人気女子プロ15人のセッティングを解説!アマチュアが参考にすべきポイントは?
今シーズン好成績をあげる女子プロ15選手のクラブセッティングをカノマタが解説!
アマチュアが参考にすべきポイントは?
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今季7勝の新スターは男子プロ級のハードスペック
ドライバーのシャフトフレックスは「5-X」。UTのシャフト「ツアーAD DI」は男子プロも好んで使うモデル。
「ツアーAD UB」は松山英樹が東京五輪で使ったモデル。クラブ総重量308gは女子では超ヘビー級。
竹田麗央
●たけだ・りお/2003年生まれ、熊本県出身。166㎝。今季は7勝をあげてポイントランキング1位を独走。ヤマエグループHD所属。
今の主流はFW2本、UT2本でアイアンは6番から!
女子プロのセッティングで、一番変わったのはFWの本数です。昔は7番ウッドを入れる選手も多く、9番ウッドを使っている選手もいました。でも、今は6割以上の選手がFWは2本だけ。その下にUTを2本、そしてアイアンは6番からというセッティングがスタンダードです。2年連続で年間女王となった山下美夢有選手が典型的で、アマチュアゴルファーでヘッドスピード40〜42m/秒の人には番手を含めて参考になるセッティングだと思います。
ドライバーのシャフトフレックスに関しては「5-S」が多く、メーカー別で見ると女子はフジクラのシェアが4割以上。ただし、全員が最新モデルではなく、NXシリーズの歴代モデルを使用する選手も多い。一番人気があるのは、22年モデルの「グリーン」です。
番手構成は4年間ほぼ同じ! パターはピンの「オスロ3」に
3・5W、4・5UT、アイアンは6番〜PW、そしてウエッジ3本という組み合わせは4年間ほぼ同じ。今年後半からピンのパターを使用。
ドライバーのシャフトは、女子ツアーでもっとも使用者が多い「スピーダー NX グリーン」。22年の後半から愛用している。
山下美夢有
●やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。150cm。2年連続で年間女王となり、パリ五輪にも出場。加賀電子所属。
3Wを抜いて5・7Wにウエッジは48度から
かつては3Wを入れていたが、今季は5・7Wの組み合わせでツアー初優勝。ショートゲームを重視して48度のウエッジも使用。
阿部未悠
●あべ・みゆう/2000年生まれ、北海道出身。155cm。1年目からシードを獲得し、今季はツアー初優勝。ミネベアミツミ所属。
今季から1Wは「10K」エースパターは約3年変えず
今季からドライバーを「G430 MAX 10K」にスイッチ。エースパターの「2021 ピン パター DS72」は約3年間変えていない。
佐久間朱莉
●さくま・しゅり/2002年生まれ、埼玉県出身。155cm。優勝争いを何度も演じ、メルセデス・ランキング7位。大東建託所属。
小学生からスリクソン UTはウッド型に変更
小学生のころからスリクソンを使っている安田。プロ1年目はアイアン型の5UTを使っていたが、今はウッド型に変更。
安田祐香
●やすだ・ゆうか/2000年生まれ、兵庫県出身。163cm。アマチュア時代から注目され、プロ5年目で初優勝。NEC所属。
ウッド重視タイプ ベテランも若手もウッドに自信があればアイアンを減らして組もう
FWを2本にする選手が主流になりましたが、FWやUTを2本以上入れているウッド重視派の選手もいます。アイアンよりもウッドが得意なアマチュアは、こういった選手のセッティングを参考にするのもアリです。
たとえば青木瀬令奈選手はFWを4本、UTを5、6、7番の3本入れて、アイアンは8番からにしています。彼女はウッド系で数ヤードの距離感まで調整できるので、アイアンよりも飛距離をかせげるFWやUTを増やしているのです。
尾関彩美悠選手はFW2本ですが、UTを3、4、5、6番の4本入れて、アイアンを7番からにしています。尾関選手はロフト28度の6UTをグリーン周辺のアプローチでも使っていて、そういう使い方もマネてみるのもいいと思います。
FW、UTのモデルはバラバラ!
