒットしても曲がらなくなっていて格段にやさしくなったと感じます。

近年、3Wは難しいクラブという印象が強くなり、3Wを使わない人も増えました。じつは私もそうでしたが、24年モデルなら3Wはアリだと思います。ただし、24年モデルのドライバーとFWを打ち比べたうえで、まったく同じモデルを選ぶかどうかはモデルによって異なります。次ページからはメーカー別にドライバーとの違いや特徴などを紹介するので、FW購入時の参考にしてください。

【パラダイム Ai SMOKE】FWにもドライバーと同じ新AIフェースを採用

FWにもドライバーと同じ新AIフェースを採用

「パラダイム Ai SMOKE」のドライバーは、リアルなゴルファー25万人分のデータをインプットした次世代のAIフェースが話題になりましたが、FW4モデルにもそのフェースを採用しています。

4モデルのFWもドライバー同様に上下左右のミスヒットに対して曲がり幅が小さくなっています。とくに「MAX」は、ドライバーとFWの性能がほとんど同じで、このモデルはそろえたほうがいいでしょう。

また「MAX FAST」も軽量タイプで、高弾道ボールが打ちやすく、振り感が似ているのでドライバーを気に入った人はFWもハマる可能性が高いです。

ドライバーが「MAX」でFWを「トリプルダイヤモンド」にするのはアリ!

「トリプルダイヤ」の3Wは、ドライバーよりもワンランクやさしめ。ドライバーはオープンフェースでも3Wはほとんどスクエア。スピンは少ないですが、打球は上がってくれるので使いやすい。いい意味でドライバーとは別モノなので、他メーカーのドライバーを使っている人にもオススメです。

ドローバイアスの強い「MAX D」はドライバーと3Wの顔が少し違います。ドライバーはほぼスクエアですが、3Wはちょっとフックフェースになっていて、つかまりやすくなっています。

キャロウェイ パラダイム Ai SMOKE MAX FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、16.5(#3 HL)、18(#5)、21(#7)、20(Heaven)、24(#9)、27度(#11)
●シャフト(フレックス)/TENSEI 50 for Callaway(R、SR、S)など
●価格/6万500円~

ボールスピードの速さも継承!

ドライバー同様にボールスピードが速く、飛距離性能が高い。

打球の高さや打感も同じなのでドライバーから3、5Wと同じモデルでそろえるとセッティングの流れとしては理想的。

スタンダードタイプですが、他メーカーと比較するとスピン量は少なめです。

パラダイム Ai SMOKE MAX D FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、16.5(#3 HL)、18(#5)、21度(#7)
●シャフト/TENSEI 50 for Callaway(R、SR、S)
●価格/6万500円

カット軌道のスライサーに◎

つかまりがいいので、アウトサイド・インのカット軌道で打っても右に飛びにくい。

ドライバーと比較すると少しフックフェースにはなっていますが、決して左に行くわけではなく、ストレートドローの強い打球が打ちやすい飛距離性能にも長けたFWです。

パラダイム Ai SMOKE トリプルダイヤモンド FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、18(#5)、20度(#7)
●シャフト(フレックス)/TENSEI 60 for Callaway(SR、S)など
●価格/6万500円~

中・上級者が構えやすい形状

この顔は素晴らしい!中・上級者にとってはボールを操作するイメージを出しつつ、寛容性の高さも感じる形状。だから、契約外のツアープロでも使用者が多いんですね。

ドライバーよりも打球が上がりやすいのでドライバーのHS42m/秒以上あれば十分に使えます。

パラダイム Ai SMOKE MAX FAST FW

SPEC
●ロフト角(番手)/16(#3)、19(#5)、22(#7)、25度(#9)
●シャフト(フレックス)/TENSEI 40 for Callaway(R、SR、S)
●価格/6万500円

No.1のパフォーマンスを発揮!?

