五輪コースって一般ゴルファーも使えるの…?タケ小山が解説

ハローエブリバディ!パリ五輪のゴルフ競技の会場の「ル・ゴルフ・ナショナル」をほかのゴルフ五輪会場とともに振り返って検証してみる。

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オリンピックゴルフ競技の会場は一般ゴルファーにも解放的?閉鎖的?

五輪ゴルフが素晴らしいものになるほど「私もあのコースでプレーしてみたい」と思うはず。しかし、誰でも回れるゴルフ場ばかりじゃない!


ル・ゴルフは1987年7月にコース建設がはじまり、3年後の1990年に当時、仏国・青年スポーツ大臣のロジャー・バンバック大臣(元・仏国五輪陸上メダリスト)によって開場したコース。

完成後の1991年からコンチネンタル欧州でもっとも歴史のあるフランスオープン(1906年から開催)のホーム、ライダーカップ(2018年)、世界アマ(男女・2022年)も開催しているフランスのゴルフレガシー、遺産である。さらに、誰が所有しているかというと、フランスゴルフ連盟が所有しているのだ。

パリ五輪公式サイトでは「ル・ゴルフ・ナショナルは、長期に渡る持続可能を慣行する取り組みにおいて、環境管理活動を改善、遺産を保護することを目指す。我々は、これらの目標を達成するためにフランスのエコロジー・持続可能な開発・エネルギー省と協力している」と、フランスが国をあげて作り上げ、守り続けているゴルフ場なのだ。 

ここまで書けば“オレにいわせろ!”の流れでは、リオ五輪会場はどうなっているのかを知りたくなるはずだ。リオ五輪を開催するにあたり、ゴルフをはじめ、バスケ、柔道、テコンドー、水泳やカヌーを含む9つの会場を建設。しかし、現在はほとんどが閉鎖しているが、ひとつは現在も存在する。

それがリオ・デジャネイロ・オリンピックゴルフコースだ。五輪開催後、経営が悪化し、短期間の閉鎖を余儀なくされたが、月に5000ラウンドを記録するほどに回復。コロナ禍でリオのふたつのプライベートコースは閉鎖したが、この五輪コースはオープンを続け、締め出された地元ゴルファーたちの受け皿になっている。

ゴルフ人気は低迷したが、それは大きな問題ではない。このコースも所有者はリオの自治体で、指定管理者はカルロス・フォヴォレート(環境問題に熱心な地元実業家)。“誰でもプレーできるゴルフ場”にすべく啓蒙活動をしているとのことで、素晴らしいじゃないか!

そして、東京五輪のゴルフ会場といえば、超名門の“カスミ”こと霞ヶ関カンツリークラブ。会員権は仲間内(メンバーたちの理事会を通しての譲渡のみ)の超エクスクルーシブ(閉鎖的)なゴルフ場。

ただ、メンバーたちがプレーしたくない夏場にジュニア、市民にコースを貸し出し、いかにも「社会貢献やっていますよ」の素振りは一人前。

2021年の五輪後にはメディアを通し「JGAと霞ヶ関CCで市民開放のイベントを……」なんていってはいたが行なわれたの?五輪競技復活後の3会場を比較検証してみたが、みなさんの感想はいかがかな?

タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。

イラスト=北沢夕芸

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