FWで“飛ばせるフィニッシュ”はどっち…?人気コーチがわかりやすく解説
FWがいつまでたっても上達しないと悩むゴルファーに朗報! 普通に打つだけでなく「飛ばす」と「置く」のふたつの打ち方をマスターしよう。FW自体がうまくなるだけでなく、200ヤード前後の距離の攻略までうまくなるレッスンを伝授する。
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コースでかなり役立つ「飛ばす」と「置く」ふたつの打ち方!
FW(フェアウェイウッド)を使いたい場面は大きく分けてふたつあります。ひとつ目はパー5のセカンド地点で2オンが狙えるときなど〝ガツン!〞と「飛ばしていきたい」場面。
もうひとつは「最低限の飛距離」は担保しつつも、グリーン周りのバンカーなどのハザードに届かないように、ボールを安全なエリアに「置きにいきたい」場面。これらの状況において、みなさんも普段のスイングに少しずつアレンジを加えて打っているかと思いますが、そのアレンジが間違った方向にいってしまっている人をよく見かけます。
飛ばしたくてリキみ、振り遅れからスライスが出たり、置きにいくためにライン出しをしたつもりが引っかけて左の林へまっしぐら……なんてミスの経験をしたことがあると思います。そこで今回のレッスンでは、そのふたつの状況による正しい構え方と打ち方を伝授!
このふたつの打ち方をマスターして使い分けるとコース攻略の幅が広がる。200ヤード前後の距離をうまくプレーできるので、FWの上達にもつながります!
「飛ばす」「置く」でこんなミスが出なくなる!
「すでにコースで〝飛ばす〞と〝置く〞を使い分けている人もいると思いますが、成功率はどうですか? 思ったとおりの結果にならずにミスしている人はこれらが原因! こういうミスが出なくなるレッスンをお届けします」(神谷)
「飛ばす」でのミス
飛ばしにいって(リキんで)振り遅れ、フェースが大きく開いたままインパクトを迎えてしまう。飛ばすつもりが飛ばない大きなスライスが出てしまう
「置く」でのミス
方向性を出すために「ライン出し」をしようとしたら、ハンドファーストがキツくなってしまった。チーピンもプッシュスライスのどちらも出やすい
ビッグキャリーは不要〞足の伸びる〞ドローで総距離をかせぐ
「飛ばす」というと高弾道のボールをイメージする人も多いかもしれません。しかし、手前にハザードがないような開けた状況においては「ビッグキャリー」は不要。
ランを使って転がして飛距離を伸ばすのが得策。効率よくランをかせぐには、少し右サイドにボールを打ち出してからターゲット方向に戻ってくるようなドローボールが理想です。スイング的には基本的な打ち方からは逸脱せず、アドレスの向きとボールの位置で調整しましょう。
FWはクラブが長くてただでさえ難しい番手なので、打ち方を大きく変えようとするのはNG。なるべくシンプルにアレンジするのが賢い方法です。
「飛ばす」アドレス1 ボールの位置を通常より右側にセットする
ドローボールを打つ条件のひとつは「インサイド・アウト」のクラブ軌道。通常よりもボールを右側にセットすることで、インサイド・アウトの軌道が得やすくなる
「飛ばす」アドレス2 ターゲットより少し右側を向いて構える
これもインサイド軌道を確保するためのアレンジ。フェースも打ち出す方向にしっかりと向けていこう
「飛ばす」スイング1 通常どおりのバックスイング
バックスイングは基本的には通常どおりでOK。アドレス時に若干ハンドファーストを強くしておくと、トップは自然に少しコンパクトになる
「飛ばす」スイング2 スタンスなりに振っていく
ターゲット方向に振らないように注意。スタンスなりに振ることで、コースの右サイドからターゲット方向に戻るドローボールが打てる
置くショット=低いライン出しの固定観念は捨てる
ショートアイアンが曲がりづらいのと理屈は同じ
ロングアイアンとショートアイアンを比べたとき、ショートアイアンのほうが曲がりづらいのはなぜだと思いますか?理由はロフトが多いほうがスピン軸は真っすぐになりやすいから。そもそも「ボールの曲がり」というのはスピン軸の傾きによって生じます。ロフトが増えるほどスピンは”縦の成分”が多くなりますので、結果的に曲がりづらくなるわけです。