軽量タイプの「MAX FAST」はうまく使いこなしたら、シリーズのなかでもっともポテンシャルが高い。

ヘッドスピードが上がるので飛距離も伸びますし、下側ヒットに強くなっているので、3Wでも弾道が高い。キャリーを伸ばせるのも大きな魅力ですね。

「MAX D」の顔を比較!3Wはちょっとだけフックフェース

【ゼクシオ】ドライバーは高弾道3Wは超・高弾道

昨年12月に発売された13代目の「ゼクシオ 13」と3代目の「ゼクシオ エックス」。
FWも幅広いゴルファー層から人気が高い

国民的ブランドの「ゼクシオ」。ドライバーではゼクシオサウンドと呼ばれる爽快な打球音や、やさしさ、飛距離性能が評価されていますが、それは3Wにも継承されています。とくにゼクシオ特有の心地よい打球音はFWもそっくり。

シャフト、グリップにも統一感を感じます

ドライバー以上に感じたのは打球の上がりやすさで、ドライバーが高弾道だとすれば、3Wは超・高弾道。ゼクシオユーザーには3Wが苦手な人も多いと思うので、そういうターゲットを想定したクラブ設計になっていると思います。

シャフト、グリップまでシリーズ全体の統一感を重視している「ゼクシオ 13」は、他メーカー以上にドライバーとFWをそろえるメリットが大きいです。

スリクソンユーザーも「エックス」の3Wは使いやすいでしょうね

しかし「エックス」は少し印象が違いました。ドライバーよりも打球音が高めで残響が短い。球筋もストレートで強いボールが打てます。もちろん「エックス」のドライバーと3Wをそろえるのもありですし、「スリクソンZX5 MkⅡ」のドライバーを使っている人にも「エックス」の3Wはマッチすると思います。

ヘッドサイズも「ゼクシオ 13」と比較するとコンパクトになっているので、今までゼクシオシリーズを使ったことがない40、50代のゴルファーにオススメです。

ダンロップ ゼクシオ 13 FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、16.5(#4)、18(#5)、20(#7)、23度(#9)
●シャフト(フレックス)/ゼクシオ MP1300(R2、R、SR、S)
●価格/6万500円

最高到達点がドライバーと同じ

ドライバーもFWも弾道の最高到達点が同じになるのが理想的なセッティングといわれていますが、「ゼクシオ 13」はまさにそのタイプ。

ドライバーと3Wは最高到達点もドロー系の球筋も一致しているので、これ以上の組み合わせはないと思います。

ゼクシオ エックス FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、16.5(#4)、18(#5)、20度(#7)
●シャフト(フレックス)/ミヤザキ AX-3(R、SR、S)
●価格/6万500円

HS43m/秒前後もOK!

ドライバーもFWもストレート弾道ですが、3Wはさらに打ち込める印象があるので、ドライバーのヘッドスピードが43m/秒前後のゴルファーでもOK!

純正シャフトもしっかり感があるし、つかまりすぎて左に飛んでしまう感覚がないので直進性が高いです。

安心感があって、つかまりやすさを感じる形状は同じ

【G430】「10K」の特筆すべき特徴は低スピン

大ヒットした「G430 MAX」に続いて、
今年は「G430 MAX 10K」が大人気だが、
「10K」のドライバーを購入した人にとって
理想のFWはどれ?

今年発売したドライバーのなかでもナンバー1のセールスを記録した「G430 MAX 10K」。モデル名にもあるとおり、ドライバーの特徴は慣性モーメントが1万(10K)g・㎠を超えていること。ピンのドライバーは慣性モーメントがもともと大きかったのが、ついに1万の大台を突破しました。

このドライバーを気に入って購入した人であれば、慣性モーメントが高い「G430 MAX」のFWとは相性がいいでしょう。スイング中のヘッド挙動も似ているので、インパクトのタイミングも合わせやすいと思います。

「G430 MAX 10K」にはもうひとつ特筆すべき特徴があって、「G430 MAX」よりもスピン量が少ない。スピン量の少ない点を気に入って「G430 MAX 10K」を購入した人は、3Wをロースピンタイプとしてはかなり慣性モーメントが大きい「G430 LST」にするのもアリです。

「HL」はヘッド後方のウエイトに共通点があるので、
ドライバーが「HL」なら3W もそろえたほうがいい

軽量シリーズの「G430 MAX 10K HL」のドライバーが気に入って購入した人は、3Wも「G430 MAX HL」の1択!軽量でも慣性モーメントを大きくしたピン独自の構造がFWにも継承されていますし、クラブ総重量の重量フローも合っています。