7本のFW、UTを入れている青木は「ゼクシオ」と「スリクソン」の新旧モデルを併用。16年モデルの「Z H65」も使っている。
青木瀬令奈
●あおき・せれな/1993年生まれ、群馬県出身。153cm。ツアー通算5勝の実力者。リシャール・ミル所属。
5・7・9Wと4UTの4本から2本を選択
FW、UTの計7本は、3Wと5・6UTは固定で、5・7・9Wと4UTの4本のなかから2本を選んで14本セットにする
菊地絵理香
●きくち・えりか/1998年生まれ、北海道出身。157cm。12年連続シードをキープ。ツアー通算6勝。ミネベアミツミ所属。
「SIMグローレ」を使い続けて復活の3勝!
2年前のツアー初優勝のときからウッドは「SIMグローレ」を使い続けて、今季3勝。アイアンも2年前と同じ「ミズノプロ719」
川﨑春花
●かわさき・はるか/2003年生まれ、京都府出身。158cm。プロ3年目でツアー通算5勝をマーク。村田製作所所属。
今季から6番アイアンを6UTに変更
ツアー初優勝した22年や23年はUTが5番まで。今年から6番アイアンを抜いて、6UTを使うようになった
尾関彩美悠
●おぜき・あみゆ/2003年生まれ、岡山県出身。158cm。今季はメルセデス・ランキング15位と自己最高の成績。JFEスチール所属。
アイアン重視タイプ 「5Iを入れる」のお手本岩井姉妹はUTゼロ! FW1本の選手も増えた
ウッド系が少ない選手も見られました。FWを1本にしたり、UTを使わないセッティングもツアーで活躍しています。
UTを使わない選手の代表格が岩井姉妹です。ふたりとも飛び系アイアン「EZONE GT」の6番アイアンをUTの代わりとして使っています。そのためセッティングの番手だけで見ると6番アイアンが2本入っていますが、「EZONE GT」の6番はロフト22度という超ストロングロフト設計です。
FWを3Wのみにしている河本結選手、桑木志帆選手などは、5Wの代わりにロフト19度の3UTを入れています。アイアンは5番からです。アマチュアでも「5番アイアンを使いたい!」という人は3UTを入れたり、上田桃子選手のように5番アイアンだけ別モデルにするコンボセットもオススメです。
1Wはフックフェース 3Wは飛距離重視の14.5度
3Wはロフト14.5度の「3W D」を使用。ドライバーは調整機能を使ってフックフェース(Hポジション)にしている
岩井明愛
●いわい・あきえ/2002年生まれ、埼玉県出身。161cm。23、24年と2年連続でツアー3勝をマーク。Honda所属。
ウエッジ以外はすべでカーボンシャフト
セッティングは姉・明愛とほぼ同じだが、シャフトはドライバーからアイアンまでヨネックスの純正カーボンでそろえている
岩井千怜
●いわい・ちさと/2002年生まれ、埼玉県出身。162cm。プロ1年目で2週連続優勝を飾り、ツアー通算6勝。Honda所属。
3WをハイロフトにしてUTは3番と5番に
3Wは16.5度のハイロフトタイプ。UTは3番と5番の2本。3UTは16年モデルを使い続けている
河本 結
●かわもと・ゆい/1998年生まれ、愛媛県出身。163cm。19年の初優勝以来、今季5年ぶりに復活優勝。RICOH所属。
ロフト角9度の「LS」アイアンは8年間使用
ドライバーはロフト9度のロースピンタイプ。FWは1本、UTを2本にして、アイアンは16年モデルの名器を8年間使用
桑木志帆
●くわき・しほ/2003年生まれ、岡山県出身。163cm。プロ3年目の今季は2勝をマーク。大和ハウス工業所属。
1Wは新作の「GT2」を投入
契約フリーの天本は、ドライバーはタイトリストの新作「GT2」。FWからUTとウエッジはキャロウェイで統一
天本ハルカ
●あまもと・はるか/1998年生まれ、福岡県出身。162cm。パナソニックオープンで、ツアー初優勝。明治安田所属。
3Wは10年以上も「X-HOT」「DCB」も21年モデル
なかなかクラブを替えない上田。3Wは10年以上「X-HOT」を使い続けている。5番アイアンだけ「DCB」にしたのは21年から
上田桃子
●うえだ・ももこ/1986年生まれ、熊本県出身。161cm。シード権を保持し続けるベテラン選手。ツアー通算18勝。ZOZO所属。
いかがでしたか? ぜひ。クラブセッティングの参考にしてみてくださいね。
解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=竹田誉之、田中宏幸
撮影トーナメント=ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン
※選手のセッティングは練習ラウンド時のもの。試合中は計14本になります。選手の成績などは10月11日現在
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