キレのある鋭い球を打てる“インサイドアタック”って?PGAトッププロから学ぶ

昨年6月にプロ転向したばかりの新星。今年のマスターズではシェフラーを最後まで追い詰め、その存在感をアピールしましたルドビグ・オーバーグのスイングを解説。

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右サイドのスペースを有効活用、確実にインサイドアタック

191センチの長身から繰り出されるキレのあるスイングは、ライフル銃のような鋭い球を打ち出します。アドレスは、少し右足を引いたクローズスタンス。また、右ヒジも軽く曲がっているところからつかまりを重視していることが推測できます。

身長が高くなるほどスイングがアップライトになりやすく、打ち込む傾向が強くなりがち。そのため長身のプレーヤーは、スイングプレーンをゆるやか(フラット)にする工夫を取り入れていることが多いです。

テークバックでは体全体を後方へ移動させ、腕の力ではなく、体重の移動でクラブに初動の勢いを与えていることがわかります。左足よりも右足が大きく動いているように見えますので、これもインサイドアタックをするための準備でしょう。左股関節を支点にすると骨盤はバックスイング方向へ大きく回転し、ダウンスイングでクラブをインサイドから下ろすスペースができます。

トップでは右ヒジがわずかに胸の前より背中側へ外れていますが、彼の場合はこうしないとスイングプレーンがアップライトになりすぎるのでしょう。このポジションから切り返すと、腕が体の外側に外れてチーピンになることもあるのですが、さすがのトッププロ。ハーフウェイダウンのタイミングではしっかりと右ヒジが胸の前へ戻ってきています。

このとき、シャフトと右前腕が重なっているので、ここまでくればひと安心。フェースが開きさえしなければ、スライスの出る条件は消せています。

インパクト時はそこまで左のお尻が見えませんから、完全に体が開いているわけではない。むしろ、クラブがインパクトで体を追い越すような関係性で振られ、ボールをつかまえているのがわかります。

Ludvig Aberg
(スウェーデン代表)

●ルドビグ・オーバーグ / 1999年生まれ。191cm、86kg。スウェーデン出身だが、アメリカの大学を卒業し、プロ転向。ルーキーイヤーとなる23年に2勝をあげ、瞬く間にトッププレーヤーの仲間入りを果たし、今シーズンも上位フィニッシュ多数。

解説=大川夏樹

●おおかわ・なつき / 1988年生まれ、神奈川県出身。マンツーマンを中心に、多くのアマチュアゴルファーをレッスンする人気コーチ。(インスタグラムアカウントNATSUKI72_GOLF)。

写真 = 田辺JJ安啓

※選手のデータや成績は、7月6日現在のもの

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