ピン G430 MAX FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、18(#5)、21(#7)、24度(#9)
●シャフト(フレックス)/ALTA J CB BLACK(R、SR、S)など
●価格/6万500円~

ドライバーよりシャープな顔

打球が上がりやすくて、ミスヒットに強い性能はドライバーと似ていますが、顔の印象はドライバーよりもスマートでシャープ。

安心感があるというよりも3Wとして、地面の上のボールをやさしく打てることを想定した実戦向きの形状や機能になっています。

G430 HL MAX FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、18(#5)、21(#7)、24度(#9)
●シャフト(フレックス)/フジクラスピーダーNX35/NX45など
●価格/6万500円

シャフトやグリップも軽量化

ドライバー同様にFWもヘッド、シャフト、グリップをバランスよく軽量にしているので、振り感が完璧に一致しています。

「HL」の3Wは、今発売されている3Wのなかでもトップクラスのやさしさと上がりやすさが魅力。シニアや非力な人以外も試してほしいです。

大型ヘッドでも向きはスクエア。3Wはプロからも高評価

RMX】チタンフェースのメリットが大きい

「RMX VD」のドライバーは3モデルあるが、FWは1モデル。
1モデルでも他メーカーとの相性もいい!

ヤマハ契約外の選手でも3Wだけ「RMX VD」にしている選手が増えています。

チタンフェースによる打感のよさも、プロゴルファーからの評価が高い要因のひとつ

試打した印象としては、ドライバーとは別カテゴリー。海外メーカーのドライバーと組み合わせてもまったく問題ありません。寛容性と操作性のバランスが絶妙ですごく完成度が高く、チタンフェースによる余剰重量の配置がとても素晴らしい1本に仕上がっています。

ヤマハ RMX VD FW

SPEC
●ロフト角(番手)/15(#3)、18(#5)、21度(#7)
●シャフト(フレックス)/TENSEI TR f(R、SR、S)など
●価格/6万2700円~

中弾道で強いボールが打てる

高弾道タイプの3Wと違って「RMX VD」の3Wは中弾道でキレのよい強いボールが打てます。

ドロー・フェードの球筋の打ち分けだけではなく、飛距離が安定するタテの距離感を調整しやすい点もツアープロからの使用率が高い要因のひとつですね。

中・上級者が好むシャープで叩ける顔

アイアンが得意なタイプにマッチする

前回のドライバー試打で鹿又が絶賛した「オノフ AKA」。
はたして3Wの評価は?

「オノフ AKA」のドライバーは「個人的には今年のベスト3に入る」と評価しました。私のようなドライバーのヘッドスピード42m/秒前後で、アイアンをダウンブローに打ち込むタイプのスイングと相性抜群です。

3Wもまったく同じ系統です。「オノフ AKA」のやさしさに「KURO」の使い勝手のよさを融合しているのでバランスがいい。ドライバーと3Wを「AKA」でそろえるのもアリですし、他メーカーのドライバーを使っていて3Wが苦手な人にこそ「AKA」を強くオススメします。

接地面積を少なくするレールソールになっているので抜けがいい

グローブライド オノフ FAIRWAY ARMS AKA

SPEC●ロフト角(番手)/15(#3)、18(#5)、21度(#7)●シャフト(フレックス)/SMOOTH KICK MP-524F(R 2、R、SR、S)など ●価格/4万6200円~

美しい弾道で打球がそろう

コースで打ったときに、1球目から振りやすかったし、芯に当たる。何球打っても打球がそろうし、打感も打音もとても心地よい。スライサーや長いクラブを地ベタから打つのが苦手な人だけではなく、さまざまなゴルファーに合う万能タイプのFWです。

「オノフ AKA」の顔を比較 顔のタイプも同じ! シンプルな丸顔

いかがでしたか? 自分に合ったFWドライバーを探してみましょう!

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

この企画が動画で見られる! ワッグルオンライン順次更新中! www.waggleonline.jp

構成=野中真一 
写真=田中宏幸 
協力=ジャパンゴルフスクール

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