パリ五輪出場の本音を突撃!あの選手が日本代表狙いってホント?
パリ五輪のゴルフの代表選手は、男子は6月18日、女子は6月25日に発表される。この原稿を執筆中、男子は松山英樹が出場資格を得るランキングのトップだが、2番目の枠は熾烈な争いが繰り広げられ、次なる候補の中島啓太と久常涼のふたりは五輪に対して出場したい強い意志を示している。その一方で、じつはもうひとりの候補の動向に注目が集まっていた。
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8月1日から開催!パリ五輪出場までの裏話
5月の全米プロ選手権の会場で練習ラウンドを行なっていた中島は、雷雨接近によりコースから避難しなければならなくなった。クラブハウスまでの道のりを私と一緒に歩きながら、五輪出場について尋ねてみると「出たいです!」と力強いひと言が。
久常に関しては、パリ五輪のゴルフの会場が昨年DPワールドツアーで初優勝した試合(カズーオープン)と同じコース「ゴルフ・ナショナル」で行われるということもあり、出場への思い入れが強い。
このふたりが出場資格を争う形となっているが、中島がとある選手の意向について話した。「カート・キタヤマが日本代表になるって話があるんです。アメリカ代表を争うのはハードルがすごく高い。そこで、日本にルーツがあるから、日本代表を狙っているというウワサがあります」
カート・キタヤマといえば、昨年3月の「アーノルドパーマー招待」で優勝したアメリカ人選手。母親が日本人ではあるが、カリフォルニア生まれでネバダ大学ラスベガス校に通うなど、アメリカ人として過ごしてきた。そこで、キタヤマ本人に真相をぶつけてみた。
――日本人になって、日本代表を狙っているというウワサを聞いたのですが、それは本当ですか?
「ハハハッ(笑)。思いを巡らせたのはたしかですが、真剣に考えたわけではありません。実際、実行しようとすると、とても時間がかかるということがわかりました。(五輪の)規則をもっとしっかりと読み込んで深く考えなければいけないのです。また、(その行動が)どのように受け止められるかも考えなければならない。アメリカで生まれて日本語も話せない。そんな選手が日本代表になってもいいのか、とか。今わかっているのは、パリ五輪に向けてはもう時間がなさすぎるということです」
出場のウワサはウワサでしかなかったが、2028年にはロサンゼルス五輪が控えていて、4年後にキタヤマが日本代表になる可能性はゼロではないようだ。五輪のゴルフは他競技よりも「出たい選手と興味のない選手」の温度差が大きいが、キタヤマは出たい派。
ちなみに、オーストラリア出身のアダム・スコットは、興味がない派で、「五輪そのものには興味があってテレビで観戦していますが、パリもロサンゼルス五輪も代表選手として出場することはまったく考えていません。私はゴルフのメジャーに出て勝ちたいんです」とのこと。
ただし、2032年のオーストラリアで開催される「ブリスベン五輪なら出たい」という。しかし、これはアダム流のジョーク。そのときアダムは52歳になっているのだから。
いかがでしたか? パリ五輪のゴルフ試合、選手たちのプレー姿勢から目が離せません!出場選手たちを応援しましょう。
フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
取材・写真=田辺安啓
TEXT & PHOTO Yasuhiro JJ TANABE
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