女子プロが256ヤード飛ばす秘訣は?”アスレチックスイング”を解説

オリンピック開催国出身で、もっとも勢いのある選手といえばセリーヌ・ビュティエ以外にいないでしょう。ツアーでは今シーズンまだ勝利がありませんが、パリ五輪では自国開催の追い風に乗っての活躍を期待したいところです。スイングは、男子顔負けの美しさと強さがあります。

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体幹の強さでクラブを引き下ろすアスレチックスイング

アドレスはバランスがとてもよく、まさに教科書どおりです。バックスイングでは手首が少し曲がるのをきっかけにして始動。手首を曲げることで最初にヘッドが動くため、その慣性でシャフトが少ししなっているのがわかります。バックスイングの初期段階で手首を曲げておくとオーバースイングになりにくいという利点もありますので、振り上げすぎてタイミングが合わないアマチュアにマネてほしいですね。

トップでは、シャフトが地面と平行になる少し前に切り返しがスタート。クラブの進行方向と体の回転が互い違いになるので強いタメが生まれます。タメが強いと上半身が下半身の回転に遅れすぎることがありますが、しっかり鍛えられた体幹の強さがバラバラになることを見事に防いでいる。

また、タメが強いほどリリース時のヘッドスピードが速くなります。このヘッドの強烈な加速を利用してインパクトを迎えるので、インパクト後は両腕がほぼ伸びた状態。しかし、フォローではそれほど腕のローテーションはありません。あくまでヘッドスピードはかせぎながらもフェース面は安定させるというスイング。ここがビュティエのスイングの真骨頂であり、「飛び」と「正確性」のバランスを見事にとっているポイントとなっています。

Celine Boutier
(フランス代表)

●セリーヌ・ビュティエ / 1993年生まれ。165cm。米国の超名門デューク大学を卒業後にプロ転向。17年の欧州ツアー「三亜レディースオープン」でツアー初優勝を果たす。23年7月には地元開催のメジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」を制した。平均飛距離256ヤード。

解説=大川夏樹

●おおかわ・なつき / 1988年生まれ、神奈川県出身。マンツーマンを中心に、多くのアマチュアゴルファーをレッスンする人気コーチ。(インスタグラムアカウントNATSUKI72_GOLF)。

写真 = 田辺JJ安啓

※選手のデータや成績は、7月6日現在のもの

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