「体が先で、クラブは最後」笹生優花の“一流スイング”を解説

笹生優花プロのスイングを石井忍コーチが解説!

【関連記事】人気女子プロの“バッグの中”は何が入ってる?ラウンド中の女子プロに突撃!

左サイドを低く使う「フェードの引き出し」ももった全米女子オープン覇者

笹生選手のスイング解説は、昨年も務めたことがありましたが、今季の全米女子オープン優勝後に撮影されたこの写真を見て「確実にブラッシュアップされている」と感じました。

1番の進化は「体が先で、クラブは最後」と感じる体主体のスイングがさらに色濃く出てきたところ。テークバックでシャフトが逆しなりするのもそうですが(2)、体の回転にクラブがついてくる、引っ張られるように動いています。

フルトップにいたる前に左方向への下半身リードがはじまって、左足全体がアドレスの位置まで戻ってきていますが、切り返しで腰が正面を向いてもクラブはフルトップのポジションから大きく下がらず、まだこの位置にあります(7)。

そして、左のワキ腹を伸ばさず、アゴから左肩が左下に向かって離れていくのに注目してください(8)。下半身がスピーディに動くと上半身がブレやすくなってしまうところを、左肩をアゴから離すことで左ワキを締め、上半身の姿勢を維持しています。

体先行でもきちんとクラブがついてきて振り遅れない。ベルトのラインも水平に回っているので、ダフリ、トップ、チーピン、テンプラなどさまざまなミスの原因を防げるダウンスイングとインパクトを作り出しています(10)。

また、笹生選手の「左サイドを低く使う」ダウンスイングは、フェードを打つポイントとなる動き。彼女は、もともとはドローボール一辺倒でしたが、ホールロケーションや状況に合わせて「フェードで狙う」引き出しをもったことも大きいですね。

勝つことがもっとも難しいといわれる全米女子オープンを制したことにも納得。

笹生優花

●さそう・ゆうか / 2001年生まれ、東京都出身。166cm。21年と今季の全米女子オープンを制し、メジャー2勝。前回の東京五輪は日本とフィリピンの両国の国籍をもっていたが、フィリピン代表と出場して9位。その後、日本国籍を選択。フリー。

解説=石井忍

●いしい・しのぶ / 1974年生まれ、千葉県出身。ツアープロからコーチに転身し、エースゴルフクラブを主宰。プロやプロの卵の指導のほか、国内外のトーナメント解説者としても活躍中で、国内外の最新のツアー情報を熟知している。

写真 = 田辺 “JJ” 安啓 、ゲーリー小林

【あわせて読みたい】

約10万円でタイで豪華ゴルフコンペに参加できる!3泊2ラウンドのお得旅

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

関連記事一覧