FWでも理屈は同じで、バックスピンの量を増やすことでよりスピン軸の傾きを抑えることができ、曲がり幅を少なくすることが可能。加えてスピンが増えることでボールが高く上がる力が強くなると、落下角が増えてランが少なくなり、想定以上に飛ぶというミスを防げます。ボールを運びたいエリアにきちんと「置くボール」を打つことができるのです。
低いライン出しには技術がいる
最近のFWは低重心でボールが上がりやすくできているので、低いボールを打つのが難しい。
置くときのポイントは「落下角」。ハイスピンでボールを止める
「置く」アドレス①ボールを通常より左側にセットする
スライス系のボールを打つにはアウトサイド・インの軌道が必要。ボールを左側にセットすることでアウトサイド・インのクラブ軌道を確保する。
「置く」アドレス②ターゲットより左側に向いてアドレス
スタンスも少しオープンにして、アウトからインに振り抜きやすい構えを作る。ドローのときと同じように、フェース向きはしっかりと打ち出し方向に向ける。
置く打ち方では、スピンを入れるためにダウンブロー気味に振っていく
最近のFWは低スピン仕様なので、スピンを増やすためのひと工夫が必要。少しトップを高くして、ダウンブローに打つ準備をする。
少し高めのトップを作る
基本はスタンスの向きとボール位置だけで球筋を作っていきたいのですが、最近のFWは低スピン仕様になっているので、若干の工夫が必要です。
トップを少し高めにしてダウンブローに振っていくことでスピン量を増やしていきましょう。とはいえ、過度なダウンブローにはしたくないので、トップからダウンスイングにかけては手でクラブを操作するのではなく、あくまで下半身を先行させる。飛距離を求めているわけではないので、フィニッシュはコンパクトでOKです。
ヘッドを少し上からダウンブローに入れる
高いトップから振り下ろし、ヘッドを少しダウンブローに入れる。クラブ軌道はスタンスなりに振っていくことで、しっかりとスライス回転が掛かったボールとなる。
低く小さいフィニッシュをとる
飛距離を出しにいくのではないので、フィニッシュはコンパクトに。ダウンブローに下ろした勢いそのままに、体の左サイドにクラブを収めよう。
「飛ばし」&「置く」打ち方で知っていると得する3つの裏ワザ
肩のラインを決めてから、それに合わせて足(スタンス)のラインを決める、こうすることでアライメントがズレにくくなる。
「飛ばし」&「置く」打ち方の裏ワザでは”片手アドレス”でスタンス向きを整える
ドローを打つときは、左手1本でクラブを持ってアドレスに入る。左肩が体の前に出やすく、結果として右を向きやすくなる。
スタンスの向きをターゲット方向からそらしてセットするときは「片手1本アドレス」がオススメ。フェードなら右手1本でクラブを持ってアドレスに入ることで右肩が前に出るので、結果的にアライメント全体を左に向けやすくなります。
「飛ばす」打ち方の裏ワザは”ちょい高め”ティーアップで低スピンに!
高すぎるティーアップはテンプラのミスになりやすいので、「高め」といってもティーの頭が芝に埋もれないくらいにする。
ティーショットをFWでレイアップするときは、「刻むんだ」と心に決めていてもやはり少しでも飛距離をかせぎたいと思ってしまうのがゴルファーの性分。そんなときはティーアップを「少しだけ」高めにしてみましょう。フェースの上側に当てると低スピンになり、飛距離を伸ばせます。
「置く打ち方」の裏ワザではシャフトを”重く・短く”で安定感アップ
近年のFWは飛距離性能重視の傾向があり、市販品はシャフトが”長め・軽め”に設定されているものが多い。軽めのクラブは手先で扱いやすくなってしまうためスイングが安定しづらく「曲がりやすい」クラブともいえます。重め・短めのシャフトに替えるとボディターンで打ちやすくなり、スイングの安定性が向上。置きにいきやすいFWになります。
いかがでしたか。神谷氏のレッスンをぜひ参考にしてください。
レッスン=神谷幸宏
●かみや・ゆきひろ/1987年生まれ、埼玉県出身。「越谷ゴルフリンクス プライベートスタジオ」を中心にレッスン活動を展開。SwingCatalystなどの数値を解析するデータアナリスト、シューフィッターとしても活躍中。
写真=田中宏幸
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)
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